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中国サイバーセキュリティ関連企業数は71.2万社 ここ2年で倍増のペース

今まで中国の代表的なサイバーセキュリティ関連企業の紹介をしたり、投資状況の紹介をしたりしましたが、中国にはどれくらいの数のサイバーセキュリティ企業があるのだろうと思っていたら、「企査査」という中国企業の情報を提供する会社のレポートで2021年9月末現在71.2万社であることが判明しました。

下の図は2011年から2020年までの1年ごとのサイバーセキュリティ関連企業登録(=新規設立)数の推移なのですが、2011年から右肩上がりで1年間の企業新設数は順調に増えていますが、2020年はその数値が急増し、2019年比で実に112.7%増となる、19.5万社のサイバーセキュリティ関連企業が新設されました。

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2020年が特殊な一年だったのか、というとそういうことでもなく2021年は第3四半期(7-9月)までのデータとなりますが、各四半期で2020年の数値を大きく上回っています。

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2021年第1四半期で7.5万社、第2四半期で9.6万社、第3四半期で9.8万社と、2020年1年を上回る26.9万のサイバーセキュリティ関連企業が新設されています。

中国では、「重要情報インフラ安全保護条例」と「データセキュリティ法」が今年の9月1日から施行され、「個人情報保護法」が11月1日に施行される予定なので、各種条例や法への対応のためサイバーセキュリティ系ソリューションが特需状態にあるのが一因なのかもしれないのと、中国工信部は「サイバーセキュリティ産業高質量発展三年計画(2021-2023年)」の冒頭で「サイバーセキュリティ産業は、強国、ネット強国になっていくための基幹的な新興デジタル産業である。」と語り、2025年までにサイバーセキュリティの産業規模を2,500億元(≒ 4兆2,474.9億円)にすることを目標とするなど重点産業と位置付けていることも一因かもしれません。

中国全体で72.2万社あるサイバーセキュリティ関連企業を省別の企業登録数(=本社在籍地)で見てみると以下のようになります。

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最多は広東省の12.7万社で、福建省7.0万社、山東省5.6万社、浙江省4.2万社、陝西省の3.4万社と続きます。

これを中国主要都市の単位で見てみると以下通りになります。

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広州市(広東省)が8.2万社でトップ、以下上海市が3.2万社、西安市(陝西省)が2.7万社、深セン市(広東省)が2.2万社という形で続きます。

広東省は人口が1億人を超える地域ですし、広州市も深セン市もその中でもトップクラスの産業地域ですので、ダントツの1位はうなずけますが、市の単位になると上海市も2位に浮上し、ビジネス中心地の面目躍如といったところでしょうか。

先日お伝えした、サイバーセキュリティ系人材の状況でみてみると北京市が募集(企業側)でも応募(人材側)でもトップだったのですが、今回は企業数ということもあるので、ベンチャーなど比較的人数が少ない企業も多く見受けられ、北京は企業数ではそう多くないが、1社あたりの従業員数は多い、などがあるのかもしれませんね。

先述した中国工新部の三年計画のとおり2025年まで、この右肩上がりの状況が続くのか、今後も注視していきたいと思います。

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギー、水素ビジネスについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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