取材ライターは、AIに勝てるのか(25/100日)
ChatGPTが登場してからというもの、ライター界隈はその話題でざわつきっぱなしだ。「ライターの仕事がなくなる」なんて話も聞かれるし、実際にすでに影響が出ているとか、AIに書かせたであろう原稿が納品されているとか、とにかくいろいろ。
わたし自身は、今のところ何の影響も感じていない。もともと取材ありきのライティング仕事が多いこと、活動フィールドが地方であること、などが大きいのではないかと考えている。
正直、「情報をまとめる記事」については、きっとAIの方が得意だろう。今は精度的な問題があるとしても、いずれは、と思わないこともない。
しかし、取材をして、インタビュイーから一次情報を得て、書く。これはAIにはできなかろうと、そう踏んでいた。
……のだけれど。この記事を読んで、ちょっとだけ、ムムッと思った。
簡単に内容を紹介すると、「AIに複数のライターになりきってもらって、それぞれの悩みを話し合ってもらい、それを座談会風記事にまとめた」もの。ライター歴1年目の初心者、5年目の中堅、20年目のベテランの、3人が登場する。これがまた、すごくそれっぽい悩みをそれっぽく語り合っているのだ。
ちょうど中堅ライターのあたりに位置するわたし。抱えている課題感も、非常に共感できる内容だ。思わず、最後まで一気読みしてしまった。
マジか。10分? さすがAI。テクノロジーの極み。速さでは、人間はとてもAIには太刀打ちできない。ここは完敗。
いやいやでも、肝心の内容は? どれだけ速く書けたって、中身がスカスカだったらダメなんだからねっ!
ふーむ、なるほど。たしかにそうかもしれない。「これをAIが書いた」という前提で読み進めたので、さほど気にならなかったが、「これが人間の言葉」だと考えると、やや不自然さはあると言える。要は、滲み出る人間臭さみたいなものが、ないのだ。
まあ彼らはAIだし、人間臭さをドバドバに垂れ流していたらむしろ怖い。だからそれでいいんですよ。逆を言えば、そういった「人間味」を大切に扱い取材することで、今しばらくはAIに負けないライターとして、生き残っていけそうだ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?