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詩です。短いです。
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#詩

のらと宇宙人と

のらと宇宙人と

終わるさんぶんのいち

はじめて下った坂道と
ひとりぼっちの桜の木

石垣と 恐怖に襲われる君
ぼくの腕の中に駆け込む

あれから 少しと3ヶ月
ずっとそこにいたら
どんな色で どんなにおいで

でも 居ない 居てはいけない

永遠の坂も 降る頃には
知ってたよりも ぽかぽかで
小さい人たちは 変わらず毎日

ふにゃふにゃの僕と うまれたての場所
歩き方も知らない僕と
それは 永遠のトンネルのよう

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アスファルト、冷めない。

家をとび出す、裸足のままで。

午後7時、陽は沈む。

なまぬるい、世界に置いてけぼりのアスファルト。

冷めることのない愛、みたいに。

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右足

遠い異国の地にいるあなたを思ひ、右足を初冬の海水に浸した。
あなたも今、あなたの右足をそこへ浸せば、私たちは出会う。
あなたの右足と、私の右足は海水を頼りに繋がり、広がる。
世界を余すことなく、
あなたの右足と私の右足が染め尽くす。

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月光舟

月光舟

貴方を乗せた舟は、雲の影へと消えゆく途上。

後を追うには遠すぎて。

頬を伝う涙は、天空の海へと還る途上。

拭うには寒すぎて。

終にその舟は姿を消した。

眼球に映ることを止めた月光舟に、止まることを知らぬ涕。

隣で貴方が囁いたような気がした。

「心で見て」と、、、

瞼を閉じ、月光舟を追い続ける三日月の夜。

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蝉

ある真夏日の昼。

ベランダで息を途絶えていく蝉が居た。

「7日間という短すぎる地上での人生の中で、何故あなたはこの地球上に生まれたのか」

「一夏も持たない命を、何故この暑さの中ひたすらに鳴き続け、死ぬ間際にも声を上げることを選んだのか」

多分、彼らはこの世界に「恋」をしたのかもしれない。

すぐに終わると知っていながらも、少しでも長くそこに居たくて、

美しいこの世界でその声を発し、

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