見出し画像

IDC中国が「第2四半期中国ITセキュリティハードウェア市場追跡報告」 サイバーセキュリティハードウェアは2021年第2四半期34%の成長

日本でもお馴染みの調査会社、IDC中国が「第2四半期中国ITセキュリティハードウェア市場追跡報告」を発表しました。

同報告によると、2021年第2四半期のサイバーセキュリティ系ハードウェアの市場規模は50.4億元(≒ 856.8億円)で、前年同期比34%増となり、第1四半期をあわせた上半期では、市場規模は80.8億元(≒ 1373.6億円)となり、前年同期比27%増という結果だったそうです。

2021年第2四半期から、明らかに市場の回復傾向が見えますが、製品分野別にみると、UTM(統合脅威管理)、SCM(セキュリティコンテンツ管理)、IDP(侵入検知防御)、VPNなどは軒並み20%以上の成長を2021年上半期で遂げており、UTMベースのファイアーウォールに至っては、第2四半期に40%増の成長をみせたそうです。

製品導入を業界別にみると、政府、金融、通信キャリアが三本柱として変わらず好調だったようで、電力・水力などの公共インフラ、医療、製造業などの業界の伸びが目立ったそうです。

また、先に挙げた製品分野別に見た、各提供企業の2021年上半期の市場シェアデータもあるので紹介します。

〇 UTMベースのファイアーウォール

画像1

华为(Huawei)が28.7%のシェアでトップに立ち、新华三集团(H3C)が23.9%、天融信(TOPSEC)が11.1%、迪普科技(DP TECH)が4.5%、东软集团(Neusoft)が2.3%、その他が29.3%という構成になっています。

〇 UTM(統合脅威管理)

画像2

深信服(Sangfor)が20.6%のシェアでトップに立ち、网御星云(Leadsec)が15.3%、奇安信(Qianxin)が10.9%、山石网科(HillStoneNet)が10.2%、飞塔(Fortinet)が6%、その他が37.0%という構成になっています。

〇 SCM(製品コンテンツ管理)

画像3

深信服(Sangfor)が22.6%のシェアでトップに立ち、新华三集团(H3C)が6.3%、绿盟科技(NSFOCUS)が5.5%、奇安信(Qianxin)が5.5%、华为(Huawei)が3.1%、その他が56.9%という構成になっています。

〇 IDP(侵入検知防御)

画像4

启明星辰(Venustech)が20.7%のシェアでトップに立ち、绿盟科技(NSFOCUS)が17.8%、新华三集团(H3C)が14.4%、迪普科技(DP TECH)が4.5%、华为(Huawei)が4.4%、その他が38.2%という構成になっています。

〇 VPN

画像5

深信服(Sangfor)が22.7%のシェアでトップに立ち、启明星辰(Venustech)が7.6%、天融信(TOPSEC)が6.1%、迪普科技(DP TECH)が2.0%、东软集团(Neusoft)が1.3%、その他が60.3%という構成になっています。

こちらでも企業紹介をした、天融信、绿盟科技奇安信、深信服、启明星辰なども名前があがってますね。

IDC中国では、経済の回復と成長が起因となり、多くの新規導入需要や代替需要が支え、サイバーセキュリティのハードウェア市場は今後5年間も高成長を遂げるであろうと予測しています。

先日の記事でも書いたように、車もコネクテッドカーになり、インターネット網に参加してきますし、IoTなどもありますし、確かにサイバーセキュリティ系の需要は伸びていくでしょうし、それをシステムとして容易に導入できるハードウェア、アプライアンス製品の市場も伸びていくのでしょう。

今後も注視していきたいと思います。

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?