音速、光速。
故郷から届く報せは、ネット時代だもの、光速ほど早い。
報せは、花火だった。
どれだけ早いといっても、光だって走っている。故郷から距離があれば、花火の光は遅れてやってくる。ちょうど光ったそのあとに、遅れて大気を打つ音がやってくるみたいに。
撮影直後にアップされた故郷花火は、ほぼリアルタイムで見られたけれど、撮影時間分の時間差があった。光が、目にも止まらぬ早技で、それでも駆けてきただけの遅れを持って届いたのだと思った。
動画は光って、遅れて音がやってきた。腹の底を震わす強者の足音だった。
帰省への思いが走り出し、光速で故郷に向かう。
花火は光ってから遅れて弾けた音を伝えくる。帰れていない故郷を思う我が身は音。光れば必ず音は追いかける。遅れても、帰れる日はじきやってくる。
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