「鍋がおいしいネ!」←”鍋”は固くて食べられません
鍋料理がスバラシイ理由は次の3点である。
そう言えば、冬になるとカーチャンは鍋ばかり作っていたなぁ・・・・・・。
料理をする立場になって、その気持ちがよくわかった(カンタンなのが、特にイイ!!)。
ある日のこと。
家族に「今夜は鍋を食べよう」と提案した。
幼稚園児の息子は次のように主張する。
「鍋は固くて食べられないよ」
アッ・・・・・・。
たしかに「鍋を食べる」という表現は不自然であり「鍋料理を食べる」と言うべきだ。
でも、私たちは、
という表現をするし、それで通じる。
一体、どうなってるんだ??
と、いうわけで今回のお題。
1.フライパンを食べる?
鍋以外の調理器具は「〇〇を食べる」という表現をするのだろうか?
見事にすべてがバツ。
「〇〇〇〇を食べる」という表現は、やっぱり不自然なんだナ。
というナゾナゾがある。
これは「フライパンは食べられない」という共通理解があるからこそ、成り立っているワケだ。
「鍋を食べる」という表現はやはり特殊なようである。
2.鍋って、種類がたくさんある。
結婚した当初、
と宣言した。
『中華一番!』というアニメがやっており、主人公のマオが中華鍋を振るう様子がカッコよくて仕方なかったのである。
(ちなみに、中華鍋はまだ買っておりません😭)
「中華鍋」のように「〇〇鍋」という料理器具はいくつかある。
これら「〇〇鍋」でも「鍋を食べる」という表現が可能なのだろうか?
今回もすべてバツ。
「鍋を食べる」という表現は細分化された種類別の鍋には使えないということがわかった。
3.あの漫画の、あの料理
インターネットをしていたら、以下のカッコよすぎる商品を知った。
漫画『るろうに剣心』の作品に出てくる牛鍋とコラボしたポテトチップスである(イラストは、描き下ろしとのこと)。
牛鍋をきっかけに思ったのだが「〇〇鍋」という料理はいくつかある。
もしかしたら、その中に謎を解くヒントがあるのかもしれない。
というわけで並べてみよう。
けっこうたくさんあるな・・・・・・。
ここでわかるのは、これらすべては「〇〇鍋を食べる」という表現が可能であるということだ。
しかし――
「だから、なに?」
という感じ。
「〇〇鍋を食べる」という表現が可能であることは、今回の謎を解くカギにはならなさそうだ。
4.洗濯機を回す
突然だが、洗濯をするとき人は何と言うだろうか。
(下の「〇」に漢字一字を入れてください)
↓↓↓↓↓↓(スクロール)
多くの人は「洗濯機を回す」としただろう。
だが、実際に回っているのは「洗濯機」ではなく「洗濯槽」である。
洗濯機本体がグルグル回転したら危険なので即刻修理に出そう。
この「洗濯機を回す」という不自然な表現を換喩という。
比喩の一種だ。
日本語教育の学習過程で学んだ言葉(概念)である。
換喩とは何か?
例文を見てもらった方が早いだろう。
日常生活で、
などと言うことがある。
この発言は、よぉく考えるとオカシイ。
寿司屋(寿司職人)や寿司屋(店舗)をガブリと食べて「おいしい」と言っていたらホラー映画になってしまう。
本来は、
と表現すべきである。
「寿司屋」が「寿司屋で握ってもらう寿司」を表す換喩なのだ。
なぜ換喩を使うのか?それは、
である。
たとえば、自転車に乗って進むことを、一般的には、
と言うだろう。
本来は、
と表現するべきだ。
しかし、
の方が「自転車で進む」というイメージがしやすく、わかりやすい。
また、簡潔に(短い言葉で)表現できる。
5.「水筒を持っていこう!」
換喩と飲食物の関係に注目したのも、子どもがキッカケであった。
ある休日――
子どもと出かける際、私は子どもに、
と言った。
子どもは、水筒をシッカリ持って行ったが、中身は空っぽ。
出先で、
とツッコんだところ、
と反論してきた。
(夫婦共に国語教師であるからか、幼稚園児にしては口が達者で油断できません)
そこで、オトナが使う”水筒”という表現は”お茶の入った水筒”の換喩であることに気づいたのだ。
お察しかもしれないが「鍋を食べる」も換喩である。
なんて表現は、まどろっこしい。
の方がカンタンに表現できるっちゅーわけなのだ。
では、まとめます。
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