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投資銀行について(一般論編)

こんにちは。めっちゃ仕事人です。

毎日時間が変わるまで仕事は続きますが、少しでも読者の皆様にお話しできればと更新の時間が楽しみになってきました。マーケット下がりますね。バイデン勝利の蓋然性は高いものの、どうもピリッとしません。金融の話は別の機会にするとして、今日は学生や転職を考える社会人の方に投資銀行についてお話したいと思います。

簡単な自己紹介は前回の記事をご参考ください。


- 投資銀行の構成について

下記の概略図が構成になるが、読者の関心が高いであろう投資銀行業務部とグローバルマーケッツ部のフロント部に焦点を当てて、業務概要→給料→働く人の特徴の順に自論を文字に起こさせてもらうことにする。

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投資銀行業務部

【業務】主に事業会社を顧客として、資金調達やM&Aの提案を行う。各チームは業種ごとのセクター割を採用している。各セクターには顧客へのヒアリングや提案・リレーションマネージメントを行うカバレッジバンカーと、それぞれのプロダクト担当(M&Aなどの助言活動、債券発行による資金調達を務めるDCMや株式発行による資金調達を務めるECM、デリバティブソリューションを用いた資金調達を行うデリバティブソリューション)により構成。日系投資銀行ではカバレッジバンカーとプロダクト担当がそれぞれ配置されることが多いが、外資系投資銀行では顧客担当とプロダクトを兼務することが多い傾向。

国内のM&Aリーグテーブルでは野村證券が首位となるなど日系投資銀行の活躍が目立つ。外資系投資銀行は比較的規模が見込める案件を選択して、リソースを集中投下する傾向。案件をこなして執行能力を高めるなら日系投資銀行の方が環境としては整っているだろう。僕自身はアナリストアソシエイト時代を投資銀行部門で過ごしていないため、実情まではわからないが、外資系証券の投資銀行部門は相当にハードな環境だろう。投資銀行部門でのキャリアを追求するのであれば、例えばVICE PRESIDENTに昇格するのが一つの指標とするのならば、日系投資銀行で1、2年経験した後に外資系投資銀行部門に転職する方がスキルを活かせるのではないかと個人的に思う。

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【給料】給料ではおそらくマーケット部門よりも若干ベースサラリーが高い傾向はあるかもしれないが、TC(ベース+ボーナスのトータルコンプ)となるとおよそ同程度だろう。マーケットほど同期の間で極端な差(ベースで50%など)はつきにくい。

【働く人の特徴】THE優秀な人が多い。いわゆるピカピカな経歴が多い。頭脳明晰・才色兼備それであって努力家そんな人材が溢れている場所と思っている。少なくない人が、いつかはPEファンドといったバイサイドへの転職を視野に入れて、日々の激務をこなしている。MDを目指すかPEファンドでプレイヤーとして稼ぐか、好みと適正で選んでいくこととなる。

グローバルマーケッツ部

【業務】主に金融機関を相手に、自社組成商品の開発(ストラクチャリング)及び販売(ノンフローセールス)や流通債券、株式の営業(フローセールス)売買・執行、流動性の供給(トレーディング)を行う。顧客への情報提供のため、個別企業の動向を分析した、エクイティリサーチがリサーチレポートを提供したりするなどサービスを提供している。

グローバルマーケッツは債券部(FICC部)と株式部(エクイティ部)に大別されるが構造は基本的には同じで、セールス・ストラクチャリング・トレーダーをフロントとして、リサーチとオペレーションが業務をサポートしている。

株式で特徴的なのが、自己勘定トレーダーとエクゼキューショントレーダーの存在であろう。顧客の預かり資産を顧客のオーダーに則って執行をするのがエクゼキューショントレーダー。一方で、証券会社の資金を使って在庫を抱えてマーケットに流動性を供給するのが自己勘定トレーダーだ。同じトレーダーでも役割が大きく異なる。エクゼキューショントレーダーはいわゆるバイサイドの窓口(セールス)・自己勘定トレーダーはエクゼキューショントレーダーがお客さんという構図が正しいだろう。

例えば、事業会社が保有する株式の大口取引をする際、1日で売却を行うと市場へのインパクトは逃れられない。一方で、エクゼキューショントレーダーに依頼をし、マーケットに分割発注しても1ヶ月はかかり現金化に時間がかかる。こういう場面があったと時、自己勘定トレーダーの出番がやってくる。

1ヶ月の保有リスク(個別株のボラティリティやヘッジ取引との相関など)をもとに自己勘定トレーダは今ならいくら(例えば100円)で買い取ります。と一括での取引に応じる。そうして投資家から買い取った株式は、マーケットで自己勘定トレーダーの裁量で売却されたり、あるいは社内のセールス(エクゼキューショントレーダー)に買いたい投資家を探してもらってりして、在庫を処分する。最終的に110円で売れれば、100円で買い取っているため10%の利益が得られる。というビジネスを行っている。

【給料】ボーナスの振れ幅が大きく、投資銀業務部と比較するとメリハリのきいた給料になっている。ただし、一昔前のようにボーナスで大金を得られる例はほぼなくなってきているのが現状である。実際のリアルな給料事情については別の記事にて一部の方に公開したい。

【働く人の特徴】個性派多数。いわゆる外資系金融のイメージはまさにグローバルマーケッツの人間を指すのだろう。日々数字に追われ、ストレス発散のために派手に遊び、派手に飲むそんな日々だ。30歳を超えるとお酒の飲み過ぎで体にガタがくる。タイトルが上がるにつれて首リスクも大きくなる。まさに波乱万丈な人生だ。僕はそんな日々がとにかく楽しいと思える。数値が出来ていなければいいわけの余地なく詰められる。そこでめげずに次の一手を考え続ける精神的タフさがある、いや、ただただ鈍感な人が多いのかもしれない。



本ブログのアクセスが増えていく際に限定公開で実際のお給料について触れてみたいと思う。引き続き応援していただきたい。


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