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インドの神々


インドの神々

 インドのさまざまな神々を、紹介した本です。

 通常、インドの神々といえば、ヒンドゥー教と、その母体となったバラモン教の神々だけを紹介していることが多いです。
 けれども、本書は、ヒンドゥー教やバラモン教に限らず、仏教、ジャイナ教、イスラム教、ゾロアスター教、シク教の神々までも紹介しています。

 インドの主な宗教が、網羅されています。一冊で、ここまでカバーしている本は、ほとんどありません。多宗教国家のインドを知るには、非常に良い本ですね(^^)

 ちなみに、仏教も、バラモン教を母体にして生まれた宗教です。ヒンドゥー教とは、兄弟のようなものです。
 仏教とヒンドゥー教とは、互いに影響を与え合いながら、発展してきました。ですから、重複している神々が見られます。
 本書を読めば、仏教の神々―日本人に馴染みが深いですね―が、どこに由来するのかを知ることができます(^^)

 ジャイナ教やシク教については、扱っている日本語の書物自体が少ないですね。
 本書は、貴重な日本語文献です。

 イスラム教についても、本書の解説は、貴重なものです。
 インドのイスラム教は、他の地域のものとは、少し違うからです。

 バラモン教、ヒンドゥー教、仏教の解説に比べると、ジャイナ教、イスラム教、ゾロアスター教、シク教の解説は、「駆け足でざっと説明した」感じが否めません。
 しかし、複雑怪奇なインドの宗教の様相を、よくまとめていると思います。インドの宗教の初心者―大部分の日本人は、そうですね―ならば、本書くらいの説明で、おなか一杯でしょう。

 本書を読み通せば、インドの神々について、一通りの知識を得られます。インドの宗教初級者編を修了できますね(^^)

 ただし、本書の情報には、古い部分もあります。刊行が一九八六年ですから、やむを得ないところです。
 本書で一通りの知識を得たら、他の類書も読んで、比べてみることをお勧めします。二〇一一年現在では、類書がいくつか出ていますから。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

第一章 ヒンドゥー教の神々
 一 ヴェーダの神
 二 プラーナの神
  1 ブラフマー神 2 サラスヴァティー 3 ヴィシュヌ神 4 ラクシュミー
  5 マツヤ(魚の化身) 6 クールマ(亀の化身) 7 ヴァラーハ(猪の化身)
  8 ナラシンハ(獅子頭人身の化身) 9 ヴァーマナ(矮人の化身)
  10 パラシュラーマ(斧を持つラーマの化身) 11 ラーマ・チャンドラ
  12 クリシュナ 13 バララーマ 14 ブッダ(仏陀) 15 カルキ
  16 ジャガンナート 17 チャイタニヤ 18 カーマデーヴァ 19 シヴァ
  20 ウマー 21 パールヴァティー 22 ドゥルガー 23 ガネーシャ
  24 カルティケーヤ 25 クベラ 26 聖者 27 動物神 28 アスラ

第二章 仏教の神々
  1 帝釈天(インドラ) 2 梵天(ブラフマー) 3 火天(アグニ) 4 閻魔天(ヤマ)
  5 水天(ヴァルナ) 6 風天(ヴァーユ) 7 毘沙門天(クベーラ・ヴァイシュラヴァナ)
  8 魔醯首羅天(マヘシヴァラ) 9 伊舎那天(イーシャーナ)
  10 青頸観音(ニーラカンティー) 11 大黒天(マハーカーラ)
  12 地天(プリティヴィー) 13 日天(スールヤ) 14 月天(チャンドラ)
  15 那羅延天(ナーラーヤナ) 16 聖天(ガネーシャ)
  17 鳩摩羅天(クマーラ) 18 弁財天(サラスヴァティー)
  19 吉祥天(ラクシュミー) 20 羅刹天(ラークシャサ) 21 阿修羅(アスラ)
  22 夜叉(ヤッカ) 23 准提観音(ドゥルガー・チャンディー・バガヴァティー)
  24 仏教神の位置

第三章 ジャイナ教の神観

第四章 イスラームの神
  1 スーフィーの神観 2 インドのスーフィー 3 スーフィーとバクタ
  4 聖者崇拝

第五章 ゾロアスター教の神
 一 アフラ・マズダー
 二 六天使
 三 悪魔
 四 予言者 ザルドゥシュト(ゾロアスター)
 五 アヴェスタ

第六章 シク教の神
 一 シク教の神と信仰
 二 ジャプ
 三 祈り

第七章 民俗神

その他のインド女神一覧

あとがき



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