音楽の散歩 by Reiko.S

自分が好きなクラシックの古き良き時代の演奏を紹介したり、ピアノの演奏やレッスン、教える…

音楽の散歩 by Reiko.S

自分が好きなクラシックの古き良き時代の演奏を紹介したり、ピアノの演奏やレッスン、教える仕事を通して学ぶこと、想うこと等々。ピアニスト、ピアノ教室主催。現在、重松正大氏に師事。 教室H.P(https://kleineklavier.net/)

マガジン

  • 音楽くおどりべっと

    • 76本

    歌とピアノのデュオによる、クラシック音楽にまつわるあれやこれ。そして演奏会ごとの解説&裏話。

最近の記事

  • 固定された記事

音楽くおどりべっと

何から話しましょう、、、 2017年から始めたソプラノの工藤夏子ちゃんとのデュオコンサート。元々私たちは中高の同級生で、ただし決して仲が良かったわけでもなく(笑)もちろん歪み合う様な仲の悪さもなく。共通点と言えば、他大学だけれども互いに音楽の道へ進んだこと。彼女は歌、私はピアノ。 それぞれに大学を卒業して、夏子ちゃんの演奏会に一度は行ったことがあって。でも何故携帯のアドレスを知っているのかも謎なくらいの関係(笑) 第1回のデュオコンサートの更に1年前くらいに、ひょんな事

    • 書きこぼした曲

      書きこぼしていた「浜辺の歌」「冬の星座」 「浜辺の歌」は子どもの頃に何故だか「二十四の瞳」を白黒で観て、とっても切ない気持ちと共に印象に残っています。テレビでたまたま放映されていたものをボーっと観てたのだろうか・・・。 白黒だった時代と現代の映像作品、流れが随分違うなぁ。 そして「冬の星座」の作曲者はウィリアム・シェイクスピア!? と思ったら、ロミオとジュリエットの作者とは違いました(^_^;) 正確にはウィリアム・シェイクスピア・ヘイス。アメリカの作曲家で、300曲以上

      • ミューズとクロノス

        ミューズ=Museは、技芸・文芸・音楽など芸術を司るギリシア神話の女神。musikの語源。派生してMuseum=美術館・博物館。ムーサとムサとも言うらしい。 うきうきとした軽やかな調子が、詩にある通り口笛を吹いて足取り軽く歩き歌うような感じで愛らしい。 なんとなくで選んでいく曲がゲーテの詩であることが多い。 (脱線して。好きな日本歌曲選ぶと山田耕筰であることが多い) その言葉の力に知らぬ間に吸い寄せられているのかしら。 ミューズの子ってなんだろう?と思っていたら、ドイツ語

        • ガニュメードに導かれ

          プログラム最後に演奏したシューベルトの3曲 ミューズの子 ガニュメード 馭者クロノス 第6回のデュオコンサートを考え始める少し前まで、自分の課題としてベートーヴェンのピアノソナタ“ワルトシュタイン”に取り組んでいました。 第1楽章のテーマ(画像参照)。 「エドウィン・フィッシャーがワルトシュタインのこの部分はガニュメード(の伴奏)だと言った所だ。そんな気がしないかい?」と重松先生がレッスンで仰っていた。 シューベルトの中に、敬愛するベートーヴェンの1曲が浮かんでいただろ

        • 固定された記事

        音楽くおどりべっと

        マガジン

        • 音楽くおどりべっと
          76本

        記事

          萩の花咲く頃

          台風の影響でお天気が愚図つきますね。。 あっという間に萩の花咲く季節に。 日本語の歌プログラムに入れた「証城寺の狸囃子」 月に浮かれて踊り歌う和尚さんと狸たち そんな光景がぱっと浮かぶこの曲。可愛らしくて子供の頃から好きだったけれど、調子よく「おいらのお腹はぽんぽこぽんの っポンポン!」と思い切り間違って口ずさんでいたことに気がつきました 笑 月や星の静かめの曲が多かったので、リズミカルなこの曲をぽこんと入れたくなったのですよね。 「朧月夜」や「荒城の月」 季節や時代の

          月と星、そして神話

          タイトル画像は綺麗に写されている夏の大三角形☆彡 夏子ちゃんが書いてくれた様に、日本の歌には「月」に関するものが多く「星」に関するものが少ない。 今よりも星は無数に見えていただろうに。多すぎて?いや、大らかさゆえ? 考えたこともなかった。 今回のプログラムを考え始めた時に、ここ数年の夏子ちゃんとのお喋りの中で、いつか月や星とギリシャ神話を絡めたコンサートをしたいねと話していたことを思い出しました。 確か初めの方にドヴォルザーク作曲ルサルカの“月に寄せる歌”を入れようって

          月と星、そして神話

          きらきら星の元

          7/7「星」のお題で選んだピアノソロ、モーツァルト作曲“きらきら星変奏曲”。 元は18世紀半ばフランスで流行していた民謡、 “「ねぇ、お母様聞いてちょうだい」のテーマによる12の変奏曲” というのが曲名で、「お父様は大人になりなさいっていうけれど、私はお菓子の方が良い」というような詩。 愛らしいメロディで始まり、16分音符、3連符、休符や付点を活かしたリズム、甘えた声のような部分もあり、12の変奏のうちにたった1回出てくる短調を効かせ、左右の手を交差させるちょっとした小

          7/7 コンサートを終えて☆彡

          猛暑の中ご来場いただいた皆さまに、私からも御礼を申し上げます。 ご帰宅後、翌日以降皆さま体調崩されていないと良いのですが。 本番を終えて帰宅すると、外玄関にヤモリが2匹♡ 織姫と彦星かしら?なんて扉を開けたら、1匹びっくりしたのか距離が離れてしまった、、、 ごめんね、邪魔するつもりではなかったの。 そして23時過ぎ。夜空を見上げると夏の大三角形らしき星々を見ることが出来ました☆☆☆ きっとあの辺りに天の川が流れているのだろうな、なんてぼんやり眺めていたら、宮沢賢治の『星め

          7/7 コンサートを終えて☆彡

          7月7日 夜空を彩る星々のものがたり

          七夕の日にソプラノ夏子ちゃんとのデュオコンサートを行います☆彡 昼間直視出来ない太陽の光を映して、夜空に優しく輝いている星々。 都会にいると数えるほどしか見えないけれど、写真の様に宇宙には無数に星が散らばっているのですよね。 月や星に想いを寄せて 作曲家や詩人の描き出した音楽と物語を 皆さまと一緒に辿っていけたらと思います。 昨年12月と同じく『旧前田家本邸洋館』の素敵な会場でお待ちしております♪ ☆Duo Concert☆ 〜夜空を彩る星々のものがたり〜 2024

          7月7日 夜空を彩る星々のものがたり

          もう豆をまいている・・・演奏後記

          お正月、節分、桃の節句、、、と月ごとに思い浮かぶ季節の行事。 12月はクリスマス。いつの間に日本に定着したのでしょう。クリスマスキャロルを聴くとワクワクしてしまう。 前半プログラムのヴォルフ作曲“エピファーニアスの祭り”。これは夏子ちゃんとの第1回目のデュオコンサートで演奏しました。 ソプラノのシュヴァルツコプフと指揮者のフルトヴェングラーがピアノ伴奏をしたライブ音源を聴いてから、いつか演奏してみたかった曲。久しぶりのクリスマスプログラムで今回もリクエストしました。 1

          もう豆をまいている・・・演奏後記

          逆さの伏線

          2月目前。考え事をしながらあっという間に過ぎてしまいました。 逆再生。 ひと通り最後までオペラを聴いてみると、序曲にこんなにも伏線が張られていたなんて!と気付き、もう一度序曲を聴いてみたくなる。 後から分かった事ですが、フンパーディンクも“ヘンゼルとグレーテル”全曲の中で序曲を一番最後に作曲したのだそう! やっぱり〜♪ なんて思ってしまいました。 物語の起承転結、確かに『起』から順番に書く決まりはなく。その作曲家によっても作品によっても違うのでしょうね。 夏子ちゃん

          2023年大晦日〜演奏後記〜

          先週12/17(日)クリスマスコンサートを無事終演致しました。ご来場くださった皆さま、誠に有難うございました♪ クリスマスを越えて年越しが目の前に。師走って本当に走っていく感がある、、、と毎年思ってしまいます。 夏子ちゃんとのデュオコンサートも5回目を迎えたことに、不思議な感覚に満たされた気持ちです。1回やってみてお互いに合わなかったらそれっきりにしよう!と決めて始めたのだから笑 当日のプログラムに関しては夏子ちゃんが先に書いてくれた通り↓ ヨーロッパのクリスマスシーズ

          2023年大晦日〜演奏後記〜

          クリスマス週間

          何だか11月なのに暑いなぁと言っていたら、ぐんと冷え込み、お庭の柚子が黄色くなって良い香り。 今年も12/17(日)に旧前田家本邸洋館でクリスマスコンサートを行うことが決まりました。夏子ちゃんが先に書いてくれた記事はこちら↓ 9/9に行ったアルマリウムコンサートで演奏したオペラ「ヘンゼルとグレーテル」も少し違った視点からお話を交えて数曲演奏します。 本番に向けてお喋りをしながら、あぁそうか、ここの場面をハイライト版に組み込んでいきたいねとアルマリウムのレパートリーとして

          響き合う 演奏後記 雑談編⑧

          ワーグナーのオペラ「パルジファル」の一部分はフンパーディンクが書いたのだそう。どれだけ信頼されていたのでしょう。 「ヘンゼルとグレーテル」の初演は、「薔薇の騎士」を作曲したリヒャルト・シュトラウス指揮の元行われて。 ワーグナーは1日3〜4時間×4日間かけて完結される、かの有名な4部作「ニーベルングの指環」の作曲に26年(!!気が狂いそう、、、)もの歳月をかけ。 前半プログラムの“ゴリヴォーグのケークウォーク”の中間部には、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」(悲しき恋愛

          響き合う 演奏後記 雑談編⑧

          ギャロップロップ♪ 演奏後記 雑談編⑦

          露の精に起こされて、ようやくお菓子の家へ。“カリカリ ぽりぽり”についてはこちらに書いた通り↓ 魔女に見られていることにも気が付かず、夢中になって食べている2人、、、とうとう捕まってしまう。 ここからは魔女の高らかな笑い声や呪文「ホークス ポークス・・・」が怪しげなメロディとリズムに乗って歌われます。教室の生徒さんにこの呪文を聞かせたらダサい!となぜか爆笑しておりました。ミートポークみたいに聞こえちゃったのかしら?? その後魔女は箒に乗って、なんなら調子にも乗っちゃって

          ギャロップロップ♪ 演奏後記 雑談編⑦

          砂を目に・・・演奏後記 雑談編⑥

          眠りの精や14人の天使に見守られながら2人は眠りにつく。 この“眠りの精”、ドイツ語ではSandmännchen=砂の精。 子供達のまぶたに砂をかけて眠らせると言われている優しい妖精さん。 日本人的に目に砂をかけると言われたら、何となく“砂かけばばぁに目潰しを喰らう”イメージが強くなるから直訳されなかったのかしら?なんて余計なことも考えたり。 14人の天使が〜とヘンゼルとグレーテルが歌うのは“夕べの祈り”。この“祈りのモティーフ”が序曲の一番初めだったのね、と気づく方もい

          砂を目に・・・演奏後記 雑談編⑥