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中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(1)

前回前々回と中国サイバーセキュリティの概要をお伝えしましたが、今回はそこで名前のあがっていた企業のうち、中国サイバーセキュリティ市場における売上トップ3の企業、奇安信、深信服、启明星辰の会社概要についてお伝えしたいと思います。

奇安信(正式名称:奇安信科技集团股份有限公司)
       設立: 2014年06月16日
  従業員数: 約8,000人
    本社及び支社: 本社は中国北京。拠点は中国国内のみな模様。
  業績: 営業収入は41.61億元(2020年度、前年同期比31.93%増。)
      直近4年(2017-2020)の複合成長率は71.76%
      純利益は3.41億元の損失(前年から38.38%減少)
         研究開発費用は12.28億元で、売上高の比率は2019年の33.20%
                   から2020年の29.51%に減少
  製品: ビッグデータ向けスマートセキュリティ検査と制御
      新世代ITインフラ防御
      アプリケーションシステムとデータセキュリティ防御
     インフラセキュリティサポート
     業務セキュリティ
     その他セキュリティ製品

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下記は奇安信の会社紹介動画です。

同社の前身は360の企業向けセキュリティグループで、2019年4月30日に奇安信となったようです。また、同社は2022年北京冬季オリンピックの公式スポンサーにもなっています。

深信服(正式名称:深信服科技股份有限公司、英文名:Sangfor Technologies Inc.,)

            設立: 2000年12月25日
    従業員数: 7,000人超
    本社及び支社: 本社は中国深圳。支社は中国国内、シンガポール、                            マレーシア、タイ、ドバイ、イタリアなどに50以上の拠点。
    業績: 営業収入は54.58億元
                      (2019年は45.90億元、成長率は約19%)
       純利益は8.09億元。
      ※前回紹介した「36.5億元」はセキュリティ製品の売上。
    製品: セキュリティ、クラウド、ITインフラの製品・サービス提供

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下記は深信服の会社紹介動画です。

※ただし、上記は2019年版で、最新版は同社の会社紹介ページで確認可能です。

启明星辰(正式名称:启明星辰信息技术集团股份有限公司、英文名: Beijing Venustech Inc)

                設立: 1996年
                従業員数: 約5,000人
          本社と支社: 本社は中国北京。支社は中国国内、シンガポール、                                          日本。
        売上: 36.47億元(前年比18.04%増)。
       ※うちセキュリティ製品で25.25億元(前年比14.13%増)、
                           運用・サービスで10.94億元(前年比28.95%増)
           8.04億元の純利益(前年比16.82%増)
        製品: Firewall、IDS、IPS、Webアプリ保護、データ保護、
        モバイル・エンドポイント保護など

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下記は启明星辰の会社紹介動画です。

同社は「五横八縦戦略ツリー」を掲げています。

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戦略ツリーの横には土壌、基礎、能力、交付、場面の5つのレベルを区分、縦にはビッグデータを基にしたAIセキュリティ分析、データセキュリティ、クラウドセキュリティ管理管理、工業デジタル化におけるセキュリティ、ゼロトラスなどの8つの次元が配置されています。

また、启明星辰は日本語のホームページもあり、日本にオフィスも構えているようです。

さて、各社の製品紹介もと思ったのですが、それぞれの製品の項で写真を添付した通り、各社ともラインナップ数がとても多いので、個々の製品に関しては折に触れて紹介していきたいと思います。

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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