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尾崎世界観の『祐介』を読んで、負の感情を抱えたまま生きるということを考えた。
苛立ちと焦りと不安と後ろめたさに囲まれた、ささくれだった心が、この小説を読むことで、すーっと楽になる。
負の感情が消えるわけじゃない。
負の感情を抱えたまま、それでも僕らは生きるしかない、ということを、この小説は描いているからだ。
小説として優れているかどうかは、どうでもいい。
この物語を読んでいる間、「会社員」としての自分も、「父親」としての自分も、「夫」としての自分も、「息子」としての自分も、みんな忘れて、ただただ没頭した。
ここで描かれているのは、くそみたいな男の、くそみたいな人生だけど、これは間違いなく「僕の物語」だ。
読み終えてからずっと、著者がボーカルをつとめるクリープハイプの曲が頭の中で鳴りっぱなし。
久しぶりに、初期のアルバムを聴いてみようと思います。
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