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ステロイド減量7回目(プレドニン8mg→7mg)
2021年6月25日。
採血を終えた私は、朝食用に購入したパンをほおばりながら窓から空を眺めていた。血液検査の結果がわかるまでの1時間程度。この無駄な時間がすごく久しぶりでほっとするくらい、ここ最近の私は追い詰められる日々が続いていた。
「病気のこと、周りはすぐ忘れちゃうから注意してね。」
復職を決めたころ、誰かにそう言われた。
無理をしないで働こう。そう思って復職した。
それなのに。
押し寄せる業務、断り切れない自分。どうにか乗り越えようと具合の悪さを押し殺してもがく姿は、周りどころか自分でさえも病気のことを忘れてしまいそうなくらいだった。
それに加え、家族の体調不良も重なり、その世話も上乗せされたここ2か月は、大好きな音楽を聴くゆとりさえもなくしていた。
心も体も体感的には絶不調。
腹痛で目が覚め、潰瘍性大挑戦の再燃も懸念された日々。心配になり、とはいえ病院の予約電話をかける時間もなかったことから、先日(予約なしで外来可能な)伊藤病院に予定よりも早く通院した。
ヨウ化カリウム丸の副作用による喉の腫れがひどくなっていないかを調べるためのエコー検査に加え、採血もしてくれるので、ある程度病状がわかるかなと思って。そしてそこで、腫れも、採血数値も懸念する事項がはなかったことは、こんな状態でも、血液的には大丈夫なことを証明していた。
そんなものなのだろうか。
どうしたら元気がでてくるんだろう。
普通の生活が送れるんだろう。
ゆとりがほしい。
心と頭が叫ぶ中、今食べているパンの柔らかさとほんのりとした甘さに、私の心はふんわりと包まれていった。
そしてほのかに残るパンのやさしさを口に含ませ、診察室の前に移動し、名前が呼ばれるのを待った。
何だが今日はいつもと雰囲気が違う。そう思った。
若い元気そうな、半ズボンのサーファー風の人が多い印象を持った。どう見ても病気に見えない、そんな方々も何かと闘っているのかと思うと、私も病気と闘っているなんてみんな忘れちまってるんだろうと思った。
採血の結果がでると私の名前が呼ばれた。
白血球数: 5.7
赤血球数: 4.63
ヘモグロビン: 13.4
ヘマトクリット: 41.1
MCV: 88.8
MCH: 19
MCHC: 32.6
血小板数: 244
PT: 97
PT-INR: 1.02
APTT: 29.7
APTT-Cont.: 29.7
フィブリノゲン定量: 186 L
総蛋白: 6.5 L
アルブミン: 4.1
総ビリルビン: 1.5
直接ビリルビン: 0.1
AST: 16
ALT: 13
乳酸脱水素酵素: 122 L
アルカリフォスファターゼ: 38
γ-GTP: 16
コリンエステラーゼ: 203
中性脂肪: 84
グルコース: 97
CRP: <0.03
アンモニア: <17
IgA: 104
IgG: 996
IgM: 149
ALBIスコア: -2.56
ABI grade: 2a
検査結果は案の定良好。
減薬が決まる。
プレドニンが8mg/日→7mg/日となった。
(前回の処方の残りを踏まえ、正確には6月30日から7mg。)
1日のプレドニン服用量
25mg*7日 → 20mg*10日 → 17.5mg*28日 → 15mg*59日 → 12.5mg*77日 → 10.0mg*77日 → 8.0mg*91日 → 7.0mg*…
ステロイド(プレドニン)との付き合いも間もなく1年となる。そして順調な回復傾向。体は治っても、私は治っているのだろうか。
やっぱり過去が頭を巡る。
元気出せ自分。そう言い聞かせてみる。
初めての特定医療費(指定難病)受給者証の更新書類を依頼し、私は病院を後にした。
いろんなことを何かのせいにして押し付けちまいたい。
そんな考えがよぎる私の頭の上は、夏がきたことを感じさせるような強い日が差していた。
そうだ、夏のせいにしよう。
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