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例え悪意がなかったとしても

昨日、夫の実家でBBQをした。メンバーは、私たち夫婦、夫の実家の家族、夫の弟、その弟の奥さんとご両親。義理の妹のご両親に至っては、会うのは2回目だっただろうか。

弟夫婦とは言っても、私と夫の歳がかなり離れているため、2人とも私より歳上だ。2人の間には、2歳の子どもが1人。夫の両親、義理の妹のご両親共に、その子が初孫で、本当に可愛がっているのがよく分かる。それはもう、目に入れても痛くないと言う程に。

かなりお酒が回ったのか、気分が良くなった義理の妹のお父さんから、何度も「お兄さんのところの子どもはまだか!?」との質問があった。そこに悪意はなく、ただ自分の孫が可愛いから子どもはいいよとお勧めするような、期待を込めたような聞き方ではあったけれど。夫が「まあ、そのうちですね」と笑って誤魔化してくれていたけれど、次第に私にも聞いてくるようになった。私も笑って誤魔化すしかなかった。悪意がないのが分かっていたから。

私たち夫婦は結婚して3年になるけれど、自分達の意思で、妊活を始めたのはつい最近だ。それでも、「子どもはまだか」と聞かれることに抵抗がある。もしも、妊活を初めてしばらく経っていたり、不妊治療をしている身であれば、かなり負担になる言葉であることは容易に想像がつく。

私達と親世代とでは、事情がかなり異なる。女性も大学に行って仕事をして、やりたいことを自由に出来るようになったし、結婚しなければ生きていけない訳でもない。結婚しても共働きで忙しくてなかなかタイミングが取れなかったり、男女共にストレスや生活習慣によって出来にくい場合もある。同じ世代ではかなり浸透しているように感じるし、会社ではハラスメントになるということが教育されており子どもについて聞かれることはほぼない。もしかしたら事情があるのかもしれないという可能性さえ知っていれば、無闇に他人を傷付けずに済むのだ。


義理の妹のお父さんも、普段会社等では気を付けているのかもしれない。今回はお酒の席で、親族だからと気が抜けていたのかもしれない。その人の持つ常識や当たり前を変えるのは難しいことで、私はその場ではこの想いを上手く伝えることが出来なかった。出来なかったからこそ、noteの力を借りて少しでも多くの人の目に止まればいいと思って、この記事を書いている。

悪意がなくとも傷付く人がいるということを、その事情を、1人でも多くの人に知ってもらえますように。

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