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小説『クレイジー受験生』②

小説:『クレイジー受験生』②
著者:沖合愛子
約800文字
いつも、ご愛読ありがとうございます♪
気軽に読んで下さい♪

シリーズものです。
良ろしければ、小説『クレイジー受験生』①もご覧下さい♪

※あらすじ
いつも誰よりも朝早く学校にきて、
私を待ち構える男がいる。
それは、免力学だ。
「むむ、おはようございますですね〜。」

A.序

「おはよう。
めんりき君。今日も朝早くから学校に来て偉いね。」

免力学は私の生徒で、高校3年生である。
授業が始まるよりずっと前に、彼が朝早く学校に来る理由は、自習室を使って勉強するためである。

「むむ、先生、おはようございますですね〜。
先生も朝早くから学校に来られて、関心関心ですね〜。」

自習室の鍵は我々教師しか持っていない。
ゆえに、朝早くから自習室を利用する生徒のために、教師の誰か1人が朝早くから来校しなければならない。

その誰か1人が、私だ。
いつも誰よりも朝早く学校に来るのが免力学であり、その担任が私、といった到底理解し難い理由から、私が任命された。

しょうがないな。
頑張っている生徒を応援するのが教師の役目であり、それが教師の仕事なのだから、これぐらいは甘んじて受け入れてあげよう。 

B.破

「めんりき君は、今日何の勉強をするんだい。」

「むむ、今日私は、昨日買った英語の参考書を勉強しようと思いますよ〜。」

私は受験英語担当だ。
生徒の英語の勉強内容を管理するのも私の仕事の1つである。


「そうか、頑張りなさいね。
ちなみに、どんな参考書を買ったんだい?」

「へぇへぇ、これであります。」

そういって、昨日買った参考書を見せてきた。

「おい、パンくずだらけじゃあねぇか!
昨日あれほど言ったよね。暗記パンはよせって。」

昨日、暗記パンをしていたことが発覚したので、彼には散々注意した。

「ち、違いますよ。暗記パンなんてしていません。
むむ、わかりました。
この参考書は不良品ですね〜。
買うときにパンくずが付いてるなんて、気が付きませんでしたよ。」

「いや、よく見たら、お前の口にも同じパンくずついてんだよ。
絶対暗記パンしてたよね。明らかな証拠だよね。」


免力学が眉毛をピクリとさせる。

「むむ、バレましたか。
流石は、先生ですね〜。
パンが美味しくなるから、ついついやっちゃうんですね〜。」

「ばか、参考書にパンくっつけても味は変わらねぇよ。」

「そ、そうなんですか。
味変すると思ってましたわ。
ありがとう、先生。」

どうやら、その暗記パン味変情報も彼が入っているオンラインサロン『受験生の集い』がソースらしかった。

昨日私から言われた通りに、彼はそのオンラインサロンの解約手続きを行ったらしい。
しかし、向こう一ヶ月分の会費を既に払っていたため、今月分は参加出来るらしく、勿体ないから参加していたとのことである。

「とにかく、その『受験生の集い』は、2度と見なくていいからな。
君は真面目に勉強をしてくれればいいから。」

「むむ、わかりました。
先生、ありがとうございますですね〜。」

「そうか、じゃあ頑張って!」

「むむ、頑張りますよ〜。」

C.急

授業が始まるまでかなりの時間がある。
近くのコンビニに行って、コーヒーを飲みながら、一服でもしよう。

全く、変な生徒が多いな。


〜続く〜
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