本を閉じてもみんなそれぞれの生活を送っていたんだ
上の記事で紹介した恩田陸『蜜蜂と遠雷』
その続編の『祝祭と予感』を読みました。
僕の求めていたものは、この続編にありました。
『蜜蜂と遠雷』も面白かったんですが、読んでいる最中の「続きをもっと読みたい」に反して、読後は「何か物足りない」という気持ちになっていたのが正直なところ。
長編なだけあって疲れたせいかもしれません。
長編をぎゅうぎゅうに一冊に押し込めていたせいかもしれません。
音楽を言葉にする苦しみがもしも著者にあったとしたら、それが伝わったのかもしれません。
作中で、音楽で人柄や心情が人々に伝わるように、書き手の何かが伝わったのかもしれません。
断言できる理由はないにしても、確かに物足りなさを感じていた『蜜蜂と遠雷』
でも...
続編の『祝祭と予感』を読み、すっきりしました。
満たされました。
僕の求めていたものがそこにありました。
先ほど、著者の苦しみが伝わったのかもなんて書きましたが、それで言うとこの続編でも伝わってきた気がしました。
書く楽しみが。
ピアノを弾きたくて弾きたくて目を輝かせる登場人物のように、著者の書きたい想いが溢れて、書き起こすスピードがどんどん早くなる、そしてもはや手が追いつかない。でも心が踊っている。そんな光景が脳裡に浮かびました。
著者が書きたかったのは、本当はこっちなんじゃないかと思いました。
続編を読むのはあっという間でした。
行間が取られていたことも、その一因かと思います。
やっぱり行間って大事だよなぁと感じました。
それこそ、音楽のようにテンポ良くリズム良く、人々の感情や情景、空気を感じながら読み進めることができました。
読み終えて、この続編のために一作目があったんだと思いました。
そして、こうも思いました。
「本に書かれていない場所で、この人たちは生きているんだな。」
と。
確かに生命を感じました。
みんな生きているんだ。
書かれていないところでも。
うん。
僕らと何ら変わらないこの世界で一緒に生きているんだ。
[ 今日のFoveon: SD15 + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM ]
#Foveon #SIGMA #写真 #SD15 #読書 #恩田陸 #蜜蜂と遠雷 #祝祭と予感
オオタは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
この記事が参加している募集
毎日海を撮っています。被写体である故郷に恩返しすることが目標です。みなさんにもできるだけ早くお披露目したいです。まずはコンテスト活動などに挑戦していきます。サポートはその活動費に充てさせていただきます。