変化を乗りこなす
Oleaは、生活スキルと社会性をまなぶ教室として、食事を中心としたくらしの流れの中で、コミュニケーションやスキルを育んでいます。
が、衣食住のことだけをするのではなく、衣食住に関するスキルの支えとなる、ことばやかず、手指の使い方を学ぶ時間があります。
パズルってこういうものでしょ?
物事や方法を始めて覚えるとき、まずは模倣、マネて覚えます。その場合、ルーティン化、つまり一塊にした型を作って覚えることが、効率的で失敗も少ないやり方かと思います。
Oleaに通うお子さんたちも、そういう機会に触れることが多く、中には、一回経験しただけで、その流れをルーティン化して記憶し、「次は…〇〇、次は…■■…でしょ」と、パートナーと流れをつくっていけるお子さんもいます。
そのようなお子さんに、このようなパズルに挑戦してもらいました。
木製パズル「はらぺこあおむし」
株式会社コンセルさんの商品紹介リンクです。
このパズル、なかなか難しいんです。何が難しいかというと、縦と横のピースがあるということ。絵をよく見て、切片を合わせていく必要があるのです。
ルーティン化が得意な先ほどのお子さんは、ジグソーパズルは得意でスッスッスッと組み立てていくのですが、このパズルはなかなか難しかったようで、イライライラ…ピースにでっこみひっこみがないので、そのお子さんにとっては手がかりが少なく感じているのでしょう。
「1つのパズルの中でピースの向きに縦と横がそれぞれある」なんて、初めての経験!?こっちかな?あっちかな?と試行錯誤の末、コツをつかんで完成すると、「できた~」と満足気にニッコリ!
変化を楽しめるようになる
このパズルは、しっかりと絵柄を見て、切片をぴったり合わせていくことが必要です。
その中で
「あれ、ピースの向きが違うけど…どうしたらいいかなぁ…」
という気づきから、どうするかが問われます。
絵柄を気にせず、ピースを外枠の中に収めることが目的となってしまうお子さんもいますが、「絵を見てみよう」というと、「えっ…」と困惑顔。これは、意図の食い違い…お子さんのゴールは、木片をきっちり枠に収めること。パズルのゴールは、絵柄を合わせること。(ここで、パートナーの疑問。このお子さんがジグソーパズルが得意なのは、絵柄を完成することでの達成感よりも、形を合わせる気持ちよさなのかな…?)
パズルのゴールに寄せるために、「ヒントだよ」と言って、一か所だけ、縦と横で組み合わせる箇所を作り上げ、
「絵柄を合わせて、外枠の中に収めることが完成形であること。」
を確認して、続きにトライ。そして、「ヒントは絵柄にあり」ということを指さしや言葉かけで視線を誘導しながら、完成させました。
その後も時間をおいて、何度かチャレンジしていますが、このパズルを通して、「集中して見る」ことや「変化を楽しめる」(パズルにもこんなやり方があるんだ!)ことができていったらいいなぁ、と思いました。
くらしは変化の連続
私たちのくらしは、過去と同じ事や時があり、型にはまった動作を繰り返すことで安定しますが、時に環境の変化があって、それに合わせたカスタマイズをして過ごすこともまぁまぁあると思います。
わかりやすい例としては、旅行なんかがそうですよね。旅先でもごはんも食べるし、お風呂にも入る。でも、いつもと違ってすごい品数の食事だったり、温泉でぽかぽかになったり。これが楽しみなんですよね。遠くに行かなくても、買い物に行く日行かない日、外食する日、主菜が肉の日魚の日などなど、ご家庭でも日々変化はあるのではないかと思います。
Oleaでのくらしの流れも、プログラムの順番をあえて変えてみるなどのちょっとした変化をつけることで、お子さんたち自ら、自分の知見をカスタマイズしながら、過ごせるようにし、自分のくらしを組み立てる練習をしています。
感情をコントロールしながらやり遂げる力を育みます
自分の知見だけでどうにもならない時にどうするか…
知見を増やすことも必要ですし、誰かを頼ることも必要ですし、知見を組み合わせることも必要です。
変化に対し、癇癪を起こしたり、黙って放置したりせず、誰かと一緒に解決してもいいので、楽しみながらまっすぐに取り組む。
Oleaのくらしの中で、子どもたちが「今日はそっちね!」なんてつぶやきながら、目の前のことやその次にやってくることを考えながら取り組んでいく…
そんな姿を育んでいけたらと思います。
お読みいただき、ありがとうございます!もしよろしければ、Twitter等でのシェアをお願いいたします。これからも子どもたちとのくらしの様子をお届けします!お楽しみに!!