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#建築 記事まとめ

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建築系の記事を収集してまとめるマガジン。主にハッシュタグ #建築 のついた記事などをチェックしています。
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2019年6月の記事一覧

私たちの動線はどこまで自由になるのか~中山英之展『,and then』

私たちはキッチン道具や器や食材を、暮らしの中でどう選んだらいいのか日々悩んだりしている。でも、キッチンそのもの、家そのものについて日々悩むことは少ない。 家はキャベツや鍋ほど簡単に買うことができないし、選ぶ回数が少ないせいで体験的な知見が得られない、だから決められたものから選ぶしかなくなっている。そもそもそれほど、意識していない。 それが証拠に、一度決めてしまうと、もう私たちは家の存在を忘れてしまう。自分たちの入る「容れ物」としてその間取りや場所を受け入れ、今日のごはんは

2 新・店舗付き住居

d hotel (d news) ができるまで 2 路面店の限界を感じ新しいd&departmentを発想。初夢に建築家の長坂常さんも現れ、お願いしに行ってきました。 これは2020年に開業する予定のD&DEPARTMENTの初のhotel project「d news」の記録です。 この連載では、時間軸が一回ごとに前後するような、昔に戻ったり、最新状況になったりするように書いていきます。それは僕にとってこのプロジェクトは、過去からの想いであり、現在形の格闘でもあるから

¥400

1 d&hotel (d news)ができるまで

はじめに これは2020年に開業する予定のD&DEPARTMENTの初のhotel project「d news」の記録です。 そもそもホテルを作りたいと思ったのは1997年のデザイン会社設立の時から。なぜ、ホテルなのか、また、実際に開業にこぎつけた奇跡の軌跡を、自分のためにも、思い出したり、昔の資料を引っ張り出したりして、いちいち掲載していこうと思います。 どうしてみんな、ホテルをやりたいと思うのか。そう思うと、僕は「いいホテルに泊まった経験」がそう思わせているんだと

¥400

クリスマスイブ教会巡り30,000歩の記録

大学はキリスト教系だったけど、学校のチャペル以外で教会に通ったことはない。だけど、教会という建築ジャンルがあり面白いものがあることは認識していた。東京でもっとも有名なのはこちらかな。 文京区関口 カトリック東京カテドラル聖マリア大聖堂 間近で見ると気圧されるような迫力。上空から見ると十字架が見えるそう。写真の正面が十字の縦線、両翼部分が横線を成すらしい。丹下健三の設計で、前川國男、谷口吉郎という超一流建築家とのコンペで選ばれたことが知られているけど、たしかにこのデザインに

ロンシャン_day23_ヨーロッパ建築旅行2018

181201_fr_day23 遂に12月に突入。 北上するにつれて、寒さもすこしだけ増しているようだ。ただ日本でイメージしていた、スイスの12月とは違って、極寒ということはない。スイスに入ってからはからっと晴れることが減り、いつも灰色の雲がかかっている。 * 今日は、バーゼルから今度はフランスへ国境を跨いで、ル・コルビュジエ設計の〈ロンシャンの礼拝堂〉を見に行く。完成は1955年。先日見た〈ラトゥーレットの修道院〉の完成が1960年で、ともにコルビュジエ晩年の代表

動物性を喚起する!美術館の役割をアップデートする富山県美術館の建築

富山県美術館。 富山県富山市の駅近く、観光名所にもなっている「環水公園」のほど近くに位置する美術館です。 絶賛進行中の渋谷再開発プロジェクトでも検討委員を務めるなど、日本を代表する建築家・内藤廣氏が設計しました。 先日ようやく見に行くことができ、建築としての美しさもさることながら、美術館としての新たな挑戦に大興奮。 ひと言で言えば、「動物性を喚起する美術館」。 この美術館が、これからの美術館(または美術との関わり方)を考える上で、避けては通れないほどの強さをもっているな、と

竹林寺納骨堂へ

訪れた建築のメモとしてのnoteです。  先日、高知へ行った際に、堀部安嗣氏の設計した竹林寺にある納骨堂を訪れました。この場所へは、ずっと行ってみたいと思っていました、というのも、私が働くシルバーウッドの高齢者住宅「銀木犀」の全てを設計する一級建築士が、好きな建築家であり、影響されやすい自分はすぐ「建築を気持ちで考える」という堀部安嗣氏の著書を買いました。その時に、堀部安嗣氏の手がけた建築の1つとして紹介されていたのが、この竹林寺納骨堂でした。  この本の冒頭、堀部氏が影

ラルキトルタ カフェ ビストロ(L’architorta Caffè Bistrot ): リマ駅近くのギャラリーカフェ

今回は、リマ駅(Lima)近くの店内にギャラリースペースを設けているカフェ・ビストロの紹介。 ブエノスアイレス通り沿い、ロレート駅(Roreto)とポルタ・ヴェネツィア駅(Porta Venezia)の中間に位置するリマ駅(Lima)は、ZARAや無印など化粧品店や衣料品店が立ち並ぶ華やかな通りであるため、歴史や文化を楽しむには物足りないかもしれない。 因みに、世界規模に展開するファストファッションやブランドのお店が並んでいるために、セールの時期には、手頃な買い物を楽しむ

「構成」と「ディテール」の話(建築の話 その3)

ご無沙汰しておりました。簿記2級の試験勉強や何やらを言い訳に文章を書くのをさぼっていました。実際には、大上段に構えすぎたテーマに何を書こうか迷っているつもりが、noteの存在すら忘れていたというのが本音のところです。 建築の話は第3回をお届けしたいのですが、その重いタイピングの腰を上げることができたのは、先日アマン東京という高級ホテルのロビーを見てきたことがきっかけです。私自身、今はデザインや設計の仕事をやっているわけではないのですが、訳あってホテルのデザイン等を調べている

フィリッポ・ブルネレスキの矜持

、 どこまでも広がる、抜けるように青い空。  そして、シンプルで力強い赤褐色のクーポラ。  互いが互いを引き立て合う、この風景は、まさに「フィレンツェ」の顔だ。  そして、このクーポラを持つ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、ルネサンスの始まりとも言うべき出来事とも関わりが深い。 対決、ギベルティvsブルネレスキ  1401年、この聖堂に付随する洗礼堂の扉の受注者を巡り、コンクールが開かれた。  参加したのは7人、フィレンツェを中心に活動していた彫刻家や金細

住宅建築賞2019入賞レセプションを終えて

つばめ舎建築設計+スタジオ伝伝「欅の音terrace」が2019年の住宅建築賞を受賞しました. 2019.06.19(Wed.)~2019.07.05(Fri.)の間,東京都・京橋にあるAGC Studio 2Fにて模型&パネルの展示をしております.無料ですので,ぜひお気軽に足を運んでみてください. 初日は審査員の建築家である乾久美子・青木淳・福島加津也・長谷川豪・中川エリカ(敬称略)という錚々たる面々から直々に講評,審査の経緯,金賞の境い目などを議論する入賞レセプショ

¥100

検証・平成建築史【日経BP社】

内藤廣+日経アーキテクチュア 著 B5判/320頁/3,200円+税 内藤廣が語る未来への提言。 バブル崩壊後の30年間で、建築に何が起こったのか。内藤廣氏をナビゲーターとして「平成」の災害・事件・建築デザインを検証します。 建築家の内藤廣氏を迎え,平成31年間の総括を試みる本書. 2度の大震災や,新国立競技場問題などを通じて(よくも悪くも)社会から注目を浴び,建築が社会との付き合い方を見直す時代だった,と言及される.また,情報化による設計ツールの変化で複雑な処理が

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近代建築の象徴・・・京都駅。

建築事務所のいろいろ_事務所の文化

働く場の「文化」というのは、その事務所がどんな建築を生み出すかということと同じぐらい大切なことだと思う。社員のモチベーションを上げたり、一体感を生み出したり、職場へのプライドも生まれるかもしれない。 BIGには独特の「文化」がある。黒川紀章やスティーブンホール事務所では彼ら個人がまさに社内の文化であったと思う。先生や(黒川事務所では黒川紀章のことをこう呼んだ)、スティーブンの鶴の一声で社内にルールができ、全てが決定された。だから文化も自然と彼ら自体がそれになった。事務所が1