中尾貴光

中国とASEANのサイバーセキュリティ系記事を書いてます。記事は不定期更新。 ソフト…

中尾貴光

中国とASEANのサイバーセキュリティ系記事を書いてます。記事は不定期更新。 ソフトウェア業界に25年超。マーケティング、アライアンス、営業などに従事。現在はサイバーセキュリティ系コンサルの会社に勤務。中国で8年の勤務経験もあり、中国ネタに強い。

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【番外編】 中国ソフトウェア産業規模統計 2021年8月までのソフトウェア業務全体収入は100兆円超

普段は中国やASEANなどを中心にサイバーセキュリティ系の各国における動向や政策などを紹介していますが、中国工信部のページを見ていたら面白いデータを発見したので、番外編としてお届けしたいと思います。 それは、中国ソフトウェア産業における2021年1月から8月までの産業規模統計なのですが、製品そのものとセキュリティや組み込む向けなどの分類と、直轄市、各省ごとの産業規模が記されています。 まずは、概要という意味での統計です。 ↑↑↑↑↑ 中国工信部のこちらのデータを翻訳して

    • 中国サイバーセキュリティ関連企業数は71.2万社 ここ2年で倍増のペース

      今まで中国の代表的なサイバーセキュリティ関連企業の紹介をしたり、投資状況の紹介をしたりしましたが、中国にはどれくらいの数のサイバーセキュリティ企業があるのだろうと思っていたら、「企査査」という中国企業の情報を提供する会社のレポートで2021年9月末現在71.2万社であることが判明しました。 下の図は2011年から2020年までの1年ごとのサイバーセキュリティ関連企業登録(=新規設立)数の推移なのですが、2011年から右肩上がりで1年間の企業新設数は順調に増えていますが、20

      • 家族連れから専門家まで楽しめる『中国サイバーセキュリティ科学技術館』

        調べ物をしている過程で面白い施設を見つけたので、今回はそちらを紹介したいと思います。 それは「サイバーセキュリティ科学技術館」です。 こちら、その名の通りサイバーセキュリティに関する様々な展示が行われている施設で、鄭州天健網安技術有限公司というサイバーセキュリティ系製品、ソリューションを提供する民間企業が設立、運営しています。 同施設は運営会社の名前にもありますが、河南省鄭州市にある「高新技術(=ハイテク)産業開発区」内にあります(地図リンク)。 同施設は4階建てにな

        • 『2021年国家サイバーセキュリティ宣伝ウィーク』が中国西安で10月11日に開幕

          先日紹介した「2021年国家サイバーセキュリティ宣伝ウィーク」が、いよいよ来週10/11(月)から西安で開催されます。 開幕が近づいてきていることもあるかと思いますが、百度で「网络安全(サイバーセキュリティ)」でニュース検索をすると、検索リストの半分以上が「2021年国家サイバーセキュリティ宣伝ウィーク」関連の記事というほど注目を集めているようです。 まあ、同イベント公式ページのトップに国家主席の習近平氏の談話が引用されているくらいですし、国レベルのイベントということもあ

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        【番外編】 中国ソフトウェア産業規模統計 2021年8月までのソフトウェア業務全体収入は100兆円超

        • 中国サイバーセキュリティ関連企業数は71.2万社 ここ2年で倍増のペース

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        • 『2021年国家サイバーセキュリティ宣伝ウィーク』が中国西安で10月11日に開幕

          成都で総賞金150万ドルのサイバーセキュリティコンテストを開催 サイバーセキュリティ関連のフォーラムも同時開催

          先日、中国四川省の成都市で「CCS2021サイバーセキュリティ大会」が開催されたことをお伝えしましたが、10/16、17の両日で「天府杯国際サイバーセキュリティ大会及び2021天府国際サイバーセキュリティサミットフォーラム」が開催されることになりました。 前回のCCS2021は四川省や成都市の政府機関が主催する官主導であったのに対し、今回は中国国内の主要サイバーセキュリティ企業が主となるイベントです。 同イベントの特徴は「サイバーセキュリティ大会」という、所謂サイバーセキ

          成都で総賞金150万ドルのサイバーセキュリティコンテストを開催 サイバーセキュリティ関連のフォーラムも同時開催

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(8)

          以前、IDC中国が公表した中国サイバーセキュリティ系ハードウェアの市場報告をお届けしましたが、その際に名前が出てきた企業で、こちらでまだ紹介していない会社がありましたので、今回そちらを紹介したいと思います。 〇 迪普科技(正式名称: 杭州迪普科技股份有限公司、英語名称: DPtech) 迪普科技は2008年5月に設立され、本社を浙江省杭州市に置く企業です。同社は先日の報告では、UTMベースのファイアーウォールにて中国第4位の市場を持っていると紹介しましたが、その他にも侵入検

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(8)

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 関連業界団体紹介(2)

          以前は、中国サイバーセキュリティ産業連盟(CCIA)の紹介を行いましたが、今回は中国サイバーセキュリティ協会(中国語名: 中国网络空间安全协会、英語名: Cyber Security Association of China、略称:CSAC)の紹介を行いたいと思います。 CSACは2016年3月25日に、中国のサイバーセキュリティ関連の企業、教育機関、研究機関などが集まり設立されました。 CSACは民間団体ではありますが、中国国家インターネット情報弁公室と中国民生部の指導

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 関連業界団体紹介(2)

          CCS2021サイバーセキュリティ大会を四川省成都で開催 サイバーセキュリティ産業の活性化を狙う

          CCS2021サイバーセキュリティ大会が深圳省成都市の高新区で開催されました。 今回の「大会」は、以前紹介した「隴剣杯」や「第五空間」のようなサイバーセキュリティコンテストだけでなく、「一劇、二賽、三展、六フォーラム」というテーマのもと、催し物や展示会、講演なども同時に行われた、サイバーセキュリティの総合イベントでした。 「一劇」というのは、その名の通り「劇」で、サイバーセキュリティをテーマとした「劇」が行われました。 「二賽」の賽はコンテストのことで、「トップクラス」

          CCS2021サイバーセキュリティ大会を四川省成都で開催 サイバーセキュリティ産業の活性化を狙う

          サイバーセキュリティコンテスト「隴剣杯」の決勝戦が甘粛省蘭州新区で開催 120チームが火花

          先日紹介した、サイバーセキュリティコンテスト「隴剣杯」の決勝戦が9/25に甘粛省蘭州新区で行われました。 今回の「隴剣杯」には、総勢11,335人、3020チームが参加したそうですが、この決勝戦の舞台にコマを進めたのは120チームだったとのことです。 決勝戦は2つのコースに分かれて実施されたのですが、メインで行われたのは「ネットワークコース」で、こちらは8時間にわたって、32パターンのネットワーク分析や脆弱性診断、修正を行い、問題を解決し、防御機能を強化できれば、解決に要

          サイバーセキュリティコンテスト「隴剣杯」の決勝戦が甘粛省蘭州新区で開催 120チームが火花

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 関連業界団体紹介(1)

          今まで7回ほど中国サイバーセキュリティ関連企業の紹介をしてきましたが、中国のサイバーセキュリティ関連業界団体についても紹介をしていきたいと思います。 初回の今回は、以前にも少し紹介したことがある、「中国サイバーセキュリティ産業連盟(中国語名称: 中国网络安全产业联盟、英語名称: China Cybersecurity Industry Alliance、略称:CCIA)」について紹介したいと思います。 CCIAは、中国のサイバーセキュリティ系企業が2015年12月29日に

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 関連業界団体紹介(1)

          「猟聘」が2021年上半期中国サイバーセキュリティ業界人材の最新レポートを発表 2027年には300万人の関連人材不足に陥るとの予測も

          中国の大手転職サイトである「猟聘」が、2021年上半期中国サイバーセキュリティ業界人材の最新レポートを発表しました。 報告によると、現時点サイバーセキュリティ系人材は150万人不足しているといわれ、2027年にはその不足人数が300万人にも達すると予測されています。 現時点、中国サイバーセキュリティ系人材の男女比は、男性が73.54%と圧倒的に多いですが、ここ3年女性の比率も上がってきているそうです。 年齢に関しては、「80后」、いわゆる1980年代以降生まれが中心をな

          「猟聘」が2021年上半期中国サイバーセキュリティ業界人材の最新レポートを発表 2027年には300万人の関連人材不足に陥るとの予測も

          IDC中国が「第2四半期中国ITセキュリティハードウェア市場追跡報告」 サイバーセキュリティハードウェアは2021年第2四半期34%の成長

          日本でもお馴染みの調査会社、IDC中国が「第2四半期中国ITセキュリティハードウェア市場追跡報告」を発表しました。 同報告によると、2021年第2四半期のサイバーセキュリティ系ハードウェアの市場規模は50.4億元(≒ 856.8億円)で、前年同期比34%増となり、第1四半期をあわせた上半期では、市場規模は80.8億元(≒ 1373.6億円)となり、前年同期比27%増という結果だったそうです。 2021年第2四半期から、明らかに市場の回復傾向が見えますが、製品分野別にみると

          IDC中国が「第2四半期中国ITセキュリティハードウェア市場追跡報告」 サイバーセキュリティハードウェアは2021年第2四半期34%の成長

          中国工信部が「車のインターネットサイバーセキュリティ及びデータセキュリティの強化に関する通知」を発表

          先日、中国の工信部が、「車のネットワーク(スマートネットワーク接続車) サイバーセキュリティの標準体型建設ガイド」や「スマートネット接続の自動車(コネクテッドカー)生産企業及び製品管理を強化することについての意見」の意見募集稿を公開したことはお伝えしましたが、今回工信部は「車のインターネットサイバーセキュリティとデータセキュリティの強化に関する通知(中国語原文:工业和信息化部关于加强车联网网络安全和数据安全工作的通知)」を発表しました。 これは、各省、自治区、直轄市の工信部

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          『2021年国家サイバーセキュリティウィーク』のイベントを中国西安で開催 オンライン展示会も同時開催

          中国政府もサイバーセキュリティについては、様々な形で啓蒙、宣伝活動を行っていますが、その一環として、中国陝西省西安市で10月に『2021年国家サイバーセキュリティウィーク』のイベントが行われることになりました。 同イベントの会場は西安国際展示センターで行われるのですが、開幕式は10月11日の中国時間9時から行われ、10月17日の閉幕式まで、様々な活動が行われる予定です。 サイバーセキュリティ関連企業が出展する展示会は開幕式より前の10月9日から15日まで西安国際展示センタ

          『2021年国家サイバーセキュリティウィーク』のイベントを中国西安で開催 オンライン展示会も同時開催

          中国サイバーセキュリティイノベーション実践調査レポート 2021年の十大新潮流とは?

          安在新媒体というインターネットセキュリティ系メディアが「2021年中国サイバーセキュリティイノベーション実践調査レポート」を公開していたので紹介したいと思います。 今回の調査は全国33の省、市、自治区から5450件のサンプルを集める形で行われました。サンプル取得分布は以下通りです。 同レポートは上記サンプルにGartner社など国内外の調査会社が公開しているレポート内容を加味する形でまとめられています。 同レポートでは、サイバーセキュリティの動向、変遷を以下のようにとら

          中国サイバーセキュリティイノベーション実践調査レポート 2021年の十大新潮流とは?

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(7)

          前回は、「2021年1月から7月の中国サイバーセキュリティ系企業への投資状況」の回で新しく出てきた9社のうち5社を紹介しましたので、今回は残りの4社について会社概要をお伝えしたいと思います。 〇 海雲安 (正式名称: 深圳海云安网络安全技术有限公司、英文名称: Secidea) 同社は2015年3月に設立されました。本社は深センにあり、北京、上海、広州、武漢、成都に支社を持っています。 モバイルアプリのセキュリティをビジネスの中心としており、セキュリティ検査から防御まで様

          中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(7)