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中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(8)

以前、IDC中国が公表した中国サイバーセキュリティ系ハードウェアの市場報告をお届けしましたが、その際に名前が出てきた企業で、こちらでまだ紹介していない会社がありましたので、今回そちらを紹介したいと思います。

迪普科技(正式名称: 杭州迪普科技股份有限公司、英語名称: DPtech)
迪普科技は2008年5月に設立され、本社を浙江省杭州市に置く企業です。同社は先日の報告では、UTMベースのファイアーウォールにて中国第4位の市場を持っていると紹介しましたが、その他にも侵入検知・防御システムやビッグデータセキュリティ、サイバーセキュリティ系の検査、管理ツールなどをソフトウェアもしくはハードウェア一体型で提供しています。

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同社は2019年4月に深圳市場で上場を果たしており、2020年度は営業収入が8.92億元(≒ 153.45億円)で2019年度比9.8%増、純利益が2.76億元(≒ 47.53億円)で2019年度比8.7%増という業績でした。

顧客としては政府、電力、エネルギー、金融、交通、教育、医療などに強みを持つ会社で、G20やAPECサミット、世界インターネット大会などで同社のサイバーセキュリティ系製品が利用されたこともあるそうです。

同社はビッグデータ向けセキュリティ、AIスマート分析などでも自主開発のエンジンを持っており、今後の伸びも期待されている企業です。

山石网科 (正式名称: 山石网科通信技术股份有限公司、英語名称: Hillstone Networks Co.,Ltd.)
山石网科は2007年に設立され、江蘇省蘇州市に本社を置く企業です。同社は先日の報告では、UTM(統合脅威管理)にて4位の市場シェアを持っていると紹介しましたが、実際は状態感知、境界線セキュリティ、クラウドセキュリティ、業務セキュリティ、セキュリティサービス等幅広く提供している企業です。

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同社は2019年9月に深圳市場で上場し、2020年度は営業収入が7.25億元(≒ 124.86億円)で2019年度比6.9%増、純利益が4975.6万元(≒ 8.57億円)という業績でした。

顧客としては、通信キャリア、金融、政府、教育、医療などに強く、蘇州と北京を中心に中国国内に30拠点ほど支社を展開しています。

同社は英語版のホームページも頻繁に更新しているようで、今後積極的に海外展開なども進めていくのかもしれません。

网御星云 (正式名称: 北京网御星云信息技术有限公司、英語名称: Beijing Leadsec Technology Co., Ltd.)
网御星云はレノボ社のセキュリティ事業部から発足した企業で、2011年1月に今の社名となっています。

同社は先日の報告では、UTM(統合脅威管理)で市場シェア2位にランクインしていましたが、実際はファイアーウォール、境界線セキュリティ、データセキュリティ、アプリケーションセキュリティ、クラウドセキュリティなど幅広い製品、サービスを提供しています。

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同社は未上場企業なので、売上や利益などは不明なのですが、顧客としては政府、交通、金融、医療、教育、メディアなどに強みを持っているようです。

同社は会社紹介の動画が公開されていたので紹介します。

同社は未上場ではありますが、製品提供の幅も広いですし、前身がレノボという基盤もありますし、今後上場や海外展開など業務拡大に要注目です。

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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