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戸田 温
2022年7月20日 20:29
終わるさんぶんのいちはじめて下った坂道とひとりぼっちの桜の木石垣と 恐怖に襲われる君ぼくの腕の中に駆け込むあれから 少しと3ヶ月ずっとそこにいたらどんな色で どんなにおいででも 居ない 居てはいけない永遠の坂も 降る頃には知ってたよりも ぽかぽかで小さい人たちは 変わらず毎日ふにゃふにゃの僕と うまれたての場所歩き方も知らない僕とそれは 永遠のトンネルのよう
2022年6月12日 19:57
家をとび出す、裸足のままで。午後7時、陽は沈む。なまぬるい、世界に置いてけぼりのアスファルト。冷めることのない愛、みたいに。
2022年1月30日 01:06
遠い異国の地にいるあなたを思ひ、右足を初冬の海水に浸した。あなたも今、あなたの右足をそこへ浸せば、私たちは出会う。あなたの右足と、私の右足は海水を頼りに繋がり、広がる。世界を余すことなく、あなたの右足と私の右足が染め尽くす。
2022年1月10日 22:49
貴方を乗せた舟は、雲の影へと消えゆく途上。後を追うには遠すぎて。頬を伝う涙は、天空の海へと還る途上。拭うには寒すぎて。終にその舟は姿を消した。眼球に映ることを止めた月光舟に、止まることを知らぬ涕。隣で貴方が囁いたような気がした。「心で見て」と、、、瞼を閉じ、月光舟を追い続ける三日月の夜。
2020年7月12日 21:41
ある真夏日の昼。ベランダで息を途絶えていく蝉が居た。「7日間という短すぎる地上での人生の中で、何故あなたはこの地球上に生まれたのか」「一夏も持たない命を、何故この暑さの中ひたすらに鳴き続け、死ぬ間際にも声を上げることを選んだのか」多分、彼らはこの世界に「恋」をしたのかもしれない。すぐに終わると知っていながらも、少しでも長くそこに居たくて、美しいこの世界でその声を発し、誰