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選評*揺り籠を夢ごと揺する良夜かな

揺り籠を夢ごと揺する良夜かな  岡田耕
揺り籠に赤ちゃんを寝かせて優しく揺する。するとたちまち赤ちゃんは夢の世界に。それでも尚しばらくは夢の世界から覚めないように揺すり続ける。夢の世界の赤ちゃんと対話するように。そんな親子を包むかのように照る月の光。その光はかの有名な三好達治の「雪」を想わせる。
 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
 揺り籠に眠る赤ちゃんを、あるいはその家を照らす月の光は、まるで太郎や次郎を眠らす雪のように豊かで優しい。

俳句雑誌『風友』令和五年一月号「-風紋集・緑風集選評ー風の宿」磯村光生

☆引用されている三好達治「雪」のイラストを 週末図工室 さんが創作されています。あわせてどうぞ。

(岡田  耕)

【スキ御礼】選評*夕焼の子の駆け足に追ひつけず

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