見出し画像

琉球怪談 七つ橋を渡って―闇と癒しの百物語


琉球怪談 七つ橋を渡って―闇と癒しの百物語

 沖縄県に関わる実話怪談を、百話、集めた本です。大部分の話の舞台が、沖縄県です。一部に、沖縄県人が、他の県で体験した話などもあります。

 実話怪談集は、いくつも出ていますね。その中でも、本書は、出来が良いほうだと思います。
 まず、ちゃんと怖いです。夜に一人で読んでいると、背中がぞくぞくしてきます。
 そのうえ、沖縄の独特な文化が感じられます。これが、怪談の、素敵なスパイスになっています。とても良い味が出ています(^^)

 中には、怖いというより、不思議な話や、心温まる話、悲しい話もあります。適度にバリエーションがある点も、飽きなくて、良いですね(^^)

 本書は、『琉球怪談』シリーズの二冊目です。でも、一冊目の『琉球怪談』を読んでいなくても、本書を楽しむのに、まったく支障はありません。
 本書を読んで、気に入ったら、ぜひ、一冊目の『琉球怪談』も、お読み下さい。

 一つ一つの話は、短いです。すぐに読めます。読みやすいです。
 全体に、濃厚な沖縄の香りが漂っています。読み終わると、沖縄へ行きたくなります。本書の中にある沖縄の空気感を、肌で感じてみたくなります。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

前口上

一つ目の橋 沖縄各地の怪
 第一話 ぬーが!
 第二話 バス停の人々
 第三話 コンビニエンスストア
 第四話 トイレはどこですか
 第五話 逃げちゃうのね
 第六話 平和通りの落とし穴
 第七話 見えない階段
 など

二つ目の橋 奇っ怪な噺【はなし】
 第十七話 四時に来てください
 第十八話 偶然の、ある日
 第十九話 ずるり、ずるり
 第二十話 奥武島【おうじま】の加齢臭
 第二十一話 滝から落ちる夢
 第二十二話 塀の上の小さなおじさんたち
 第二十三話 中央分離帯の小人
 など

三つ目の橋 恐るべきパニック
 第三十一話 毛むくじゃらの腕
 第三十二話 毛むくじゃらの腕、それから
 第三十三話 屋上の怪
 第三十四話 Fくんの机
 第三十五話 ノック返し
 第三十六話 ガランガラン
 第三十七話 トントントントン
 など

四つ目の橋 屋敷に宿りしムン
 第四十四話 始まり この家売ります その一
 第四十五話 庭の人 この家売ります その二
 第四十六話 トイレの女 この家売ります その三
 第四十七話 へらどま この家売ります その四
 第四十八話 飛び降りる女 Y団地の話 その一
 第四十九話 立ち尽くす女 Y団地の話 その二
 第五十話 そりゃ大変さ
 など

五つ目の橋 死者からのメッセージ
 第五十九話 パスカルだらけ
 第六十話 父の足音
 第六十一話 オジイの自転車
 第六十二話 コートを着た伯父
 第六十三話 ヤーヌバン
 第六十四話 ムシヌシラシ
 第六十五話 削る音
 など

六つ目の橋 妖しげなイチムン
 第七十五話 ハブが教えてくれたパレード
 第七十六話 月夜の龍
 第七十七話 墓場の鴉【からす】
 第七十八話 カエル人間、現わる
 第七十九話 ウタキと蝉【せみ】にまつわる話
 第八十話 イモリと士族が台風で
 第八十一話 スイとホタル
 など

七つ目の橋 沖縄戦の怪異
 第八十六話 聳え立つもの
 第八十七話 道連れ
 第八十八話 智恵のあるひと
 第八十九話 沖縄戦のキジムナー
 第九十話 結婚しよう
 第九十一話 待っている
 第九十二話 囁【ささや】き
 など

後口上



この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?