音楽の散歩 by Reiko.S

自分が好きなクラシックの古き良き時代の演奏を紹介したり、ピアノの演奏やレッスン、教える…

音楽の散歩 by Reiko.S

自分が好きなクラシックの古き良き時代の演奏を紹介したり、ピアノの演奏やレッスン、教える仕事を通して学ぶこと、想うこと等々。ピアニスト、ピアノ教室主催。現在、重松正大氏に師事。 教室H.P(https://kleineklavier.net/)

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    歌とピアノのデュオによる、クラシック音楽にまつわるあれやこれ。そして演奏会ごとの解説&裏話。

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何から話しましょう、、、 2017年から始めたソプラノの工藤夏子ちゃんとのデュオコンサート。元々私たちは中高の同級生で、ただし決して仲が良かったわけでもなく(笑)もちろん歪み合う様な仲の悪さもなく。共通点と言えば、他大学だけれども互いに音楽の道へ進んだこと。彼女は歌、私はピアノ。 それぞれに大学を卒業して、夏子ちゃんの演奏会に一度は行ったことがあって。でも何故携帯のアドレスを知っているのかも謎なくらいの関係(笑) 第1回のデュオコンサートの更に1年前くらいに、ひょんな事

    • もう豆をまいている・・・演奏後記

      お正月、節分、桃の節句、、、と月ごとに思い浮かぶ季節の行事。 12月はクリスマス。いつの間に日本に定着したのでしょう。クリスマスキャロルを聴くとワクワクしてしまう。 前半プログラムのヴォルフ作曲“エピファーニアスの祭り”。これは夏子ちゃんとの第1回目のデュオコンサートで演奏しました。 ソプラノのシュヴァルツコプフと指揮者のフルトヴェングラーがピアノ伴奏をしたライブ音源を聴いてから、いつか演奏してみたかった曲。久しぶりのクリスマスプログラムで今回もリクエストしました。 1

      • 逆さの伏線

        2月目前。考え事をしながらあっという間に過ぎてしまいました。 逆再生。 ひと通り最後までオペラを聴いてみると、序曲にこんなにも伏線が張られていたなんて!と気付き、もう一度序曲を聴いてみたくなる。 後から分かった事ですが、フンパーディンクも“ヘンゼルとグレーテル”全曲の中で序曲を一番最後に作曲したのだそう! やっぱり〜♪ なんて思ってしまいました。 物語の起承転結、確かに『起』から順番に書く決まりはなく。その作曲家によっても作品によっても違うのでしょうね。 夏子ちゃん

        • 2023年大晦日〜演奏後記〜

          先週12/17(日)クリスマスコンサートを無事終演致しました。ご来場くださった皆さま、誠に有難うございました♪ クリスマスを越えて年越しが目の前に。師走って本当に走っていく感がある、、、と毎年思ってしまいます。 夏子ちゃんとのデュオコンサートも5回目を迎えたことに、不思議な感覚に満たされた気持ちです。1回やってみてお互いに合わなかったらそれっきりにしよう!と決めて始めたのだから笑 当日のプログラムに関しては夏子ちゃんが先に書いてくれた通り↓ ヨーロッパのクリスマスシーズ

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          クリスマス週間

          何だか11月なのに暑いなぁと言っていたら、ぐんと冷え込み、お庭の柚子が黄色くなって良い香り。 今年も12/17(日)に旧前田家本邸洋館でクリスマスコンサートを行うことが決まりました。夏子ちゃんが先に書いてくれた記事はこちら↓ 9/9に行ったアルマリウムコンサートで演奏したオペラ「ヘンゼルとグレーテル」も少し違った視点からお話を交えて数曲演奏します。 本番に向けてお喋りをしながら、あぁそうか、ここの場面をハイライト版に組み込んでいきたいねとアルマリウムのレパートリーとして

          響き合う 演奏後記 雑談編⑧

          ワーグナーのオペラ「パルジファル」の一部分はフンパーディンクが書いたのだそう。どれだけ信頼されていたのでしょう。 「ヘンゼルとグレーテル」の初演は、「薔薇の騎士」を作曲したリヒャルト・シュトラウス指揮の元行われて。 ワーグナーは1日3〜4時間×4日間かけて完結される、かの有名な4部作「ニーベルングの指環」の作曲に26年(!!気が狂いそう、、、)もの歳月をかけ。 前半プログラムの“ゴリヴォーグのケークウォーク”の中間部には、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」(悲しき恋愛

          響き合う 演奏後記 雑談編⑧

          ギャロップロップ♪ 演奏後記 雑談編⑦

          露の精に起こされて、ようやくお菓子の家へ。“カリカリ ぽりぽり”についてはこちらに書いた通り↓ 魔女に見られていることにも気が付かず、夢中になって食べている2人、、、とうとう捕まってしまう。 ここからは魔女の高らかな笑い声や呪文「ホークス ポークス・・・」が怪しげなメロディとリズムに乗って歌われます。教室の生徒さんにこの呪文を聞かせたらダサい!となぜか爆笑しておりました。ミートポークみたいに聞こえちゃったのかしら?? その後魔女は箒に乗って、なんなら調子にも乗っちゃって

          ギャロップロップ♪ 演奏後記 雑談編⑦

          砂を目に・・・演奏後記 雑談編⑥

          眠りの精や14人の天使に見守られながら2人は眠りにつく。 この“眠りの精”、ドイツ語ではSandmännchen=砂の精。 子供達のまぶたに砂をかけて眠らせると言われている優しい妖精さん。 日本人的に目に砂をかけると言われたら、何となく“砂かけばばぁに目潰しを喰らう”イメージが強くなるから直訳されなかったのかしら?なんて余計なことも考えたり。 14人の天使が〜とヘンゼルとグレーテルが歌うのは“夕べの祈り”。この“祈りのモティーフ”が序曲の一番初めだったのね、と気づく方もい

          砂を目に・・・演奏後記 雑談編⑥

          カッコー・・・カッコー・・・ 演奏後記 雑談編⑤

          お菓子の家の話と前後してしまいましたが、“魔女の騎行”モティーフで始まる第2幕。 ワーグナーの“ワルキューレの騎行”みたい!子供向けのお話だけれど、フンパーディンクの音楽が大人の?(ワーグナーの?)世界にも触れさせてくれる。合わせをしながら、なんて良い作品なんだろうと感心してばかりいました。 ヘンゼルとグレーテルは歌を歌って苺を摘みながら、自分たちでもパクリパクリと夢中になって食べ始めて。自分で卵を孵化させることが出来ないために、他人(他鳥か?)の巣の卵を落として紛れ込ませ

          カッコー・・・カッコー・・・ 演奏後記 雑談編⑤

          カリカリ ぽりぽり お菓子のお家って・・・もしや・・・演奏後記 雑談編④

          お菓子の家のモティーフにアルペジアーレ(和音横に書かれた縦にうにょうにょ書かれた蛇みたいな印)で弾くモティーフがカリカリ、ぽりぽりみたいな齧っている感じで耳にも楽しい。 こうやって各モティーフが変形したり、調を変えて登場したり、物語を耳で追う感じが楽しい。楽譜上で隠れんぼ?しているモティーフを視覚的に発見するのも楽しい。 隠れミッキー探しと似ている。ウォーリーを探せだって、間違い探しだって、日常的にそういう遊びが得意な人はきっと楽譜読むのも得意になるに違いない。 そして曲

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          お父さんを探す 演奏後記 雑談編③

          物語では お父さん“が”、子どもたちを探すはずなのですが? 夏子ちゃんがこちらで書いてくれたようにソプラノが歌える配役の多いオペラ「ヘンゼルとグレーテル」。 でもバリトン(男声の中でも低い方)が歌うお父さんをどうしよう、、、? 流石に夏子ちゃんが歌うのはねぇ。。でもとっても印象的なメロディでお父さん無しには語れないお話。 ピアノでお父さんを表現する!ということになりました。(当日お父さんを感じていただけていたら、嬉しいのですが。)連弾譜を見ると歌ありきで書かれているから

          お父さんを探す 演奏後記 雑談編③

          気が遠くなりそうな・・・。演奏後記〜雑談編②

          ピアノ部 ピアノパートはどちらが1st、2ndを受け持つか ハイライト版にするためにどうやって抜粋していくか 全体を把握するために、ひと通り譜読みしよう〜なんて軽い気持ちで始めたものの膨大すぎるので、せめて1st、2ndを決めよう。これは序曲あたりを弾いてみて、夏子ちゃんにバランスを聴いてもらい、1st松元さん、2nd私と直ぐに決めました。 さてさて、ピアノ部の始まり。これがまた、、、なんとなく全てをひと通り合わせてみたものの曲数が多すぎて、お互いの耳でどこを聴くか、

          気が遠くなりそうな・・・。演奏後記〜雑談編②

          お喋りから膨らむプログラム 演奏後記〜雑談編①

          9/9午前中はまだ台風の影響が残っていて、さわさわと濡れる雨が降っていました。足をお運びいただいた皆様、本当に有難うございました! さてどこから話したら良いでしょう・・・、あまりに凝縮された数ヶ月。ラスト1ヶ月は合宿状態でした。(泊まりこんではいません笑) 夏子ちゃんとのデュオコンサートを通して色々お喋りしているうちに、むくむくと語りやオーケストラ音楽を取り入れたプログラムを実現させたいという想いが強くなりました。 私がお世話になっている重松正大先生と門下で開催した「連

          お喋りから膨らむプログラム 演奏後記〜雑談編①

          後日談 脱線

          そうそう、12/3の旧前田家本邸洋館で1曲目に演奏した山田耕筰“この道”。 私の住む川崎市の夕方5時の防災無線チャイムにこの曲が含まれているのですよね。おそらく1年の中で3曲が時期によって順に流れてきます。 今の時期は“浜千鳥”(鹿島 鳴秋作詞/弘田 龍太郎作曲)が聞こえています。夏くらいが“椰子の実”(島崎藤村作詞/大中寅二作曲)。どの曲も少しレトロな鐘の音で、物悲しさもあるような。でもなんとなくほっこりして好きなのですよね。「5時だな〜」「今日も日が暮れていくな」と日常

          後日談 5

          年越しに除夜の鐘を聴き。簡素ながらお正月にはお節を食べ初詣をし、7日の七草粥、鏡開きにはお汁粉を食べて。とあっという間に1月も過ぎ去り。 今年もひとりでも多くの方と音楽を楽しみながら共有できますように。 そうそう【中国地方の子守唄】の “ねんころろん  ねんころろん” という言葉が日本語の可愛らしい響きだなと。 【松島音頭】は今回初めて知って、しっくりくるまでがなかなか大変だったね。楽譜は4/4拍子で書かれているけれど、漁師さんとかが “エンヤードット エンヤードット”

          後日談 3

          12/3旧前田家本邸での演奏会、お天気にも恵まれたくさんの方に足をお運びいただき本当に有難うございました。 夏子ちゃん、先に書き始めてくれてありがとう! ピアノはヤマハのG3。今はもう生産されていないGのシリーズ、私は温かみがあって好きです。コロナ前に試弾させていただいた時、この空間にちょうど良いサイズ♪と好感を持ちました。ピアノの置いてあるお部屋はお客さまが入っても響きが聴きやすく、窓の外に見える庭園で遊んでいる親子連れを眺めて和み、夏子ちゃんの曲間でのお話にはお客さま