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心の声だけを頼りに自分の人生を歩いてはいけない訳は

カウンセリングの中では、「自分の本当の気持ち」に気づくことを大切にしています。

「心の声」というものでしょうか。

他者の顔色ばかりを見てきた人や、他者からの承認で自分の価値を確認していた人には、他者から自分に軸を変えるため、自分の本当の気持ちに気づくことが必要なのです。

ただ、本来ならここからがスタートなわけですが、自分の本当の気持ちに気づいたときがゴールになってしまう人がいます。

「やりたくないことはやらなくてもいい」

もしそういう心の声が聞こえたなら、「私は私を出してもいいんだ」と目の前が広がった開放感に包まれ、極端に我が道を突き進む人がいます。

しかし私たちは、現実世界を生きていかなければなりません。

ましてや、世の中の流れが非常に早くなり、あらゆる情報に埋もれてしまっている時代です。

もし心の声だけを頼りにしてしまっては、とても危険なときがあります。

どうしても現実と離れたところがあり、同じような価値観だけを持っている人との世界で生きてしまいます。
とても閉鎖的な世界だけで生きていくことになります。

「やりたくないことでも、やらなければいけないこともある」

自分の本当の気持ちに気づくことはとても大切です。

でも、それだけでは片手落ちになります。

では何が必要かというと、
自分を中心として、現状を客観的に俯瞰して見る力、観察する力です。

ところが自分の本当の気持ちをつかむとき、意識が過去から離れなくなってしまうことがあります。

私たちは、今まで過去から学ぶという教育を受けてきました。

とりあえずやってみて、ダメだったら計画を練り直すというものもそうです。

何か失敗すると、何が悪かったのを考え、反省して、次にどうすればいいのか対策を立てます。

失敗した自分を受け入れるという、とてつもなく辛い作業ですね。

だから、「あのとき、あーすればよかった」とか、「もう二度と失敗したくない」とか、失敗した人を見て、「自分はあーはなりたくない」からの「責任はとりたくないから自分では決めない」となりがちです。

これは過去を見て、未来を考える対策です。

ただこれは、今の時代にはあまりあっていないと思います。

なぜなら、あまりにも時代の流れが早すぎて、過去から学べることがとても古くさくなっているからです。

だって、昭和で通用したことが今通用するかって言うと、???ですからね。

「やりたいことでも、やれないときがある」

変化が激しい今の時代、一番必要なのは、客観的な現状観察になります。

過去では通用していた価値観、正しいとされたことでも、あっという間に今は変化していきます。

たとえば、何か失敗した自分がいたとしても、反省に重きを置くのではなく、今の自分の現状がどうなっているかを色眼鏡なしに観察します。

次に、自分の気持ちは気持ちとして置いといて、どうしようもない現状からどうするかを感じ取る動物的感性が必要になってきます。

よくいう、「ピーンときた!」と表現されたりしますよね。

もちろん論理的思考で考えてもいいのですが、それでは正論に走りがちになります。
だから最後は自分の感性が頼りになってきます。

そして、動くというサイクルで進みます。

今の自分の現状にあった「正しい方向と正しいやり方」を見つけなければ、どんなに努力しても報われません。

気持ちも感性も本能的な部分ですから、本来なら自分自身のことですので、簡単につかめるように思われます。

ただそれを難しくさせているものが、色眼鏡なしの現状観察です。

人は、どうしても自分に有利な方向に見てしまうことがあります。

欲求とか期待とかありますからね。

反対に過去の経験から、なんでもネガティブに見てしまうこともあります。

これからは、客観的にいろんな角度から見るという練習が必要になってきます。

今後ますます、自分のメンタルを健康に保つことが難しい時代になってくる気がします。

反省から過去にとらわれる時間を少なくし、情報過多によって未来を過剰に不安になる時間を少なくする自分なりの工夫が必要です。

判断する材料は、今(現在)にあります。

感情も大事です。

でもそれと同時に、感情に支配されない現状を観察する力が大事になってきます。

だから、

「やりたくないことはやらなくていい」

だけでなく、

「やりたくないけど、やならければならないこと」と、

「やりたいけど、やれないときがある」ことを、

見極める力がこれから必要になってくると思います。


煮詰まったとき、カウンセリングを受けてみることをおすすめします。対面カウンセリングが無理な方には、電話、オンラインもやっています。どんどん気軽にご利用くださいね。

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