「向いていない」はちくちく言葉(21/100日)
「○○について、私は向いていないと思います。…いや、向いていないというか、難しく感じています」
と、いう話を聞いた。ははあ、そこ言い換えるんだ。それ、イイネ! と、思った。
「ちくちく言葉」とは、我が家の子ども達が学校から仕入れてきたらしい言葉。要は、相手を悲しませたり怒らせたりする、嫌な言葉のことだ。ちくちく言葉を言われた人は傷つき、またそこから派生する悪循環によって、言った側も傷つく可能性がある。
向いていない、と断言してしまうこと。これは、一種のちくちく言葉なんじゃないか。
「あなたそれ、向いてないと思うよ」なんて、言う機会はなかなかない。言われた本人は少なからずショックを受けるだろうと、容易に想像がつくからだ。しかし人はこれを、対・自分にはけっこうあっさり言ってしまう。
自分で自分にちくちく言葉をぶん投げておいて、そのくせ勝手に落ち込む。なんだか、不毛だ。とても。
そこで冒頭の、言い換えの話に戻る。向いていない、じゃなくて難しい。この2つの言葉って、ニュアンスからしてもう、全然違う。「向いていない」はバッサリ。もうダメ、望みなし。って切られている感じ。
では、「難しい」は? 今はそこには届かないけれど、努力次第でなんとかなるっしょ。という、未来への希望と、そっと背中を押してくれる優しさを感じないだろうか。
わたしはよく、自分に対して「向いていない」を使いがちだ。つまり、自分で自分をちくちく突っついていたわけ。これね、地味に、痛い。
子ども達は、人に対してちくちく言葉を使わないように、と教わっている。けれど、それと同じように自分に対しても使わないようにしたほうがいい。自分で自分をいじめて、良いことなんてひとつもない。
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