見出し画像

「猟聘」が2021年上半期中国サイバーセキュリティ業界人材の最新レポートを発表 2027年には300万人の関連人材不足に陥るとの予測も

中国の大手転職サイトである「猟聘」が、2021年上半期中国サイバーセキュリティ業界人材の最新レポートを発表しました。

報告によると、現時点サイバーセキュリティ系人材は150万人不足しているといわれ、2027年にはその不足人数が300万人にも達すると予測されています。

現時点、中国サイバーセキュリティ系人材の男女比は、男性が73.54%と圧倒的に多いですが、ここ3年女性の比率も上がってきているそうです。

年齢に関しては、「80后」、いわゆる1980年代以降生まれが中心をなしており、30~35歳が最多で、35~40歳がその次に多い構成になっています。

業界経験年数ごとの比率は、5~10年が最多で34.63%を占め、10~15年の27.23%、5年以内の18.55%、15~20年の14.39%、20年以上の5.19%と続きます。

画像1

中国サイバーセキュリティ系人材の転職サイクルの平均は4.09年だそうで、全業界平均の3.59年より高めであり、定着率は高めといえます。

また、中国全土を対象としたサイバーセキュリティ系人材の平均年収は33.77万元(≒ 573.2万円)だそうで、これは金融業界をはじめとした各業界の平均を大きく上回っています。

画像2

その他企業が出しているデータを見ても、中国サイバーセキュリティ系人材の平均月給は18,627元(≒ 316,162万円)で、コア技術者に至っては21,182元(≒359,528.9万円)となり、全業界平均の約2.4倍にもなるというデータもあります。

また、上記はあくまで平均であり、高級人材ともなると年収ベースで100万元(≒ 1,697.3万円)を超える応募などもあり、サイバーセキュリティ系人材の人気の高さがうかがえます。

画像3

給与は人材の需給関係によって、上がったり下がったりしますが、先の現時点でも150万人の関連人材不足という状況もあり、現状で売り手市場になるのも致し方ないのかもしれません。

また、地理的な人材需給分布に関しては、需要(下図茶色の帯)も供給(下図オレンジの帯)も北京がトップで、僅差で深圳が続き、その後少し間を置いて上海が続くという形になっています。

画像4

左記にも書いた通り、中国のサイバーセキュリティ市場は売り手市場なわけですが、人材不足解消のためにも、こちらでもいくつか紹介したように政府や関連企業が積極的に「サイバーセキュリティコンテスト」などを行い、人材の発掘、開発、育成などを行っていますが、まだまだ300万人の不足を埋めるには不十分と思われるので、しばらく同業界は売り手市場が続きそうです。

新技術やソリューションが勃興してくると、いつも「人材不足」がうたわれますが、今後中国のサイバーセキュリティ系人材の需給がどのように遷移していくかを注視していきたいと思います。

情報元:

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?