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中国のサイバーセキュリティ事情 - 関連業界団体紹介(1)

今まで7回ほど中国サイバーセキュリティ関連企業の紹介をしてきましたが、中国のサイバーセキュリティ関連業界団体についても紹介をしていきたいと思います。

初回の今回は、以前にも少し紹介したことがある、「中国サイバーセキュリティ産業連盟(中国語名称: 中国网络安全产业联盟、英語名称: China Cybersecurity Industry Alliance、略称:CCIA)」について紹介したいと思います。

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CCIAは、中国のサイバーセキュリティ系企業が2015年12月29日に設立した非営利組織で、サイバーセキュリティ業界の発展やユーザーへの啓蒙活動などを行う団体です。

2021年9月24日現在、CCIAに加盟している企業は164社ですが、加入のためには8社の代表からなる常務理事会で承認される必要があるようです。

会員は直近、1か月に4~5社のペースで増えているようで、最近の加盟企業としては、モバイル向けショート動画アプリ「快手」を提供する北京快手科技有限公司や、フードデリバリーサービス「美団」を提供する北京三快在线科技有限公司などがおり、サイバーセキュリティ系製品やサービスを提供する企業だけではなく、消費者向けアプリやサービスを提供する企業も加盟しているようです。

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CCIAの活動としては、「サイバーセキュリティ優秀イノベーション効果コンテスト(中国語原文: 网络安全优秀创新成果大赛)」を開催して、サイバーセキュリティ系技術などの発掘を行ったり、サイバーセキュリティやデータセキュリティに関する政策提言などを行っています。

また、以前にも紹介しましたが、中国サイバーセキュリティ市場規模の調査結果、予測なども発表しており、同調査結果によると、2020年の中国サイバーセキュリティ業界の市場規模は532億元(≒ 9057.7億円)で、以後3年間のCAGRを15.7%と見積もっており、2023年に同市場は800億元超(≒ 1兆3620.6億円)に達すると予測しています。

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ところで、中国のサイバーセキュリティ市場規模に関しては、様々なデータが様々な企業・団体から発表されていますが、代表的なものを正史利したものは下図になります。

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IDC、CCID、CCIA、信通院の予測があげられ、比較される形で表示されていますが、CCIDというのうは「賽迪集団」というネットワーク系メディアで、信通院は「中国信息通信研究院」という中国工信部でICT領域の調査・研究を行っている機関をそれぞれ指しています。

その信通院の予測だけ飛びぬけていますが、これは市場規模予測に含める対象範囲の問題のようで、信通院の予測にはブロックチェーンセキュリティや暗号化製品、情報セキュリティの一部データも含んでいるようです。

CCIDはCAGRも23.2%を見込むなど、やや多めに見積もっている感もあるので、感覚的にはCCIAの市場予測の妥当性が高いような気がしています。

さて、今回は「中国サイバーセキュリティ産業連盟(CCIA)」について紹介をしましたが、同連盟への入会申請書をみると、企業形態のところに「外商独資」、「中外合資」などの選択肢があるので、外資企業や中国系との合弁企業も入会は可能なようです。

中国でサイバーセキュリティ系の製品やサービスを展開している企業は、加盟を検討してみるのも一考かもしれません。

情報元:

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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