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「サイバーボッチャを広めたい」大熊町にやってきた、2人の大学生【おもせ〜ひと vol.4】

福島県大熊町の”おもせ〜ひと”(=面白い人)を数珠つなぎ形式でご紹介するインタビュー企画「おおくままちの”おもせ〜ひと”」。

4人目に紹介するのおもせ~ひとは、大熊町で学生インターンとしてサイバーボッチャの普及活動を行なっている、鈴木亮太さんと天野友貴さんです。

鈴木亮太さん

鈴木亮太さん
岩手県出身。福島大学経済経営学部に在籍し、金融について勉強中。小学校3年生の時に震災を体験し、復興に強い思いを持っています。インターン以前から、大学のプロジェクトで大熊町の営農再開に携わっていましたが、もっと大熊に深く関わりたいと思い、1ヶ月のインターンに参加されたそうです。

天野友貴さん

天野友貴さん
静岡県出身。静岡産業大学経営学部に在籍し、金融やデザインを勉強中し。聴覚障がいがあり、幼いころから障がい者スポーツは身近な存在でした。その経験が、ボッチャを広めたいという思いに繋がり、今回のインターンに参加されたそうです。

2人は、大学の夏休みを利用して1か月間大熊町に来ています。
震災を経験し、福島の復興に協力したい鈴木さん。
自身も障がいがあり、スポーツを通じて障がい格差をなくしたい天野さん。
2人はなぜ大熊町に来たのか、なぜ「サイバーボッチャ」なのか、この町でどんなおもせ~ことをしていくのか、話を聞きました。


ーまずは、簡単に自己紹介をお願いします。

鈴木:株式会社ウィルアークでサイバーボッチャを広めるインターンをしています。福島大学3年の鈴木亮太です。所属は経済経営学部で、専門は金融です。企業分析や会社の利益率の勉強をしています。

天野:同じくサイバーボッチャのプロジェクトをしています。静岡産業大学2年の天野友貴です。僕も経営学部で利益や金融の勉強をしています。

初心者でも楽しめるサイバーボッチャの魅力

ー2人は今、どのような活動をしていますか?

鈴木:9月17日のイベント開催に向けて準備をしています。ふらっとクマプレというイベントで、キッチンカーやビアガーデンも出店します。ここで、サイバーボッチャをたくさんの人に体験してもらうのが今回のプロジェクトの目的です。

ーそもそもサイバーボッチャとはどんなものですか?

天野:ボッチャという、パラリンピック競技に採用されている障がい者スポーツがあります。これの進化版がサイバーボッチャです。
競技説明と審判をコンピュータがやってくれるので、ルールが分からない人でも気軽に楽しめるのが強みです。

クマプレに設置されているサイバーボッチャをプレイする二人

ープロジェクトの目標はありますか?

鈴木:9月17日のイベントで300人にボッチャを体験してもらうことが目標です。それに向けて、今はSNSで告知をしたり、体験会を開いたりしてボッチャを知ってもらう活動をしています。

9月3日には大熊町の夏祭りで、ボッチャの体験ブースを出展しました。目標である50人を大きく上回る100人に来ていただけたので、とても手ごたえを感じています。

夏祭りに出展した野外ボッチャコート

⏬体験会の様子が分かるレポート記事がこちら⏬

自分から動かないと何も始まらない

ー鈴木さんはどうしてこのインターンに参加したのですか?

鈴木:大学で、有志が集まって大熊町の営農再開を考えるという活動があり、そこで大熊町のキウイ栽培に協力していました。でも活動のほとんどは大学の中で、大熊に来たのは2回ほど。もっと大熊に来て何かをしたいと思ってこのプロジェクトに参加しました。

ー実際に大熊でインターンをしていていかがですか?

鈴木:いろんな人と出会えることが新鮮で楽しいです。
大学にいると、自分の周りの人達だけで完結してしまうので、交流が広がらない。けれど、実際に町に来てみると、たくさんの人と関わりを持てるので、視野が広がりました。

あと、大学みたいに誰かから課題が与えられるわけではないので、自分から動かないと何も始まらない。メールや電話を使って自分からアポイントを取っていかないと始まらないので、主体性が求められます。
メキメキとスキルが上がっていく感じがしていて、いい経験ができていると感じています。

障がい者スポーツでできた初めての仲間

ー天野さんはどうしてこのインターンに参加したのですか?

天野:僕は聴覚障がいがあって、そのせいで小さいころからいじめに遭っていました。そんな時、家族に連れられ、地元のニュースポーツの体験会に参加したんですが、その時に初めて楽しく会話できる仲間ができて、それがとてもうれしかったんです
その経験からパラスポーツを通じて障がい格差をなくしていきたいと思うようになり、このインターンに参加しました。

ーインターン前にボッチャをプレイしたことはありましたか?

天野:ペタンクという、ボッチャに似たスポーツはやってましたが、ボッチャはこっちに来て初めてですね。

ー実際にボッチャをプレイしてみてどうでしたか?

天野:はじめは難しいスポーツだなと感じていたんですけど、何回かやっていくとボールの投げ方が分かってきました。上手くなるとゲームも面白くなってくるのでどんどんハマっていきますね。

イベントに向けて二人の腕前もかなり上がりました

「何気ないことが楽しいです」

ーインターンをしていて、どんな時が楽しいですか?

鈴木:何かに熱中しているときが楽しいです。趣味以外で熱中して取り組むことはなかなかないので、目標を持ってプロジェクトを動かしていく感じがすごくいいです。

天野:僕は新しい発見がある時が楽しいです。
東北には来るのも初めてで、田舎町の風景がとても新鮮ですね。空や風景がきれいだとか、駅に誰もいないだとか、何気ないことですが楽しいです。

ー二人の目には大熊町はどんな町に映っていますか?

天野:僕はまだ大熊町に来たばかりで、分からないことも多いんですが、震災前は家が多くて町並みとしては栄えてたのかなと思います。今は避難指示が解除されたばかりでほとんど人が住んでない状態ですが、これからどのように発展していくのか楽しみです。

鈴木:僕は色んな人が頑張ってる町だなと思ってますね。
linkる大熊(町の交流施設)に行くと色んな人がワークショップや講演会をやっているのを見かけます。僕たち以外にも学生の団体がいたり、色んな人がこの町のために活動してるんだなって感じていて、自分もその一部になれればと思います。

ー最後に、これを読んでいる方に伝えたいことがあればお願いします。

鈴木:サイバーボッチャをやりに来てください。ボッチャはどこでもできますが、サイバーボッチャは設置しているところが少ないので、ぜひクマプレにお越しいただいて、プレイしてもらいたいです。

天野:僕たちのプロジェクトの目標が9月17日のイベントで300人の人にサイバーボッチャをプレイしてもらうことなので、イベントに来てもらいたいです。当日はクマプレでお待ちしているので、ぜひ遊びに来てください!


編集後記

大熊のインターンには2つのプロジェクトがあります。
1つは今皆さんがご覧のnoteで情報発信をするプロジェクト
もう1つが今回インタビューしたサイバーボッチャを広めるプロジェクト。別のプロジェクトではありますが、私たちは同じクマプレを拠点に活動しています。

クマプレで作業するnoteチーム(手前)とボッチャチーム(奥)

同じ場所で仕事をし、同じ電車で行き来し、特に僕は男子寮で彼らと同じ場所で生活しているので、とても身近な存在です。そんな身近な人たちを取材し、記事に起こす作業は何とも言えない感覚でした。

話す機会は多い私達ですが、彼らが大熊町に来た理由は、インタビューで聞くまで知りませんでした。鈴木君は復興に興味があり、天野君は障がい者スポーツに興味があり、参加の動機は違うものの、同じプロジェクトで働いています。動機は違えど、ボッチャで町を盛り上げたいという部分は共通していて、仲良く働いているなというのが横で見ていての印象です。

そんな2人がインターンの集大成を披露するイベント「ふらっとクマプレ」は9月17日に開催予定。彼らはボッチャコートで説明と審判員を担当します。当日はイベントで頑張る彼らの勇姿も見に来てください🔥

インタビュー:殿村・中井
編集:中井

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