わからないところがわからないとどうしていいかわからない
「わかりません」
こう言ってくれるだけまだましかもしれません。
「わかりません」すら言ってもらえないと、こちらも打つ手なしです。
こうなってしまう要因は大きく分けて2つ。
1つはわからないことを周囲に知られたくないという心理が働く場合です。
以前、「わからない」と口にして恥ずかしい思いをしたり、周りからバカにされtた経験があったのかもしれません。それにより「わからない」と口にすること自体が怖くなって、何も言えなくなってしまうのでしょう。
わたしも素直に言えないことがときどきあります。そういうときは必ず「恥をかきたくない」という安っぽいプライドが邪魔をするんですよね…
もちろん、トラウマ的な恐怖を感じるケースもあるでしょうから、無理やり「わからない」と言わせるわけにはいきません。
ですが、わからないことを何かしら知らせてもらわないと、リーダーはわかったものとして進めざるを得なくなり、結果として大きな被害を生み出しかねません。
もう1つは、わからないこと自体を理解していない場合です。わかったつもりになっている場合も含みます。
こちらは自覚していない分、「わからない」ということはほぼありません。だから実際にトラブルが発生してからはじめて、わかっていなかったことに気づくわけです。
テストの本番で、問題を見た瞬間に「これ、知らないぞ?」「どうしよう、まったくわからない」なんて気づいても、どうしようもないですよね…
さらには「わからないところがどこなのかわからない」という場合もあります。例えば極端な架空のケースですが……計算問題を解いていて、どうしても途中でつまづいてしまう子がいます。何度やっても止まってしまいます。きっと原因があるはず…そう思ってあなたはきちんと1つずつ順を追って計算過程を見守ります。すると「+-と×÷の優先順位」を間違えていることを発見しました。そんなの常識と思っていると、それができないことを見落としがちです。本人はわからないことがわかっていないため、わかりませんとは言いませんし、むしろできていると自信満々なわけです。
これもまた後々大きな被害を生み出しそうな気配がしますね。
実はわたしたちも日常的に「わからないこと自体がわからない」という場面に遭遇しています。
ですが経験上、こういうときはこうすれば解決できるかもしれないという汎用的な解決法を備えているため、それほど困ることなく対処できているんですよね。
このような汎用的な認知能力をメタ認知と言います。
さらに、過去の経験を組み合わせて解決する能力を結晶性知能と言います。
「ボールは転がる」。だから野球のボールでもバスケットボールでも同じように転がることは予測できます。これがメタ認知です。
道路でボールが転がってくると、その後子どもが飛び出してくるかもしれません。自身の経験や見聞きした情報を組み合わせて危険を察知することができるのは、結晶性知能が備わっているからです。
転職後、きっとこういう場面はこうするはずというメタ認知や結晶性知能をもってしても、いまの職場でのやり方や手順を知らなければ手を出せません。「わからない」ということが「わかっている」ため、いまここで何をすればよいのかを考えることができますし、場合によっては「わかりません、教えてください」と言えるはず。
それがそもそもメタ認知も結晶性知能も備わっていなければ、わからないということ自体に気づかないわけです。それでは「わからない」とは言い出せないですよね。
職場でよくこんな人いませんか?
「わからないことがあったら何でも聞いてください」
これって最悪の声掛けと言われているんですよね(笑)
そもそもわからないこと自体がわからない(知らない)場合は、何を聞いてよいのかすらわかりません。
わからないことがあっても、それを教える側はよく知っているわけで常識として捉えていることも多々あります。だからわからない部分だけ対処法を指導してくれるばかりで、そもそもの目的や全体における役割、その後誰のどの仕事につながりどんな影響があるかまで、事細かに教えてくれる人はほとんどいません。
結局わからないことがわからないと、何をどうしていいかもわからなくなってしまいます。
ではどういう声掛けがよいのでしょう?
わたしはこれをお勧めしています。
「あれ?どうしよう?と手が止まったら声をかけてください」
「できたと思った時点で教えてください」
どんな仕事であれ、途中で手詰まりになることは必ずあります。
そのタイミングで声をかけてほしいと伝えておきます。
実はそこがわからないポイントです。
大事なのは手が止まるという「行動レベル」で表現することです。
同様にできたと思った瞬間も「行動レベル」です。
行動であれば客観的に捉えることもできますし、経験豊富な方ほど、どこで止まったかを見ればその原因まで理解できるのではないでしょうか?
そこでタイミングよく、必要なことを教えて、また行動へとつなげていきます。
こうすれば、わからないと言わせることもありませんし、行動という事実ベースでできごとを報告するだけですから、恥ずかしさもかなり軽減されるのではないでしょうか?
大人になってからも大切な「わからない」と言える勇気。
これを若いうちから上手に扱えるようになることが、実は社会に出る前にできる大切な教育なのではと最近は思っています。
とはいえなかなか言い出せないものですよね…
若い子たちの気持ちがまだまだわかりません(笑)
#明日も佳き日でありますように
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