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中国サイバーセキュリティイノベーション実践調査レポート 2021年の十大新潮流とは?

安在新媒体というインターネットセキュリティ系メディアが「2021年中国サイバーセキュリティイノベーション実践調査レポート」を公開していたので紹介したいと思います。

今回の調査は全国33の省、市、自治区から5450件のサンプルを集める形で行われました。サンプル取得分布は以下通りです。

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同レポートは上記サンプルにGartner社など国内外の調査会社が公開しているレポート内容を加味する形でまとめられています。

同レポートでは、サイバーセキュリティの動向、変遷を以下のようにとらえています。

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1970~80年代初期はホストコンピューターが中心で、1980年代後半から90年代前半にはPCが中心となり、1990年中盤以降はインターネットの普及に伴いネットワークが中心になり、2000年代後半にはシステムが中心となって、今に至っていますが、現在はデータセキュリティが急激に勃興してきており、今後の中心、主役となっていくであろうと予測しています。

今後、データセキュリティが中心となっていくという予測は、先日紹介した、9月1日施行の「中国データセキュリティ法」もあるので、その通りではないかと思える予測です。

次の図はサイバーセキュリティの各テーマを、縦軸「関心度(上に行くほど関心度が高い)」と横軸「技術的な新旧(左が新しく、右が古い)」という形でまとめたものです。

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現在ホットなテーマとしては、「アカウントセキュリティ(中国語原文:账户安全)」、「サイト情報の窃取防御(中国語原文:反爬虫)」、「コンテンツ検査とフィルタリング(中国語原文:内容审核与过滤)」などですが、新しい技術では「SOAR(中国語原文:自动化编排)」、「ゼロトラスト(中国語原文:零信任架构应用)」などもあります。

2021年注目されるサイバーセキュリティの新潮流としては、以下10項目があげられています。

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一部意訳も入っていますが、日本語にすると以下のような意味になります。

1. AI(連携)サイバーセキュリティツール
2. SOAR
3. XDR、SIEM
4. 個人情報保護とプライバシーコンピューティング
5. サプライチェーンセキュリティ
6. クラウドベースのセキュリティモデル
7. ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)
8. クラウドアプリのライフサイクル
9. ハニーポットとハニーネットの一部流行
10. ネットワーク空間のマッピング

その上述10項目の注目動向それぞれにおいて、注目すべき企業を当てはめているのが以下の図です。

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こうしてみてみると、まだまだ紹介していない企業も多くありますが、その辺は追々紹介していきたいと思います。

ただ、今回の上図の中に入っていない有力企業もいるでしょうし、そもそも上記分類で中国のサイバーセキュリティ業界を網羅できているとも思えないので、この辺についてはどこかのタイミングで「中国サイバーセキュリティ業界マップ」を作成してみたいとも思います。

さて、今回紹介したのは「2021年中国サイバーセキュリティイノベーション実践調査レポート」の中でも、無償で公開されている一部内容で、完全版は「诸子云知识星球」にて有償ですがダウンロード可能なようです。

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情報元: 

※中国を中心としたSDGsや再生可能エネルギーについて綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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