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仕事に勝ち組、負け組は存在するのか

こんばんは
大阪府淀川区を拠点に活動している、
キャリアカウンセラーの小坂(おさか)です(^-^)

最近、大学生の就活相談を受ける中で、
仕事や働き方の優劣について
思うことがありました。


現在、私が就活対応をしている学生さんは、
基本的には一般企業や官公庁への就職を
目指している方がほとんどです。

業界や企業を選ぶ基準を考える時に、
やりたいことがあったり専門分野が活かせる業界、
興味のある業界を志望するのは
わかりやすいですよね。

ですが最近は、それに加えて、
「どんな仕事に就けば、勝ち組なのか。」
「どんな企業に入れば、将来安泰なのか。」

という、視点で考えている方も増えてきた印象です。

今の就活生たちは
日本の将来を悲観的にみているようで、
待遇と労働条件のバランスの良い企業や業界から
まず絞っていく方も多いです。

全体的にみて、平均よりも良い企業に就職したい、
会社選びに失敗したくない、
という学生さんのムードもあり、
企業の選び方に影響を与えているのかな
と思っています。

※企業の将来性や安定性を考慮して
会社選びをすることを
私としては否定するつもりはありません。

ただし、webメディアや広告などは
過剰に不安や射幸心をあおるようになりました。

・廃れていく仕事、生き残れる仕事はこれだ!
・時代にあっているのは〇〇業界だ!
・もっと楽に効率的に稼ごう!

私自身、そんな広告や風潮を見るたびに、
やるせない気持ちになりますね・・

こういう情報に過敏に反応してしまい、
「興味のある業界とは違うけど、
こっちの会社を選んだ方がいいのかも・・」

と悩んでいる学生さんもいます。

さて、ここからが今日の本題の、
仕事や働き方の優劣の話になります。

もちろん、現実として
衰退していく市場・伸びていく市場、
給与や福利厚生などの待遇面の差、
勤務時間や勤務形態等の
労働条件の違いはあります。

ですが、かといって、
自分のやりたいことと重なるが、
廃れる業界や労働条件が悪い仕事につくことは、
悪い選択といえるのでしょうか?

廃れていく業界にいる人、
労働条件が悪い仕事をしている人は、
負け組なのでしょうか・・?


私は、そうは思いませんね。

これは、私の仕事に対する見方なのですが、
この世界は、
いろんな人の仕事がつながって成り立っている

と思っています。

誰かがいなくなったら、
どこかで困る人が出てくるわけです。

直接的には感じにくいかもしれませんが、
社会のどこかではその影響が及んでいるのです。

例えば、
あなたが今着ている「服」について
考えてみてください。

あなたは、自分ひとりの力で服を作れますか?

おそらく、自分一人で服を作れる人は、
少なくとも日本には一人もいないと思います。

何もない状態から服を作ろうと思うと、
何が必要になるでしょうか?

ざっと上げてみると、このようになります。

①繊維を集めて、よりをかけて糸にする
②糸を織機にかける
③織機で布をつくる
④布を染色する
⑤生地をカットする
⑥服の形に縫いあわせる

細かく見るとまだ工程はありますが、
ざっくりとこれだけの工程を経て、
ひとつの服が製造されているのです。

果たしてこれを、
一人の人間ができるかというと難しいですよね。

ひとつひとつの工程において、
普段目には見えないけれど、
大切な仕事をしてくれている人がいるから
最終製品の服が出来上がるわけです。

ちなみに、
例えば、②の織機に糸をかける工程について、
実際にどんな作業をしているか、
見たことはあるでしょうか?

実際の工場では、
ベテランのおじいさん作業員の方が、
むしメガネをみながら、
1本1本の糸を織機の所定の位置に通しています。

イメージとしては、
針の穴に糸を通す作業を、
1日に何百回も繰り返している感じでしょうか。

本当に細かい作業ですが、
これでようやく織機を動かす準備が
できたことになります。

工場のIOT化など進んでいる中でも、
こういった仕事はなかなか自動化できない
もののひとつです。

仮に、
このおじいさんが仕事を辞めてしまって、
糸通しの仕事をする人がいなくなったら
どうなるでしょうか?


当たり前ですが、
織機に糸をかけられないので
服を作れなくなります。

もちろん実際は、
他の人でも糸通し作業はできるかもしれません。

ですが、スピードが遅くなったり、
糸の入れ違いや張力調整を間違えてしまうと
きれいな布は出来上がりません。

職人さんにしかできない仕事、
というのは今の時代も存在しますからね。

普段当たり前に着ている服も、
勝手にできあがっているわけではなくて、
その奥に細かい作業をしてくれている方がいるから
着ることができているんですね。


また、労働条件の観点から言えば、
このような仕事は、細かくて神経を使う割に、
給与水準はなどの待遇面は悪い場合が多いです。

ですが、中には
誇りを持ってその仕事をしてくれている方も
少なくありません。

「私にしかできないことがある」
「これにかけては、誰にも負けない。」

そのように、仕事を通じて
社会の中に役割を見つけることができれば、
自分に自信を持つこともできるでしょう。

これは、
労働条件や待遇などを超えたところにある
心の豊かさに繋がっていると私は思っています。

仕事や働き方に、優劣はありません。

ただ、
労働に対する対価としての給料や勤務形態などの、
労働条件の差が存在しているだけです。

人はひとりでは生きていけないもの。

着ている服も、食べているものも
誰かが作ってくれて、届けてくれているから
サービスとして買えているだけなのです。

今の仕事をイヤイヤやっている人もいれば、
楽しみながらやっている人もいる。

単純労働をしている人はいずれ職を失うだとか、
スキルが身につかないとかは、
ある程度間違ってはいないと思います。

しかし、仕事には優劣があって、
時代に合った仕事・働き方を目指すべきだ!

という思考/風潮に囚われてしまうことには、
私は強い違和感を感じます。

一人一人がやってくれている仕事に、
私は感謝をしたいと思っています。


その仕事がつながって、
結果的に自分の暮らしを支えてくれているからです。

就活生には、そんな視点を持って
単純な企業の安定性や待遇面だけではなく、
自分の人生の中における仕事の位置付けについて
考えて欲しいと思っています。

あなたはどんな仕事を通じて、
社会に対してどう自分を表現したいのか。


一度考えてみることをおすすめします。

今日はここまでです!


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