「決まらない」「進まない」がなくなる段取り力の価値
校外で活動しつつも、いい成績を取りたい。
仲間とプロジェクトを立ち上げて実績を作りたい。
まずは〜いい教材を探して〜集中しやすい椅子を買って〜お気に入りのカフェで勉強するのもいいかも〜。
ウキウキでこんな自分になったら…と妄想し、これをやったらよさそう、あれもやったらよさそうとあれこれ頭に浮かぶ。
でも、しばらくすると何も進んでいないことに気がつく。
仲間と何度も「会議」をしているのに、なんか何も決まらず、何も始まらない。手をつけていたことが「やっぱりいらない」ってことが何度も起こる。
何から手をつけていいのやらわからない。
話し合っても、決まらないし進まない。
計画しても続かない。
こういう事態ばかりだと、自分のことが嫌になっちゃいますよね。
僕自身、以前はそんなことばかりでした。
大事なのは「段取り力」なのですが、このスキル、学校ではちゃんとは教えてもらえないものなんですよね。
というわけで、今回は段取り力についてまとめる回になります。
<そもそも会議とは?>
「〜について話し合おう」と言って「会議」に招集され、話し始めてからもうかれこれ4時間…これいつ終わるんだ?
みたいなことがサークルや学生団体であるあるなことらしいのですが、話を詳しく聞いてみると、そもそもそれって会議と呼べるの?みたいな感じがあります。
丸山さんに伺ったところ、
とのことでした。なるほど。
進まない話し合いは、もしかすると「何かを前進させるためのもの」ではなく、「みんなの声を一応聞いておく場」とか「責任を分散させられる場」と捉えられているのかもしれませんね。
あるいは、「これやったら良さそう」「これ面白そう」みたいなことをみんながいっぱい口に出す時間になっているのかもしれません。
しかし、それは会議ではない。
では、もし本当にその話し合いが会議だったら、どんなことが話し合われるのでしょうか?
<どんなことが問われる場か?>
僕の感覚ですが、進む会議で問われることって、だいたい下のような感じです。これを繰り返すイメージ。
どうなりたいんだっけ?目的は?
いつまでに何ができていればよさそう?
他には?全部出た?
優先順位が高いのは?
何から手を付ける?
具体的に何ができそう?
それ本当にやる意味ありそう?
誰がやる?
目標達成できたことはどうやって測れそう?
いつまでにやる?
これらの質問を繰り返して、設定した時間内でこのことには合意できたねっていうのを残し、最後にはメンバーの宿題まで決めているというのが会議です。
ただ、上の質問だけだと心理的な負担が心配とかはあると思うので、
何か1ミリでも懸念していることはある?
考慮しないといけなさそうなことはありそう?
他には?全部出せた?
みたいなことも適宜聞いて、1つずつサクサク対処法を決めるのも大事なテクニックだと思います。
<何度も話を蒸し返していないか?>
話し合いはいっぱいしているのに実質的には何も進んでいない。
ということが起きる要因として考えられることの1つに、「何度も話を蒸し返していて実行に移せていない」があります。
会議は合意形成の場なのですが、合意したことにはそれなりに重みがあるという認識がないと、合意事項を何度も蒸し返して話し合いばかりしているみたいなことになる場合があります。
これについて、丸山さんのアドバイスは「頭を働かせるPhaseとただ実行するPhaseは分けろ」です。
えー、決めたら粛々とやれと言われても。
と思った方は、決断と判断を分けるという思考が必要かもしれません。
<「決断」と「判断」を区別する>
決めた時間の中でやることを決め、あとは淡々とやる。
そう言われても、短い時間で決めて失敗したらどうしようとか、もっとたくさん考えたり話し合ったりしたらより良くなるんじゃないかとか思うかもしれません。
この場合に考えなければいけないのは、「判断」と「決断」の区別です。
これはけんすうさんの話の受け売りで、この2つの違いは以下です。
例えば、サークルを辞めるかどうかを考えるとして、判断材料が足りてるかどうかとかは置いといて、「やめる!」とか「続ける!」と決めるのが決断です。
こういうのって、たとえどれだけデータを集めても自分が「何を大事にするか」でメリットデメリットが変わってきます。
なので、「何を大事にして優先順位をつけるか」をえいや!と決断しないとずーっと「あ、でもやっぱり」とか言って動かない状態が続いてしまう。
ちなみに、決断すべきことはたいてい1分で決めても1週間で決めても大した違いはないのでさっさと決めたほうがいいというのはよく言われます。
なかなか話が進まないときって、決断しないといけないところを判断しようとしている場合が多いです。
もし本当に判断が必要なら、
どんなデータを集めたら決められそうか?
それをいつまでにやるか?
を宿題にして実行フェーズに移してしまう方がいいでしょう。
<その決定は不可逆か?>
そうは言っても、やっぱりすぐに決断するのは怖いよー。
という人のために、もう1つ参考になりそうな話を紹介します。
Amazonを経営するジェフ・ベゾスさんが推奨する「 決断を2つに分けた上で、その結果が不可逆かどうかで決める」というものです。
彼によると決断には大きく2種類あります。
タイプ1の決断: 帰結的、不可逆的な、 一方通行のドアのようなもの。 ゆっくりとかつ慎重に慎重に協議して行う必要がある。
タイプ2の決断: 変更可能、元に戻すことが可能な、双方向に通行可能なドアのようなもの。 権限のある人や、少人数のグループで迅速に行うべき。
タイプ2の決断は、さっさと決めて実行して、実行しながら得られることから学習し進んでいくほうがよさそうです。
タイプ1の決断に関しては、
どういう事態が考えられるか?
どんな対策が打てるか?
最悪の事態は?
そうなったらどうするか?
みたいなことを列挙して準備を進めておくとよさそうです。
<最後に>
ここまでの話で、段取り力の大きいポイントは押さえられたのではないかと思います。
会議の際の発言の仕方とか、心理的安全性をどう作るかとか、細かい点を網羅しようとするとまだまだ学びはありそうですが、それについてはいずれまた。
ちなみに、会議の際の発言の仕方については、久高がライターとして上場企業の役員さんを取材して書いたものがあるので、ぜひ下の記事を読んでみてください。
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