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お念仏と読書

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これまで読んで感銘を受けた本を紹介して、それを通して味わった仏様のお話をしていこうと思います。
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#絵本

お念仏と読書⑯プラス思考の向こう『あしたのねこ』/きむらゆういち文・エムナマエ絵

お念仏と読書⑯プラス思考の向こう『あしたのねこ』/きむらゆういち文・エムナマエ絵

今回は私が一番好きな絵本『あしたのねこ』をとおして、私たちの「プラス思考」や「解釈」はこの世を渡っていくのに最強だが、そこにも限界があるということ、そしてその解決について書いてみたいと思います。

いつものように、ネタバレ注意ですが、宜しければお読みくださいませ。

『あらしのよるに』のきむらゆういちさんが文を書かれ、完全に失明をされているエム・ナマエさんが絵を描かれています。
エムさんの淡いタッ

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お念仏と読書⑬『でんでんむしのかなしみ』殻を背負う私と、私を背負うナモアミダブツ

お念仏と読書⑬『でんでんむしのかなしみ』殻を背負う私と、私を背負うナモアミダブツ

新美南吉さん作『でんでんむしのかなしみ』という絵本があります。

この絵本を通して、私たちの抱える苦しみの根源について味わいました。
また、そこに「そのまま背負う」とはたらくアミダ仏のおすくいを書かせていただきます。

あらすじ一匹のでんでんむしがいました。でんでんむしはある日、自分の悲しみの原因が何によってであるか気づくのです。

「ああ、自分の背中には殻がある。その殻の中には、悲しみがいっぱい

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お念仏と読書#1「大丈夫」

お念仏と読書#1「大丈夫」

コロナウィルスの問題で、今現在(2020年3月現在)お寺の法要、法話会など残念ながら自粛している状況です。法話会が休座になると、法話をする機会が失われます。
しかし、一軒ずつしているお彼岸のお参りや日々のご法事などでは、法話をしたり、法話の文章を配ったりしている。今だからこそともに聞いていきたい仏様の「安心」があります。
第一回の投稿として、この春彼岸にお参りする時に配る法話を載せます。

『大丈

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お念仏と読書#2「ギブ アンド ギブ」

お念仏と読書#2「ギブ アンド ギブ」

浄土真宗では、仏さまや、仏教についてのお話のことを法話と言い、それを聞くことを「聴聞」と言います。この聴聞をとても大切にしています。
なので、ご法事やお通夜でお経のお勤めの後に必ずと言っていいほど法話があるのです。お経に説かれている内容を、一緒に聞かせていただく時間と場所を大事にして、今まで仏さまのおこころは伝わってきました。

今回は、仏さまのおこころについて、シェル・シルヴァンスタイン作、村上

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お念仏と読書#6「名前のすくい」

お念仏と読書#6「名前のすくい」

本屋さんで見つけて即買ってしまった絵本があります。竹下文子さん文 町田尚子さん絵『なまえのないねこ』です。
今回はこの絵本を読んで、浄土真宗における「名前のすくい」ということについて味わっていきたいと思います。宜しければお聴聞ください。

まずこの猫の瞳に引き込まれました。私はそもそも猫アレルギーだし、猫がそんなに好きというわけでもないのですが、猫好きな人にとってこの本は堪らないと思います。

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