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資産運用あれこれ

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#癌

「癌」になって、考えたこと、感じたこと(5)

 さて、客観的に「持ち時間」を予想し、これに対応して、一方で「希望」も捨てないことが、共に重要だということが、もともとの筆者の主張であった。
 この考え方は、幸福の追求がぎりぎりまで出来ること、と「人生の通算成績」は死後に持って行くことは出来ないということの二つの強力な事実によって支えられている。
 とは言え、「予想」される持ち時間が、急に短縮されてしまった場合にこれにどう向き合うかは精神的にもハ

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「癌」になって、考えたこと、感じたこと(3)

 しばらく間が空いた。もう死にそうになっていて、原稿は書けないのかと思われるのはまだ不本意だ。しかし、本当に死んでしまうと原稿は書けなくなるので、もっと困る。続きを書くことにしよう。
 今回は、癌の治療コストとがん保険について書くことにする。幾らか専門のお金の話なので、他の回よりも気楽に書ける。

<治療費を幾ら負担したか>

 癌に罹ったという話をすると、いつどうやって癌が分かったかという質問(

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「癌」になって、考えたこと、感じたこと(2)

<3カ月遅れの取材記事掲載>

 このシリーズの序説とも言うべき初回に、あるメディアの取材を受けたけれども、その記事が公開されていないという話を書いた。その取材からは3カ月が経過したのだが、記事の公開が始まることになった(全5回の予定だ)。
 記事の公開が遅れた理由は、ほぼ私の推測通りだった。取材した記者の奥様が、癌に罹っていて症状が深刻であり、看病・介護・看取りなどで記者さんが忙しかったのだ。プ

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「癌」になって、考えたこと、感じたこと(1)

 〜発病の経緯と検査について考えたこと〜

<癌発見の経緯>

 2022年の6月くらいから、喉の調子が今一つだと感じていた。不調だと感じた部位は喉の少し奥と、耳の下のリンパ腺の辺りだった。細菌が感染しているような感覚だったので、近所の内科医院を受診した。コロナが問題の頃であったせいだろう。医師は、一切私に触ろうとせず、おそるおそるライトで私の喉を数秒照らしただけで、「抗炎症剤を出しておきますので

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「癌」になって、考えたこと、感じたこと(0)

〜我が癌の記、その0、「序章」〜

 私は、2022年の夏に食道癌が見つかった。その後、治療を受け、現在に至っている。診断が確定してから一年が経過した。
癌は人がよく罹るありふれた病気だし、私の癌が特別なものだったわけではない。また、私は医師や医療ジャーナリストのような医療の専門家ではないし、特別な治療によって癌がすっきり治ったというような体験を持っているわけでもない。
 だが、癌についてネットに

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