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突き当たり? まさか。
たかだか半世紀の間に、時代の色彩がガラリと特色を塗り変えた。黒はブルーライトに、灼熱それでも真夏の太陽に弾んだ真っ赤な太陽ごころが、気候が顔色を変えた途端に落胆の海に沈み込んだ。
確かに電話の大変身は、大きな功績だった。これは固唾を飲み大胆こっくり大きく頷くくらいに誰もが認める現実だろう。人はスマホと息を合わせて生きるようになった。
だけど黒電話にはなかったエネルギッシュな小波ほどの脈動は、肉体への負担も思いのほか大きく、日本全国、世界各国、眼精疲労爆弾で被絨毯爆撃。追うように、ブルーライト低減メガネの迎撃戦が始まった。
便利は善人の心身を蝕み、快適に回帰する幻惑見させて孤立させ、人を窮地に追い込んでいく。人の目をそこ一点に集中させたのには何かワケがあると薄々感じてはいたけれど、まさかここまでとは。すでに人智では到底およばぬ超絶難題をさらりと課していた。
もはや、ここまで?
断崖絶壁? 行き止まり?
これでいいのか?
いいも悪いも、後戻りしない人類は、進んだ先の未来にしか解答を求めていない。
諦めの悪い人類は、こんな程度じゃ挫けない。あの壮絶惨憺の人生の大事、受験戦争さえくぐり抜けてきたんだもの。降りかかる火の粉が隕石ほどにふくらんだって、跳ね返すだけのバネは持ち合わせている。
これから先半世紀は、もっといろんなことが変わる。置かざるを得なくなった距離は、遮蔽版からテレビ電話の進化形に、人肌はAI肌に取って代わるやも知れぬ。
未来の真実は藪の中。窮鼠が猫を噛んだように、窮人は試練をものともしないで未来をウェルカム。
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