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中国のサイバーセキュリティ事情 - 企業紹介(7)

前回は、「2021年1月から7月の中国サイバーセキュリティ系企業への投資状況」の回で新しく出てきた9社のうち5社を紹介しましたので、今回は残りの4社について会社概要をお伝えしたいと思います。

〇 海雲安 (正式名称: 深圳海云安网络安全技术有限公司、英文名称: Secidea)
同社は2015年3月に設立されました。本社は深センにあり、北京、上海、広州、武漢、成都に支社を持っています。

モバイルアプリのセキュリティをビジネスの中心としており、セキュリティ検査から防御まで様々な製品・サービスを提供しているのと、「コードの一行一行をセキュアに」をスローガンに、ソフトウェアのソースコードにおける、全面的なリスク分析や評価を行い、金融系や政府系をメインターゲットに、改善案や修正案などを提供しています。

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同社は2021年7月に深圳担保グループという中小企業を中心に投資を行っている企業から数千万元のシリーズAラウンドの投資を受けています。

虎符網絡 (正式名称: 杭州虎符网络有限公司、英文名称: TigerSec)
同社は2015年3月に設立され、本社は杭州にあります。

アリババでネット詐欺を「ゼロ」にするために作られた「归零(ゼロに戻す)」実験室で責任者をしていた王偉氏が創業した会社だそうです。

「ゼロトラストのセキュリティにフォーカスし、アイデンティティネットワークを構築し、企業のセキュリティを再定義する」という理念のもと、ゼロトラストソリューションの提供を行っています。

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社名の「虎符」は、古代中国の皇帝軍における兵の身分、権限を表すもので、自社が「アイデンティティ」を核としたソリューションを提供していくことから名づけられてそうです。

同社は、凱泰資本盈動資本というベンチャーキャピタル2社から数千万元のシリーズプレAラウンドを2021年7月に受けています。

紅途科技 (正式名称: 深圳红途科技有限公司、英語名称: HONGTU TECH)
同社は2020年9月に設立され、本社は深センにあります。

データセキュリティがメインビジネスで、企業や政府機関におけるデータの全方位適菜ソリューションを提供しています。

音声認識アルゴリズムの開発も行っており、AIと組み合わせ、政府系機関を中心に提供し、音声が絡む犯罪、詐欺などの防止ソリューションも提供しています。

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同社は2021年7月に、紅杉中国(セコイア中国)から数千万元のエンジェル投資を受けています。

思客雲 (正式名称: 思客云(北京)软件技术有限公司、英語名称: SECUREYUN)
同社は2016年4月に設立され、本社は北京にあります。

セキュリティテスト、主にソースコードのセキュリティテストソリューションを提供しています。

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脆弱性診断ツールや、ソフトウェアのソースコード漏洩監視ツールなどの提供も行っており、優良顧客も多く抱えているようです。

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同社は2021年7月に領航新界というベンチャーキャピタルから数千万元のエンジェル投資を受けています。

今回は、エンジェルからシリーズAラウンドまでと、比較的新しい企業をご紹介しましたが、紹介できていない中国の注目すべきサイバーセキュリティ系企業はまだまだいるでしょうから、今後も機を見て紹介していきたいと思います。

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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