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自分の自信は愛の時間

私は自分に自信を持つ事が出来なかった。
ずっとずっとずーっとの間。
年数にすると36年間。
中々長い時間経過に感じる。

私は幼稚園の時には頭一個分、同級生より身長が大きかった。
小学五年生の時には160cmを越えていた。
だから、周りの子みたいに可愛げ無い図体のでかい自身の見た目が恥ずかしくてずっと猫背に過ごして来た。

LIVEに行った時だけ背をシャンとして、メイクとLIVE用のとっておきなお洋服と靴に背中を押してもらって自信を持ってメンバーにキャーキャー言って、全力で暴れ切って帰路に着いた。
(LUNASEAが私の育ての親です、30年間のSLAVE生活は心の宝物です。)

勉強も家事も習い事も人間関係も恋も仕事も人生も
器用貧乏だから、取っ掛りには苦労しないのだけれど、その先へとなると、Identityも無く、心の帰れる場所も、全力で気を抜ける相手も居ない私は踏ん張りが効かなくて、いつも自分からつま先立ちまで行ってポキッと折れて潰れてしまう、全てが悲しいから自分から関係を切りに行く様な状態だった。

気付いたら、36の誕生日を迎えていた。
余りにもの無惨な自分に私は驚愕して、ぶっ壊れた。

いつもお夕飯を食べに行く居酒屋へ行き、SEXしたい。知らない人と、ザックリと、面倒くさくなく、だって誕生日なんだもん!

と、アルコールが入って無いのがまぁまぁ不思議なテンションで大将と話し込んだ。
(私はアルコールアレルギー)
大将は弟さんが時々DJをしている安心感のあるという謎の南国風なクラブへ閉店後に私を送り届けてくれた。

そして私はまたもや先程のぶっ壊れメッセージをマスターに語った。
マスターは真剣な顔をしながら、誕生日のエッチは重要じゃん?相手は大事よな〜と、言ってから電話をかけて常連客を呼び寄せてくれた。
なんていい人なんだー!神ー!って思っていたら、めっちゃ喪服みたいな黒スーツ組が来店した。

ん?どしたー?
と、なったら、真面目に彼等の探していたと言う親友の遺体が見付かり引き受けて葬儀場へ行ってきた後だと言う。

なんつータイミングだ?
と、SEX目的の女は瞬時に話し聞き役に早変わりした。

お陰様で、彼を膝枕させながらHOTELへタクシーで向かって、ラブラブお風呂に入って…2人でベッドの中で何する事もなく、、、
お互いを「お前良い奴だから、生命大事にしろよ?」と、言い合って手を繋いで朝までぐっすりと眠り込んだ。

寝て起きたら、彼はお葬式本番の喪主を支える役目があって、私は36歳と1日目で我に返って居た。

なんか、よくわからんけど…と、お互い肩を抱き合い称えあって別々にHOTELからタクシーで帰路に着いた。

取り敢えず私は一生忘れられない誕生日を過ごす事ができたのだった。
(余談だが後にも先にもHOTELに携帯忘れてしまう大失態は流石の私だと思う。導きの場所が素敵。)



それから1年しない間に私は本当に人生でこの人を手放しちゃダメだと言う彼と出会って恋に落ちた。
仲良し行政書士の乙女先生には名言
「アタイ、悪魔に魂売っちゃった」
そう伝えて、彼との愛人生活を送っていた。

彼は時々私の事を携帯のカメラで写真に残していた。
それはSEX中とかのでは無く、普通に私が本を読んでいたり、ぽへ〜って植木に水を上げてる日常の私の姿だった。
(SEXはスポーツだと名言する彼が最中に携帯を手にする様な失礼さの無い所がまた良かった。)

私はギャーギャー写真の消去を叫びつつ、写真に映る私の顔が不細工ながらに作り笑いをして無くて幸せそうな事と猫背でも無く、普通にいい感じに力が抜けて見えて、それを愛しい人から
「ええやん、お前はいい女なんやもん」
と、言われるのがたまらなく嬉しかった。

今、思い出しても、ただただ嬉しかったあの時間は私に本当の自信を与えてくれた、私が私を認められた、大事なかけがえの無い時間であった事が分かる。

今は宝物に想い、胸の中の宝箱に唯一無二のリボンを付けて大切にそっとしまって置いている。

彼は武士みたいな人だった。
人情味溢れて、でも乱世で生き抜いたから不器用にしか生きられなくて、でも、真面目で几帳面に仕事をこなす鍛錬さのある人だった。
いい漢を愛して私は良かったと思って居る。

立場とお互いのパーソナリティ的な障害が無ければ、きっと私は本当に一生彼を大事にしただろう。

でも、私は彼を支える強さを持てる状態に無くなっていた。
祖母を亡くし、子宮頸がんに聴覚障害、髪も無惨に抜け落ち、突発的に去年は我がどうなるか分からない瞬間が何度もあって、胃腸炎で1ヶ月間、じゃがいもと白米、具無しの薄めたお味噌汁と梅干しにスポーツドリンクしか身体に取り込めない時間があった。
10kg近く痩せて、今も影響が残った状態だ。

それで私は彼から離婚が決まったと聞かされても、素直に喜べなくて(親友はやっと堂々と付き合える!と、喜んでくれていた…)
私は彼と一緒に電話口で暗くなり、大丈夫なん?
食べれてる?今、何処で生活してるの?洗濯物は?
と、田舎のおかんのように矢継ぎ早にオロオロした。

そして精神科の医師に彼の生育歴からを話、どうしたら良いかを珍しくお互い感情的になりながら、ロングタイムになりつつ話し合って、次の日にも診察は持ち込まれ、別れのLINEを入れる結論となった。



何でこんな赤裸々に綴っているかというと、ある漫画を吉本ばななさんが紹介していて、私も大好きな漫画なので、Twitter上でお兄ちゃんが好き!かっこいい!と、やり取りした、、、ただソコから、私に自信を付けさせてくれた武士みたいな彼の事を語源化しておきたくなったのだ。
(漫画:働かないふたり-吉田覚)

人間、本当にちょっとした自分では分からなかった自身の姿一つ、認めて貰えたと愛を感じる言葉一つでちゃっかり自信を持てたりするのだ。

もしかしたら、私が幸せの敷居が低い単細胞生物だからなのかもしれないけれども。

でも、自信を持って言えるのは、子どもも大人もジェンダーも年齢も何も壁にはならなくて、ただ本当に愛する人に認めてもえた「心の安心感」ただそれだけ、小さな愛情の記憶だけで、人間の人生は変わると言う事だ。

私は彼から愛してるだなんて言われた事も無いし
私も彼に愛してるとは言わなかった。
ただ一生、友達以上恋人未満で充分だった。
会えなくても、声が聞ければそれだけで幸せだった。

でも、やっぱりクリスチャンと言う私のもう一つの大事な自身のIdentityが関係にストップをかけたのだった。

神様の前で嘘をつきたく無かった。

乙女先生には別れのLINEも見てもらい
(1人では耐えられ無かった、実際の所)
あの時の魂を売った話を覚えてる?って聞いたら
「忘れられないわよ、どうなるかと思っちゃったもの。でも、なんて言うかやっぱりクリスチャンって、神様の力が働くのね。安心したわ〜」
と、笑いながらもホッとした声でそう伝えてくれた。
私もそこでようやくホッと肩の荷を下ろす感覚を持つ事ができたのだった。


ボロくそな記憶と体調の5月が真夏日と共に次の梅雨の季節へと移り変わろうとしている。

またほんの少しだけ体重が落ちた私は次は筋肉だ!
心と身体に筋肉だ!
と、汗を流しながらストレッチとヨガから身体を慣れさせる所からスタートする事にした。
(更年期症状のホットフラッシュ真面目に滝汗で辛い)

新月を控えた今夜はそんなおセンチメンタルなお話で、でも、自信の付け方はちょっとした事だよーと、誰かの心の成長になればと
(こんな38の四十路女も踏み台にしてよ~って気分)綴った次第です。

明日こそ1週間出しそびれたゴミ袋1個をちゃんと可燃ごみ出し日なので、朝8時までに頑張る所存です。
なので、今夜は血圧測って寝る前の服薬をして、記憶の蓋をきちんと閉じて眠りたいと思います。
久しぶりに気圧の安定した夜、逃しちゃならぬ訳でございます。

皆様、素敵な夜をお過ごしください。

自信をありがとう

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