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つれづれ

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考えたこと、感じたこと
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記事一覧

光の連想

 プロセカやあんスタのMVで、各キャラのライティングが担当カラーになる演出に実は今までそれほど良さを感じていなかった(推しの色でステージが染まるのも嬉しいが、それよりも全体の演出効果を考えてほしい)んだけど、fineとKnightsの「スターライトパレード」MV冒頭の、伴奏に合わせてそれぞれの色のライトが一つずつ当たっていく演出はすごく綺麗で好き。

 プリズムみたいな、オーロラみたいな、いやステ

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最低限度の儀礼的仮装

最低限度の儀礼的仮装

普段は化粧をしないで生活しているのですが(理由については下記記事を参照されたい)、しばらく前に礼儀として、また装いの完成度を高めるために化粧をする機会があったので、次に同様の状況となったとき困らないために、何を使ってどうやって化粧したのか、やった順に書いておきます。
(何を使ってどうやって、はだいたいぜんぶ妹に聞きました)

念のため申し添えておくと、このとき化粧したことについては、嫌々だったわけ

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「みんなのフォトギャラリー」から画像を下げました/文脈のない画像の話

「みんなのフォトギャラリー」から画像を下げました/文脈のない画像の話

しばらく前に、「みんなのフォトギャラリー」に共有していた投稿写真をギャラリーから下げました。
すでに使用されているものについては(その時点ではわたし自身が使用されることに同意して共有していたわけですから)下げておりませんので、ひきつづき表示されているはずです。
……という文章を、たぶんわたしの写真を使ってくださっている方は目にすることはないんだろうなあと思っています。わたしも、「使われました」の通

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おもしろいと思うものに出会えるというのは、それをおもしろい(少なくともつまらなくはない)と思って世に生み出している魂の同胞がこの世にいる/いたということだから嬉しい

見えない闘い――わたしが化粧をしない理由

見えない闘い――わたしが化粧をしない理由

※以下の文章は、現時点での、わたしがわたしに対して自覚している認識を言葉にしたものです。わたしに対するわたしの認識は今後変わるかもしれませんし、今は気づいていないことに気づくかもしれませんし、論理的あるいは思想的な誤りを見過ごしているかもしれません

わたしはこの文章を書いている時点で四半世紀以上生きているが、オンでもオフでも、日常生活では一切化粧をしない。
その理由を、以下のように考えてきた。

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悪口に目隠し

悪口に目隠し

 サマセット・モーム『人間の絆』に、主人公フィリップが口を極めて罵られるシーンがある。

「さ、ゾッとさせてやるから、見ろ!」
 そう言って、ちょっと息を切ったかと思うと、一つ鋭く呼吸を吸いこんだが、今度は、たちまち物凄い罵詈讒謗の雨に変った。ほとんど出るだけの声を出して、怒鳴り出した。よくまあそんなにあるものだと思えるほど、次ぎ次ぎと、ひどい言葉が、口をついて出た。あまりにも卑猥な物言いに、フィ

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夫婦同姓を合憲とする判決(2021年6月)のこと

表題の件の判決全文へのリンクです。

まえがき次の国民審査(衆議院議員総選挙のときに一緒に行われる、最高裁の裁判官に対する信任投票。辞めさせたいひとには×を付ける※)のとき参照して考えたいので、自分用のメモです。
わたし以外の誰かの参考にもなったら嬉しい。
とはいえこの件は、司法よりも、議論すら進めない立法府(すなわち国会、それを構成している国会議員)に問題があるのでしょうけど……(裁判でも指摘さ

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フィクショナルトーキョー

フィクショナルトーキョー

良いとか悪いとかじゃなくて、ただそうだというだけの話なんだけど、ずっと東京近辺で生きているわりに東京が故郷というわけでもなく、むしろ地球上のどこにも故郷だと呼べる土地がない自分にとって、歌や小説に出てくる「(故郷と対比される土地としての)東京」って、実在する知っている場所なのにものすごくフィクションだなあって、ちょうど今の季節の歌を思い出している。

わたしが聴いているのは鏡音リンver. ですが

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どうなったら詩歌がわかる?

「詩歌がわかりたい」(下の記事を参照されたい)という発言について、「そもそもどうなったら詩歌がわかったことになると考えているのか?」というご指摘をいただいたので、自分なりに整理してみた。

わたしのなかでのわかる/わからないはたぶん、かなりの程度、言語化できる/できないと同じだと思う。その「言語化」は、論理的言語でなくてもいいんだけど。
言語化できないものは「ないも同じ」になってしまうというか、本

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#出版物の総額表示義務化に反対します

わたし個人が、どういうところを問題だと思って出版物の総額表示義務化に反対しているのか、なるべくシンプルに書いておきます。

わかりやすく丁寧な説明は、ここを読んでいただければわかる。
「版元ドットコム」(出版社が協力して書誌データをオンライン公開しているサイト)の中にある2004年のブログです。

乱暴ながら、ここで挙げられている「書籍が総額表示にできない3つの理由」をさらに簡単に言うと、

①本

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「詩は十月の午後」

今まで、詩がわからないなと思って生きてきた。
それでも好きな詩歌の幾つかはあって、ならばわたしのなかには、何らかの詩に対する好みというものがあるはずだ。その「何らかの好み」がどういうものか、自分なりの詩の良し悪しを、そろそろ本腰を入れて培いたいと近頃思うようになった。
それは、世の詩歌をもっと味わってみたいからでもあり、自分でもつくってみたい――正確には、自分で作ったものに対する、自分なりの評価基

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「もう子どもじゃないって思ったときって、いつだった?」

「もう子どもじゃないって思ったときって、いつだった?」

石井睦美『卵と小麦粉それからマドレーヌ』

たまたま手に取った栞が、ピュアフル文庫の(今ではポプラ文庫ピュアフルだが)、『卵と小麦粉それからマドレーヌ』のこの台詞が書いてあるものだった。
(わたしは文庫本に挟まっていたり本屋さんで貰ってきたりする紙の栞を、お菓子の缶に溜めこんでいて、もはやくじ引き状態になっている。
この栞はよく見たら「1周年フェア」というマークが入っているから、ずいぶんな年季物だ

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私的西洋音楽事始

岡ノ谷一夫(2013)『「つながり」の進化生物学』、朝日出版社

作曲ができるようになりたい
ボカロの声やキャラクターを好きになってしまったひとが、一度は描く夢じゃないだろうか。

自分だけのボカロをお迎えして、自分が作った歌をうたってほしい。

わたしがボカロにはまったのは10年前。
初心者向けの作曲指南書を買ったのは、ボカロに出会って幾らも経たない頃だった。

ところが、何が書かれているのか、

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歌というものに「歌詞の世界観を解釈する」という行為から入ったので、「曲自体はとても良いしメロディラインやリズムと言葉の音とのはまり方も良い、けど歌詞の意味内容と価値観や解釈が合わない」というタイプの歌を素直に楽しく聴く方法がわからない。