おえ

絵を描く仕事をしています。読んだ本とかの感想をおくだけです。

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最近の記事

#50 笹の舟で海をわたる/角田光代

これがずっとKindleの読み放題に加わってるのがほんとうに…!お金取って!(電子版買ったわい)最近レビュー増えててうれし〜。 大好き角田神、この話は「森に眠る魚」と並んでめちゃめちゃ衝撃だった。 二人の女性の物語。 銀座で声をかけられた佐織。名を風美子と名乗るそのひとは、戦時中に疎開先で世話になったからお礼をしたいと言う。 そこから、二人は生涯を共にする仲となり…。 ていう、一生を描くようなストーリー。 佐織視点で進むんだけど、この時代特有の価値観を持った彼女と、正反対

    • #49 パリでメシを食う。/川内有緒

      おもしろかったー! パリに暮らす日本人女性が、同じようにパリで暮らす日本人にインタビューして、まとめたもの。 アーティスト、写真家、花屋…職業は様々でも、流れ着いた先がパリだったその人々は、やっぱり何となく理由があるんです。 著者もその一人で、それがまた濃い笑 パリ!美しき花の都〜!というより、たまたまパリで、そこで働くこの人がこんなに魅力的だった。ていうスタンスで書いていてすごく読みやすくやすかった。 それぞれがふつうに悩んで、夢があって、恋をして、仕事をして。 そういう

      • #48 再婚生活 私のうつ闘病日記/山本文緒

        山本先生、ご冥福をお祈りします。 で、今までは物語の小説しか読んだことがなかったので、エッセイを。 この本は10年かけて鬱と戦った闘病日記。 鬱だったことを知らなかったからびっくり。 内容は思ったより全然明るい印象。 友人と遊んで、何となく仕事はやる気ない、、けどやって。美味しいもの食べて買い物行って。 旦那さんは優しく、1人になりたいと言えば叶えてくれる(もともと別居婚)。 なんだー、稼いだ人の新型鬱のはなし? て感じに読めちゃうけど、ちがう。 どことなく異常で、なん

        • #47 もぎりよ今夜も有難う/片桐はいり

          kindle幻冬舎フェアで読みました。 映画館の「もぎり」バイト経験、そこで出会った愉快な客・仲間。銀座文化劇場ー現シネスイッチ。当時の映画館の文化や銀座の雰囲気。 そして俳優になった今も「劇場愛」は高まるばかりで、全国行脚の際に「劇場」と聞けば居ても立っても居られないー。そんな映画・劇場への愛があふれる日常を、映画のタイトルをもじりつつ書き綴ったもの。 …いや文章うっっっま!? すっごい面白いし読みやすいし、オチがタイトルになっている映画にちなんだものになっていて、

        #50 笹の舟で海をわたる/角田光代

          #46 今日、カレーとシチューどっちがいい? つれづれノート(18) /銀色夏生

          最近、おお!好き!!と思う本に出会って、何周もして、その合間に夏生さんのエッセイもちょこちょこ読み進めているんだけど、 この巻、こわい!! 衝撃。 なんかもう読んでられない…と思ってレビュー見に行ったけど、やっぱりそうだよね…笑 子供も手がかからず(つっても地元に住む兄に任せっきり)、お金と時間を余らせて、次は、恋愛かも…と語っている50歳…。 怖い……。いや恋愛を楽しむのはいいんだけどさ。 明らかに対象が定まってる(虫くん)うえで話してるのが、怖い。 そしてそのオキ

          #46 今日、カレーとシチューどっちがいい? つれづれノート(18) /銀色夏生

          #45 幸福な食卓/瀬尾まいこ

          うーん…? と思ったら割と賛否分かれる話なのね〜。否まではいかないけど、特別響く話じゃなかったなぁ。 自殺未遂をした父、それを機に別居した母、天才児で自由人な兄、そしてわたし。すこし変わった家族だけど、あるきっかけで少しずつ形が変わっていく、、という。 なんでだろー。話の雰囲気も嫌いじゃないのになー。と考えてたんだけど、多分「人の死を転の部分に持ってくる」ていうのが、私があんまり好きじゃないんだろうなぁ。 でもその死をきっかけに、ハッピーエンドに向かわない感じが良かっ

          #45 幸福な食卓/瀬尾まいこ

          #44 NO.6/あさのあつこ

          中学生ぶりに再読。 …。 いやこれ中学生の性癖絶対捻じ曲げるやつだよねぇ! と大人になってから読むとしみじみ思う、熱い設定てんこ盛りのファンタジー。 徹底的に管理された環境で育つエリート主人公・紫苑と、そこに侵入してきた謎の美少年・ネズミ。その2人がこのディストピア・《NO.6》を脱出し、破壊するまでの物語ー。 いやもうディストピアものですよ。 そこから逃げ出す優等生とヤンキー(美少年)。何かあるに違いない。 逃亡中、お互いがお互いを見て成長したり、やきもきしたり、怖く

          #44 NO.6/あさのあつこ

          #43 滅びの前のシャングリラ/凪良ゆう

          これでたぶん凪良さんの一般向けは全部…読んだか!? タイトル通り。 世界滅亡を目の前に、ある家族とその大切な人たちによる物語。 キャラクターごとに紡がれるオムニバス形式。 世界が終わることに期限が決まっているのなら、ううむ。確かにこんな感じになるかも。法を守らなくてもいいのなら、欲望のままに動くのかな。人を殺してみたい。自分だけ助かりたい。でもこの家族たちは、理性がきちんとあって、家族の絆みたいなものを再確認していく感じ。 凪良さんらしいあったかい感じなんだけど、いつもあ

          #43 滅びの前のシャングリラ/凪良ゆう

          #42 マドンナ/奥田英朗

          社内のマドンナ、女性の周りにいる男性が主人公の短編集。 やっぱ面白いなぁ〜。 男性同士の結託とか、ちょっと後輩にときめいちゃったりとか。 バリキャリ同い年上司の「ボス」が好きだったな。 奥田さんは短編集のコミカルなやつ、読みやすくて好きだ〜。「家シリーズ」がいまのとこ1番笑える…。いや、やっぱり「伊良部シリーズ」かしらん。でも、読んでると暗い話の方が書きやすいんだろうなー頑張って絞り出してかいてんだろうなーと思う。だから尚更コミカルなの応援したくなる…という謎目線の気持ち。

          #42 マドンナ/奥田英朗

          #41 終わった人/内館牧子

          怖ァ!! 怖かったなぁ…この本…。 有名進学校→東大→メガバンとエリート街道を進んでいたはずが、出向、転籍、定年退職。 仕事が人生だった主人公は空白の時間を埋められず、迷走する日々。趣味でジジババと馴れ合うのは嫌だ。勉強でまた東大に入ろうか。若い女ともう一度恋をしようか…。その最中、ベンチャーIT企業の顧問にと声がかかって…。 ただただリアル、定年のおっさんのサクセスストーリーではなかった。それが良い。 仕事で輝いていた俺、そんなプライドを捨てられずうだうだする主人公の

          #41 終わった人/内館牧子

          #40 日曜日たち/吉田修一

          ある人の日曜日、を軸にしたオムニバス形式の小説。 この著者の文章、なんかすごく不思議だー。 温度がない感じがするんだけど、ちゃんと人間味があるというか…。男の人が書いた小説!て感じがするけど、ちょっと中性的というか…。 さまざまな人の日曜日、唯一の接点が「ある子供たちを知っている」ということ。 結局その子供たちに関しては側面からしか覗けないのだけど、色々想像しちゃう。面白かったです。

          #40 日曜日たち/吉田修一

          #39 カメラを止めるな!

          有名どころ見てないのかよシリーズ第二弾 おもしろかったー! 30分ノンストップワンカットのドラマ撮影、その裏側は…っていう。 ドラマの中で不自然な部分をあとからどんどん回収されていって、あ〜なるほどね!って笑っちゃうやつ! 映画が大好きなひとたちが楽しんで作ったのかなぁ、みたいな作り手の「遊び」の部分がたくさんあって雰囲気がすごく良かった。役者も作り手もみんないい意味で緊張感ない感じが見事だな〜。 キャラクターは漫画的というか、キャラ立たせまくりでフィクション要素が強いか

          #39 カメラを止めるな!

          #38 シン・ゴジラ

          やっと見た…面白かった…。 ゴジラシリーズ(?)を一作も見たことがないんだけど、実際東京に来たらこんな感じですわ、っていうシミレーションを見せられた感じだった。ぶっ飛んだ設定はなく、人はじゃんじゃん死に、知識とチームワークで乗り切る感じの…。 オタクが知識を総動員して大活躍するのは胸熱だったなぁ~…政治家や官僚の人はマジであんな感じで頭いいんだろうなと思った…口が回る回る。見ててきもちいー。 よくある世界めちゃめちゃ系で、誰かに焦点を当てて家族のドラマ~とか恋人との生き

          #38 シン・ゴジラ

          #37 高台家の人々/森本梢子

          映画も見たのでかく! これは原作が面白すぎて大好きな作品。 序盤からずーーーっと面白くて、最後まで一気に読めるやつ…なぜ6巻で終わったんだ…いや終わり方スッキリしてて大好きだけど! しょうもない妄想が癖になってる主人公・木絵。 そこに現れるテレパス持ちの超美形三兄弟長男・光正とのラブストーリー。 木絵の優しい(けどとんでもなくアホな)妄想が光正を惹きつけ、付き合うことになってからが物語本番。 兄弟の恋愛事情や主人公カップルが結婚に至るまでの苦悩、両親やおばあちゃんの話まで

          #37 高台家の人々/森本梢子

          #36 新聞記者

          キャア~すっごい良かった…。 主役二人、演技、上手すぎ、良すぎ…。 新聞記者の女性に送られてきた謎のリーク記事。その情報を洗うため奔走する一方、もう一人の主人公・内閣府の男性が真実を突き止めていって…。という。 いい。嘘のない誠実な「正義」の物語って感じで、ほんと~に良かった…。 このオチだと賛否両論だろうな~という。。私はすんごいすき…カタルシスのないオチ。(原作がノンフィクションのイチ記者のお話だからだと思うけど) 国vs国民(を代表するであろう新聞の記事)!で

          #36 新聞記者

          #35 ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦

          前回がおねショ…だったのでやっぱりこの本も推さないと…(?) ほっこりSF。この描写を文章でがーんと書けるのがすげ~ってなる(語彙力…) 少年の視点で進んでいくから、語り部の口調が超絶可愛くて悶絶する。ほんとうにほんとうに可愛い…死んじゃう…。小っちゃい子の敬語ってどうしてこんなに可愛いのでしょう。 そして出てくる不思議なお姉さん。不思議体験。おっぱいとはなんなのか…。地球には不思議がいっぱいだ。あのペンギンは一体?う~ん。隅から隅まで可愛い。最後はちょっとビターなのが

          #35 ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦