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【定期】人生を健康に生き抜くために押さえておきたい最新データ10選【前編】

「健康」関連で面白かった最近のデータを10個ほどまとめておきませう。

幸福感を高めれば健康レベルも向上する?説

幸せな人はそうでない人よりも健康レベルが高い!ってのはよく聞くところですが、因果関係を調べるのはそう簡単ではないところ。幸福感が高いと運動をしたり野菜を多く食べたりするモチベーションが高まるのか、血圧やBMIが低いことが心理的にポジティブな影響を及ぼすのか、みたいな話ですね。

で、最近読んだデータ(R)では、「みんなの幸福度を操作して健康と幸福度の関係を探ってみたよ!」みたいな内容になってて面白かったです。

これがどんな実験だったかといいますと、

  1. 155人の成人を集める

  2. 参加者のうち半数だけにマインドフルネス瞑想、感謝、よりよい社会的関係の構築など、幸福度の構築に役立つと考えられている様々なテクニックを伝える(残りの半数はwait-listコントロールとする)

  3. 12週間後および6か月後に、全員の幸福感と健康レベルをチェックする

みたいになってます。

すると3か月後/ プログラム終了時にはコントロール群とは対照的に介入群では大幅に主観的な幸福度の向上が確認されてまして、「健康」との関係では以下のようなことがわかりました。

  • プログラム終了時には介入群の参加者の方がより健康であると感じていて、体調の不調の報告も少なかった。また、プログラムが進むにつれて健康感が増していく傾向も見られた

  • ただし、幸福度アップのための介入は客観的な健康指標には影響を与えていなかった。つまり、両グループで血圧とBMIには差が見られなかった

だったそうです。(少なくとも6か月という期間では、)幸福度を高める介入によって健康感がブーストしたってわけですね。

まあ「もうちょい長期的にみれば生理学的な指標にも違いがみられるのか?」とか「幸福感を高めれば健康によい行動のモチベーションにつながるのか?」とか気になるところは多いですけど、主観的な若さが長寿と関連する!なんてデータも多いんで、肉体的な健康のためには精神的な健康にも気を付けておくといいのかもしれませんな。


砂糖や人工甘味料入りのコーヒーと早死にリスク

「コーヒーが健康にいい!」ってのは耳タコでしょうが、砂糖や人工甘味料を入れることによる影響はまだ謎が多いところ。そもそも無糖のコーヒーと区別してない研究も多いですからね。

👇(参考:コーヒーのメリットをずらずらまとめたエントリ)

といったところで、新たなデータ(R)では心臓病やがんの既往のない171,000人以上を対象に、砂糖入り、人工甘味料入り、無糖コーヒーの消費と7年間の全死因/ 原因別死亡リスクとの関連を評価してくれていて参考になりました。

早速その結果を確認してみると、

  • 無糖のコーヒー摂取はその量に関係なく、コーヒーを全く飲まない人に比べて死亡リスクが16~21%低かった

  • また、砂糖入りコーヒーを1日1.5~3.5杯飲む人はコーヒーを全く飲まない人に比べて総死亡リスクが29~31%低かった

  • 人工甘味料入りコーヒーとの関係はばらつきが大きくてよくわからなかった

だったそう。このデータを見る限り、「コーヒーなんて苦く飲めん!」って人は砂糖を入れてでもコーヒーを摂取しといたほうがメリットの方が上回るのかもしれないわけですね。

ちなみに、本研究では「砂糖入りコーヒー」はコーヒー1杯あたり小さじ1杯程度の砂糖を入れたものとされてまして、当然ながら無制限に砂糖を加えるのはお勧めできませんのでそこらへんはご注意くださいませー。


身長が高い人でリスクが高い病気、身長が低い人でリスクが高い病気

身長と健康の関連はよく耳にする話。「低身長の方が長生きするんや!」みたいなやつですね。しかし身長自体が直接のリスク因子になっているのか、副次的な関連に過ぎないのかははっきりしないところ。

そこで新たな研究(R)では、25万人以上の遺伝子プロファイルをふくむ過去最大規模なデータセットを用いて、潜在的な交絡因子を排除し、低身長・高身長が直接影響する疾患を特定してくれておりました。

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