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歩いたり立ち止まったり、しゃがんだり。



今朝、夢を見た。
海に行く夢を。


起きて、それを即、現実のものにした。

天気が良いことはカーテン越しにもわかった。

すぐに準備をして、
アパートの玄関を開ける。

一歩外へ出た瞬間に思った、
春というより、夏っぽい空気感。

これはもう海日和だ、間違いない。

車内も、暖房じゃなくて、冷房の仕様になっていた。

運転中、

「今日の海はどんなに綺麗だろうか。」

そんなことで、頭をいっぱいにしたかったけど

隙間隙間に入り込むのは、
不安な気持ちと、考えても仕方のないこと。
でも、いつかは向き合わなければいけないこと。

そういった気持ちと共に、海へ。



今日の海は、最近見た中でダントツで1番に
綺麗だった。

そうそう、海って、こうだよね。

生暖かい潮風を感じながら、
私が好きな感じに仕上がってる海のご機嫌に、
心を躍らせる。

綺麗だなあ。

今日の富山湾


そういえば、
留学のホームステイ先が海辺に近かった。
あの頃も、何度も何度も歩いたんだ。

2014年のRoss Bay

いつも、不安をかき消すように。

海辺をいったりきたり歩いたって、
何にもならないんだけど。

ただただ、自分を落ち着かせるために。

そしてその時の自分に、今の自分はよく似ている。
ただただ、自然を見つめて。
歩いても歩いても、
何にも前には進んでいない気がして。

波音のそばで、私はきっと、
不安と闘っているんだと思う。

でも、歩く自分。ただただ歩く自分。

そうやって、自分をいつも、
取り戻してきたじゃないか。

カナダで過ごした18歳の私が、今の私を、
励ましてくれているようにも、思った。

それから歩いていると、思考の隙間隙間に
どうしても入り込んできたのは、
ホテル時代、
ベージュの制服を着てヒールを履いて
日々困り顔でロビーを駆け巡っていた自分のこと。

ホテルは海沿いにあり、
ときたまエントランスには潮風が漂い、
いかにもリゾートな空気感も漂っていた。

その空気感がどこか、
今日感じた空気感と類似していた。

自分の肌感覚での判断に過ぎないけれども、
今日は、5月の浦安と気候が似ていたらしい。

どうしても、瞬間的に、思い出してしまった。

暑い中、ちゃんと長袖のシャツを着て、
しっかり首元までボタンを留めて、かしこまって。
頑張っても、頑張っても、
理想には到底近づけない気がしていた、あの頃。

どれだけ頑張れば自分はオッケーなのか、
いつも探っていたけど、どれだけ頑張ったって、
オッケーじゃない気だってしていた。
モットーは、「日々、一生懸命」だった。

それで、思った。

それでも頑張って生きた、
その自分のため
に、やりなよ。

人のためとかいう必要ない、
「自分のために」やりなよ。


って。

自分の幸せのために生きなよ。

自分の幸せのために。

幸せに、なりなよ。


私は弱虫だから、幸せになることすら、
恐れているのかもしれないけれど。(太宰治に共感)


って。

それで、
ああ、私の本当の気持ちってこれか。
って、少しすっきりして、

海辺を後にした。

時計を見ると、
どうやら、2時間ちょっと、海辺をひとり、

歩いたり立ち止まったり、しゃがんだり
していたらしい。




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