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選評*こどもらを家に追ひ立て虎落笛

こどもらを家に追ひ立て虎落笛  岡田 耕
 「虎落笛」などという厳めしい名はどこからと思っていたが、歳時記によれば「もがる」はもともと反抗する、我を張る、だだをこねるなどの意味の方言と言われ、寒い北風の吹く日、電線や竿や木の枝に風が当ってヒューヒューと鳴る音が、丁度冬天のだだっ子がもがるような感じだという所からの命名だとある。
風が冷たくなって来たからいい加減に家に入りなさい、と言う親の声を無視して遊び惚ける子供達。
しかし日が落ちるとさすがに募る寒風にはかなわず、すごすごと家に帰ったと言うのだろう。
それを天のだだっ子が地のだだっ子を家に追い立てたと。
思わず御巡りさんの笛に追い立てられる歩行者を思ってしまった。
しかし御巡りさんの笛は冷たい感じだが、冷たいはずのこの虎落笛にはどこか温かみを感じる。
童謡のような語り口が楽しい。

俳句雑誌『風友』令和四年五月号ー風紋集・緑風集選評ー「風の宿」磯村光生

☆虎落笛・・・角@京都 さんが、「虎落笛」について句と解説と水彩画を記事にされています。ご紹介します。古代史との関係など興味深いです。

(岡田 耕)

【スキ御礼】「選評*裘着て泣きにゆく映画館

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