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【風の歌5選】音楽の風に吹かれて、心を洗おう。-90年代アーティスト中心-

「花鳥風月」という言葉がありますが、花、鳥、風、月のうち、"風"だけは目で見ることができません。
古来、人は"風"を「神の息」と考えたり、伝承や神話の中で神格化されることもあったようです。

例えば、日本の伝承に伝えられる「かまいたち」は風に乗って現れ、人を切りつける妖怪です。またギリシア神話では、風を神に結びつけ、エウロス(東)、ゼピュロス(西)、ノトス(南)、アクイロ(北)といったように、風向きごとに異なる名前が付いています。

目に見えない"風"に、人はさまざまなとらえ方で向き合ってきたのですね。

今日はそんな""をテーマに、歌をまとめました。
ごゆるりとおつきあいください。

嵐 / A・RA・SHI

1999年にリリースされた嵐のデビュー曲で、フジテレビ系『バレーボールワールドカップ1999』のイメージソングとして制作されました。

A・RA・SHI A・RA・SHI for dream

嵐 / A・RA・SHI

繰り返されるこの一節のインパクトと、なぜかスケルトンの衣装に身を包み歌い踊る嵐の5人の姿が、いまだに忘れられません。
(90年代後期に、スケルトンって流行りましたね。あれはなぜ…)

はっきり言いますと、私はこの一節しか覚えていませんでした。
が、少し前に偶然MVをみたところ、とんでもない曲だったのです。

90年代JPOPの全てがここにあります。

サクラップは言うまでもなく、ビートの効いたおしゃれなトラックだったり、えげつないところで転調かましたりと、「A・RA・SHI A・RA・SHI for dream」にフォーカスするだけでは、大変もったいない曲なのです。

特に動画の1:43以後、まさに"嵐"のように繰り広げられる展開は必見です。
ひたむきに舞い踊る嵐の5人、彼らを支えるかのようにうねりをあげるギター、めくるめく展開のあとには、黒バックを背にR&B風のコーラスを聞かせるエンディングが待っています。

こんな歌だったとは…。

今や国民的大スターの嵐に想いをはせつつ視聴すると、実にエモいです。私、感動して鳥肌たちました。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / バードメン

(動画再生時、思いのほか音がうるさいかもなので音量にご注意ください。ミッシェルだから仕方ないんですけど…)

1997年、アルバム"Chicken Zombies"の先行シングルとしてリリースされ、テレビ朝日系『ぷらちなロンドンブーツ』のオープニングテーマにも使用されました。

TMGEは、90年代後半から2000年代をまさに風のように駆け抜けたバンドです。
風に乗って舞う鳥を連想し、この曲をチョイスしました。

FLY! FLY! バードメン

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / バードメン

音程を変えずにがなりたてるこのフレーズがたまりません。
テレビでこのフレーズを聞いた瞬間、一気に心を奪われたことを覚えています。

このフレーズを生み出したチバユウスケ、真に天才だと思います。
歌もすごく上手いんですよね。声をリズムにうまくのせてて。
(比較するのは畏れ多いですが、凡人の私がこのフレーズを歌うと、演歌みたいです。クセがつよい)

メロディ自体はシンプルですが、アベフトシのカッティングが疾走感を煽りにあおり、いやがおうにも気持ちが昂ります。

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA / 風に戦ぐブルーズ feat.TAKUMA (10-FEET)

今年デビュー35周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラが、10-FEETのTAKUMAをゲストヴォーカルに迎え、今年5月に配信限定でリリースしたシングル曲です。

スカのリズムとギターロックの幸せな結婚を象徴する一曲ではないでしょうか。

A'メロからサビに一気に展開し、叫ぶように歌われる歌詞がとても爽快で、TAKUMAのヴォーカルが気持ちよく映えます。

嘘をつけないから
夢を語れず
砕けた意思たちは
星屑になる

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA / 風に戦ぐブルーズ feat.TAKUMA (10-FEET)

こちらは2番の歌詞ですが、「本当は夢を正直に話したいのに、実現しないかもしれないから話せない」ってこと、10代の頃は感じていた気がします。

思わず感傷的になってしまいますが、スカパラの歌詞には、エモーショナルなのにダンディズムが漂うものが多いですよね。
そんなところも魅力のひとつだと思います。

余談ですが、今年のフジロックでTAKUMAがスカパラのステージに登場しました。天国のチバユウスケに代わって「カナリヤ鳴く空」を歌っていて、さすがに胸にくるものがありました…。

松任谷由実 / 埠頭を渡る風

1978年にリリースされた、ユーミンの通算12枚目のシングル曲です。
タイトルに歌われている"埠頭"は、晴海埠頭のことなのだそうです。

最近、ラテン音楽が気になりたまに聞くのですが、ユーミンにはラテン音楽を採り入れた曲が結構ありますよね。
"埠頭を渡る風"では、細かく刻むビートとギターがラテン風で、まさしく埠頭を吹き抜ける強い風を表現しています。

もうそれ以上 もうそれ以上
やさしくなんてしなくていいのよ
いつでも強がる姿 うそになる

松任谷由実 / 埠頭を渡る風

サビのフレーズがとても印象的で、胸をギュッとつかまれますね。

何も言わずに 私のそばにいて

松任谷由実 / 埠頭を渡る風

という歌詞、主人公自身が傷つき、恋人を頼っているのかと思わせますが、実はこの歌、傷を負っているのは恋人のほうで、主人公は恋人をどんなことをしても慰めたいのです。

強く、やさしいユーミン…。
子供の頃に好きでよく聞きましたが、大人になって聞くと、歌詞の意味が胸に迫ってきて、今でも大好きな歌です。

藤井風 / 風よ

2020年5月にリリースされた、藤井風のデビューアルバム"HELP EVER HURT NEVER"に収録された1曲。

名前も曲名も「風」の入った、この曲をチョイスするのはド直球すぎて、一瞬気が引けたのですが、藤井風の楽曲の中では、個人的にはこれが一番好きです。

ジャズピアノにのせて歌われる藤井風のヴォーカルがやさしく、とても心地よい。とても素直に歌っている感じが漂っています。

「暮れる」「変わる」「祈る」「願う」「握る」と3文字の動詞が、歌詞の中で印象的に繰り返され、心に響きます。

一日の疲れた心をそっと癒し、眠りのおともにふさわしい、子守唄のような一曲です。

***

いかがだったでしょうか。

"風"は目には見えないけれど、大きな力を持っています。
流行のことを"風"になぞらえて表す場合もありますが、それは、風の持つ大きな力と同じように、流行が世間の風潮を一気に変える力を持っているからのように思います。

音楽の"風"も、やはり大きな力を持っています。
人の心に大きな影響を与え、聞く人の人生に、いつまでもかけがえのないものとして遺ります。

心地よい音楽の風に吹かれながら、自分なりの工夫ややり方で、毎日を過ごしていけたらと切実に感じました。

最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。
またお会いしましょう!

✔️ 最後にすこしだけ・・・

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