モンクロシャチホコ ブンブンスカイファームのプラムの木の下に行くと、まるで雨が落ちてるのかと勘違いするように黒い糞が落ちてくる。見上げてみると毛虫がたくさんいて、葉という葉は虫に食べられてほとんどなくなっている。プラムの木は大きく育っていて、蜜蜂の巣箱がその下に置いてある。農薬を撒くわけにもいかない。困ったことに蜜蜂は最低でも2キロメートルは離れた場所に持っていかないと、元いた所に戻ってくるという習性がある。 毛虫の幼虫は、大きくなってきたら幹を這って降りてきて、土の中にで
横浜でアカボシゴマダラを見かける シャーシャーシャーと甲高く鳴くクマゼミの声で目が覚めた。 もともと横浜には、クマゼミはいなかった。いつの間にか増えて、午前中はクマゼミの鳴き声が激しい。 庭のクマゼミが鳴く方を見てたら、赤い紋のある蝶がヒラヒラと飛んできた。この蝶も以前はいなかった。初めて見た時、なんていう蝶だろうと調べてみたら、アカボシゴマダラという名の蝶がヒットした。 初めて見たのは、何年ぐらい前だったっか。蜜蜂を飼いはじめて間もない頃だったように記憶している。蜜蜂を飼
花の苗が並んでいる店で、バタフライピーを見かけたのはいつのことだったか。数年前だったかな。2鉢を買って帰り、大きな鉢に植えてツルが捕まることができるように、太い針金でできた支柱を立ててやった。 みるみるうちに大きく育って、花が咲いた。大き目の豆の花。とても鮮やかな青。和語ではその名の通り、「蝶豆」と呼ぶらしいが花屋さんやネットではバタフライピーの表記がほとんどだ。 バタフライピーは東南アジアを原産とする豆科の植物。日本の冬を越すことはできないので、一年草扱いである。はっきりし
実家の裏山の比翼塚 子供のころ遊び回っていた裏山に比翼塚があった。鬱蒼とした杉の大木の下にその塚はあり、苔むしていて何が書いてあるかも分からない。曽祖母に聞いても誰のお墓だかわからいという。 その場所は少しジメジメしていて、大きな天南星が生える。天南星のことを蛇の杓子と呼んでいた。名前からしてあまり気持ちいいものではなかった。蛇の杓子が生えている場所と比翼塚の組み合わせが、だんだん歳を重ねるごとに薄気味悪いと思うようになった。 天南星の時期になるとその周りには、エビネランが
道端に咲くブルーの花 春爛漫の時期に近くの山を歩いていると、日当たりのよい山路に青い花が咲いているのに出会う。その鮮やかな色の花がまるで蛍のように見えるので、ホタルカズラという名前がついたという。花より植物の名前であるホタルカズラの方を先に知ったら蛍が舞う梅雨の頃に咲く花だと思ってしまうに違いない。私はたまたま犬と山歩きをしていて、道に飛びだして咲いているのに遭遇した。花が咲くとランナーが延びてくる。人の歩く所にまで侵入していた。かがみ込んでツルを土手の方へやるついでに、ひ
鶯の初音 2月27日のサンセットの写真を撮っていたら、竹藪の方から鶯が鳴いているのが聞こえてきた。右方面から聞こえてきたと思ったら、左方向からもホウホケと下手な鳴き声が流れてきた。鶯の初音! 今年は少し早かった。鶯の初音は、3月に入ってからの方が多い。 温暖化だからといって早まることはないだろう。鶯が鳴き始めるのは、日の長さが関係するという。毎年、初音を気にしているけれど、2月末前後に鳴きはじめる。 ブンブンスカイファームで鶯の歌を聞きながら、ミツバチの世話や野菜の草取りな
果物屋や野菜屋の店頭に、赤ちゃんの頭ほどはあろうかというとても大きな柑橘が並ぶ。並ぶというほどたくさんではなくてせいぜい2〜3個が置いてある。 商品名のところを見ると「晩白柚」と書いてある。以前は「文旦」と書いてあったように記憶しているが、ここ何年か晩白柚と書いてある。産地が熊本だから晩白柚なのだろう。 ネットで調べてみると、ボンタンの出荷の90%以上が熊本県だという。熊本では晩白柚と呼んでいるというので、晩白柚と書いた案内書を添えて出荷される。 鹿児島ではボンタンと呼んでい
ブンブンスカイファームには、カラムシが生えている。刈り取ってもまたすぐに伸びてくるカラムシ。 子供のころは、カラムシという名前は知らなかった。他にも似た植物はたくさんあるので、全てひっくるめて麻だと思っていた。 根ごと引き抜くのは難しいから、茎を鎌で刈りとる。またすぐに伸びてくる厄介な植物だ。 縄文時代にはカラムシで織った布があったというので、稲と共に日本に渡ってきたのではないかという。ずいぶん古い帰化植物だ。カラムシの繊維で織った布について調べてみると、今では高級な織物とし
スカンポとは、何ぞや? 私は、スイバのことをスカンポというと思っていました。 ところが、イタドリのことをスカンポという地方もあるようです。 スイバは、田畑の畦道や河原の土手に生えていることが多い植物です。遠目に見るとほうれん草のような青々とした葉が目立ちます。ロゼット状に広がった葉がもちあがって、やがて花が咲くために茎がすっくと伸びてきます。春から夏にかけての植物です。初夏のころから夏にかけて、赤みを帯びた淡い緑色の花もあれば、赤が強いのもある、、、。エッセイを書くつもりだ
蜜蜂巣箱前に人面蛾現る皆さんは、人面蛾を見たことがありますか? 人面、つまり人の顔のような模様が、蛾の背中にあります。初めて見た時はギョッとしました。何のためにミツバチの巣箱の周りにいるのだろうか? ネットで調べました。 人面と言ってもドクロに近い顔かもしれません。日本にいる人面蛾は、メンガタスズメとクロメンガタスズメがいるようです。 蜂蜜を泥棒するのはクロメンガタスズメと書いてあるので、私が見たのはクロメンガタスズメでしょう。よほど蜂蜜が好きなのでしょうね。蜜蜂と同じような
セミの抜け殻集め 今から十数年あまり前のことだが夏休みに、母親の実家に来ていた小学3年生の男の子と勉強をいっしょにしたことがあった。フィールドでの学びを親に頼まれていたので、庭に出たり近くの公園に行ったりして、植物や虫のことを教えたりした。その中でセミの抜け殻を集めて学んだのが、今でも懐かしく蘇ってくる。 新聞に抜け殻5種の写真が出ていた。抜け殻をたよりに図鑑でどのようなセミか調べてみた。アブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ツクツクホウシの5種のセミが新聞に出
プロポリスとは、何ぞや? 一言でいえば、天然の抗生物質のことである。 プロポリスは、ミツバチが色々な植物から成分を集めてきて、巣の中に塗りたくっている。巣箱の蓋を開けるときに城壁を防護しているようなもので、ツールを使って開けないとピタッとくっついて離れづらい。巣枠の周りにもベトベトしたプロポリスが塗られている。 ミツバチは人類誕生よりずっと前に独特の集団生活をしていたと考えられる。特定の樹木から集めた樹液にミツバチの分泌物が、調合されてプロポリスができる。 不思議なことにニホ
分蜂群が飛んできた! 春になると蜂の数が増える。数が増えると群れのおよそ半分と女王蜂が、分家するのです。新しい女王を用意して、その女王が生まれる寸前に古い女王が群れの半分を引き連れて出ていく。 4月20日ごろだったか、お昼を食べていたら、ガラス窓の庭の方がすごいことになっていた。ミツバチの大群が飛び交っているではありませんか! まさか? 私のミツバチが分蜂したのかしら? 巣箱の所に行って確認した。どうも私のではないようだ。どこからか飛んできた模様。空き巣箱に引きあげた巣枠が入
いまの時期、私の住む周りは山桜に囲まれる。吉野の桜ほどまではいかないまでも、上から眺めると山の面積の半分以上は桜に覆われている。桜の色は白から淡いピンクまでさまざまである。白が多いのは大島桜が、近くの別荘に植えられていた。その種が小鳥などに運ばれたのではないだろうか。白とピンクの桜が交雑したのがほとんどである。山桜の花の時期は、3月下旬から4月いっぱいがほとんどで、たまに5月の初旬ごろまで咲いてるのがある。 ブンブンスカイファームにも桜の木が1本ある。ベランダから花を眺める
お正月といえばお節が頭に浮かぶかもしれない。私にとっては神様の拠り所になるという門前に立てる門松だ。都会で暮らすようになっても、松と輪飾だけは買ってきて立てるようにしている。 子供のころはまだ古い風習がいろいろと残っていた。学校が休みになる12月25日ごろから準備に取りかかるので、何でもやりたがりの私は、デカンのそばで手伝わさせてもらっていた。デカンとは住み込みの男の使用人のこと。私が小学生のころまでは、男女ともに住み込みがいる家だった。ちょうどこの文章中のころのデカンは、
冬になると、昆虫の姿を見ることはなくなります。それぞれの昆虫が、手を替え品を替えて春を待ちます。ここでは、ミツバチの冬の過ごし方を述べていきましょう。 ミツバチは、巣箱の中で過ごします。冬眠をしているわけではありません。 ミツバチの群れは気温が低下して14°Cに達すると、蜂球を形作ります。それ以後は蜂球は気温が下がりつづけても、蜂球内部温度は14°C以下には下がりません。つまりこの温度は蜂球温度の最下限なのです。この14°Cという温度は、他の昆虫が冬眠を始める温度にほぼ一