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人生の片手間に〜エッセイガッサイ⑮ 朝のモーニングルーティーン

「ブゥー、ブゥー」

スマホのアラームの振動が共鳴して、テーブル全体が鳴り響く。

試行錯誤の末これが一番『うるさい』のだ。

敢えてスマホは隣の部屋のテーブルに置いている。

何故なら、枕元に置いておくと無意識にもう一人の眠たい自分が止めているからだ。

私は鉛のように重たい身体を一旦起こしてリビングで鳴り響くアラームを止めた。

そして再び、まだ温もりが残るオアシスへと戻った。


(あと5分だけ・・・)

スヌーズ機能で5分後にセットをした。


「ブゥー、ブゥー」

朝の5分はあっというものだ

(もう5分だけ・・・次アラームが鳴った合図で身体を起こすゾ)


「ブゥー、ブゥー」


(もう5分経ったのか・・・次のアラームで絶対に起きて見せる)

約束は簡単に破られる

「ブゥー、ブゥー」


起きて歯磨きしてヒゲを剃り顔を洗う。

都合のいい「時間の引き算」をした結果、また眠りにつく。

「ブゥー、ブゥー」
(ぐー、ぐー)

「ブゥー、ブゥー」
(ぐー、ぐー)

「ブゥー、ブゥー」
(ぐー、ぐー・・・)


気が付くと隣のリビングからは、朝の占いコーナーが聞こえる。

私は飛び起きた。

(今日も闘いに負けたのか・・・)


これが数十年続く、朝のモーニングルーティーンだ。


ご一読ありがとうございます。











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