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中国企業のサステナビリティレポート紹介 - 番外編 ~日系企業の紹介~

合計3回に渡って、中国企業9社分のサステナビリティレポートをお届けしてきましたが、今回は少し趣旨を変えて、日本企業の中国語で公開されているサステナビリティレポートを紹介したいと思います。

ユニクロリコーのように同社が発行しているサステナビリティレポートもしくは関連情報を中国語翻訳している、という企業もありますが、今回紹介するのは「中国に進出している日系企業の中国法人がサステナビリティレポートをオリジナルで公開している」ケースです。

中国日立集団 (正式名称: 日立(中国)有限公司、日本語訳:中国日立グループ)
まずは「中国日立集団」ですが、「集団」は中国語で「グループ」という意味なので、「中国(全体的な)日立グループ」という位置づけで、その枠組みの中で、100社余りのグループ会社が中国での事業を展開しています。

日立は1978年に香港に「日立半導体(香港)有限公司」を設立したのを皮切りに、40年以上に渡り中国で様々なビジネスを展開してきたようです。

その日立が中国のグループとして公開しているサステナビリティレポートは全27ページで構成されています。

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同レポートは、「ガバナンス強化」、「環境保護の実践」、「革新的な卓越した品質」、「パートナーとのウィンウィン」、「楽しい職場づくり」、「社会、公益への貢献」、「経営管理」のパートに分けられ、SDGsや日立グループの中国での活動内容がそれぞれ関連付けられ記載されています。

また、レポートの最初の方に「謝辞」のページもありますが、こちらは中国日立グループの総代表の名前で記載されています。

ただ、惜しむらくは今回参照したのは2018年4月から2019年3月までのレポートであり、その後更新がされていないようで、先の中国総代表の方も現任の方ではないようです。

せっかく2014年版から毎年更新されているので、今後の更新を期待したいところです。

また、同社は本レポートのほかに、可持续发展(SDGs)の特設ページも用意されています。

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同社のサステナビリティレポート(中国語)の全文はこちらから閲覧可能です。

富士胶片商业创新(正式名称:富士胶片商业创新(中国)有限公司、日本語訳:富士フイルムビジネスイノベーション(中国)有限公司)

続いては富士フイルムビジネスイノベーション中国のサステナビリティレポートです。

本社である富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、今年の4月に富士ゼロックス株式会社から社名変更がされましたが、それに伴い中国支社も「富士施乐」から「富士胶片商业创新」に変更されていますが、今回参照した2020年の同社サステナビリティレポートは、4月より前に公開されているので、まだ「富士施乐(FUJIXEROX)」の名前が残っており、同レポートの最終ページに「2021年4月からは社名変更される」という旨が記載されています。

その同社のサステナビリティレポートは全27ページで構成されています。

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同社の中国でのサステナビリティに関する活動はSDGsの目標8である「働きがいも 経済成長も」が中心に据えられており、そのうえで、目標3、4、5、9、10、11、12、13、15、16、17など幅広い取り組みを行っています。

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SDGsの目標8については、中国事業総代表の方の謝辞でも言及されていますし、またレポート内では『SDGs目標8の「仕事と経済成長の実現」に貢献する目標を明確にし、経営活動を通じて中国社会の持続的価値を創造していく。』とも語られています。

また、同社も可持续发展(SDGs)の特設ページを設けています。

同社のサステナビリティレポート(中国語)の全文はこちらから閲覧可能です。

永旺中国 (正式名称:永旺(中国)投资有限公司、日本語訳: イオン(中国)投資有限公司)
最後はイオン中国のサステナビリティレポートを紹介します。同社のサステナビリティレポートは全16ページで構成されています。

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同社のサステナビリティレポートでも、イオン中国の董事長兼総裁の方が謝辞を述べられています。

CSRの実践と紐づけられ、環境、顧客、コミュニティ、コンプライアンス、社員の分類のもと、SDGsの目標1、3、4、5、7、8、10、12、13、14、15、16、17にコミットをしています。

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イオン中国は環境問題のため、植樹なども行っているようで、中国では累計126万本以上の木を植えたそうです。

同社のサステナビリティレポート(中国語)の全文はこちらから閲覧可能です。

さて、いかがだったでしょうか?

自社が出しているサステナビリティレポートを中国語化して公表する、ということ自体も大変な作業ですが、それを中国の法人で独自に編纂し、公開するというのは更に大変な作業かと思いますので、本日紹介した3社の行動力には頭が下がる思いです。

ただ、先にも触れた通り、富士フイルムビジネスイノベーションはタイミングの問題かもしれませんが、日立中国だけでなく、イオン中国も今回紹介したのは2018年に公開されたものであるのは、少し残念です。

今後の3社の定期的な更新に期待するとともに、他にも同様な活動をしている日系企業がいると思いますので、その辺も継続的に紹介していきたいと思います。

※中国を中心としたアジアのサイバーセキュリティ事情、業界動向について綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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