くりかえす、おわりとはじまり(23/100日)
客が2人も入れば、ぎゅうぎゅうになってしまう店内。照明はどことなく薄暗く、店員はおじいさん1人。いつも店の奥の椅子に腰かけてぼんやりしていて、客が来たときだけ立ち上がる。
わたしが初めて近視用の眼鏡を買ってもらったのは、小学2年生のときだった。学校の視力検査で視力の低下が発覚し、眼鏡を買うように、と言われた。当時は両親だけでなく、祖父母も一緒に住んでいた。「眼鏡を買うなら」と、祖父が連れて行ってくれたのが、駅前商店街の一角にひっそりとたたずむ、古ぼけた眼鏡屋。店頭に大きな看