おいしい染色

『主に植物で色を染めること』についてを中心にイラストなども交えながら綴っていこうとおもっています。

おいしい染色

『主に植物で色を染めること』についてを中心にイラストなども交えながら綴っていこうとおもっています。

最近の記事

紫 草

少し前ですが、待ちに待ったムラサキの苗を購入しました。 近所で購入できると知って3年…最初は売り切れ、次はコロナで・・・やっとです。 1株500円でした。 日本を代表する色の染料の植物ですが、今ではほとんど見かけることがなくなってしまいました。絶滅危惧IB類...近い将来に野生での絶滅の危険性が高いそうです。 購入した苗の枝が一部折れちゃったので、種を採ってみました。 2、3ミリぐらいの大きさです、白くて硬い殻に覆われています。 栽培するのはとっても難しいそうですが

    • 春色

      ずいぶんとご無沙汰となってしまいました。 久々にnoteを覗いてみましたら・・・2020年?! なんだか..申し訳ありません。 また新たに新鮮な気持ちで ー と言っても毎日じめじめと陰うつな天気で晴れやかな気持ちとはいきませんが、ちょっとずつ更新できればとおもっています。 感覚的には春が終わり、夏の始まりの前、すでに暦の上ではもう夏ですが... 春の染め物のことを少し  桜(おそらくヤマザクラ。桜は種類、分類がたくさんあるので正確なところは分からないです。) 花が散っ

      • やさしさのかたまり-ざくろ

        少し前に家の庭にある柘榴を収穫しました。今年は昨年と違って夏のはじめ頃には数えきれないくらいの蕾がついていて、さらに台風の到来もなかったのでとっても期待をしていたんです... が・・ 結局、昨年と変わらず収穫は1つだけというなんとも寂しい結果になりました。一昨年は台風の影響でしたが、今年の原因は特に思い当たることがない。 強いて挙げるとすれば、剪定の時に新しく買った高枝切狭に気分が高まって止まらなくなり手あたり次第に切りすぎてしまったことぐらい... まさか、原因はコレ?!

        • 意外性 アボカド

          猛烈な残暑が続いていますね。こんなに暑いと熱した染料液のもわっとする熱気を感じるだけで、染めるぞ!っていう気力も体力も蒸発してしまいそうです。 7月中は晴れ間がなくて、これじゃあ染め物なんて出来ないよ!なんて、嘆いてたのに... 可笑しいですね さて、 今回のタイトルにあります「意外性 アボカド」 そもそも、アボカドは外見や中身の色がどうしてもダメだったもので、長い間アボカドを避けてきた人生を歩んできました。(ただの単なる食わず嫌いと捻くれた先入観だっただけなのですけど

          筍で淡紅藤

          じとじとした毎日が続いています。曇っていたとおもったら突然晴れたり雨が降ってきたりと染色的にはもどかしい日々です。 さて、今回はじとじとついでにといっては何ですが・・・ じとじと竹林の今が旬(正確には当地域ではちょっと前)、マダケ(真竹)の皮を使っての染色をしてみましたので紹介したいとおもいます。 マダケは竹と呼ばれるものの一つで筍は今が(正確にはちょっと前)収穫時期です。大体30~40cm程度伸びたところで刈り取ります。この時期は梅雨時なので雨が降ったあとの竹はぐんぐん

          梅雨と楊梅

          緊急事態宣言が解除されました。 でも、まだまだ世の中は、じめじめとした湿っぽい雰囲気のまま・・ で、程無くじわじわと梅雨が訪れるわけです。 どんよりとしがちな梅雨ですが、梅雨にも梅雨の良さがある。 ということで、今回は楊梅染めを紹介しようとおもいます。と、いうより染色のことはひとまず後に置いておきまして(楊梅は枝や樹皮や葉を使用するので、いつでも染めることができるのです)、果実に注目したいとおもいます。 まず、「楊梅」(山桃)はヤマモモ又はヨウバイはといいます。ヤマモモ科

          よもぎで蕎麦切色

          はじまりの予感も名残惜しさも感じることができなかった異様な春を経験しました。 未だコロナ禍の真っ只中、終わりもみえず不安を抱えて送る日々ですが、変わらず季節は巡っていきます。こんな..春、だからこそ今の春を感じる染めをしました。 梅とか桜は普段から染めているので何で染めようかと・・ 実は染色をはじめて十余年、どういうわけか一度も染めたことがなかった?よもぎを使って染めることにしました。 よもぎは皆さんご存知のとおり、またの名を餅草といいましてお団子やお餅にして食べます。早

          よもぎで蕎麦切色

          胡桃と染色

          胡桃が落ちはじめ、ぼこっぼこっと音が鳴ると秋だなあと感じる今日この頃です。今年は例年よりも強風の影響で既に数多く落ちていて、大きさはやや小ぶりです。 中身はもちろん、美味しくいただきますが、果皮は染色に使うことができるんです。胡桃で染める方法は古くは奈良・平安から行われていたそうです。 早速、染めてみました。 使うのは、写真に写っている緑色の果皮。(これはオニグルミです) この皮をむしり取って煮ます。素手で取ると指が茶色く染まってしまって、洗ってもなかなか落ちないので、

          春に向けての土づくり

          先日、春に向けて土づくりをしました。毎年の春播きは亜麻(染織関係で)が一番最初なので、一か月前位には土をつくらなければなりません。亜麻は連作ができないので。(自宅のせまい庭で栽培しているので転作が無理なのです。。そもそも規模的に連作とかそんなに気にしなくても...というのは置いておいて) かなり大雑把な土づくりなのであしからずご容赦ください。 まずは穴を掘ります、今回はある事情で結構深く掘っています。予め作っておいた腐葉土を入れます、腐葉土はよく使いますので常に作り置きしてい

          春に向けての土づくり

          ウメの枝を使って染める-アルミ媒染-

          先日、梅の枝を使って染める-鉄媒染-をnoteに書きました。今回はその梅の枝を使ってアルミ媒染したものを紹介したいとおもいます。梅の枝を煮て染液を抽出、染める布は11号帆布、染める工程は染液→媒染液→軽く濯ぐ→染液→濯ぎ→天日干し(できれば陰干し)を2回繰り返す。流れは全く鉄媒染の工程と一緒です。違うのは媒染液のところ、ここをアルミ媒染にするということです。以前にも紹介しましたが、鉄さびと酢を使って作ったのが鉄媒染液、アルミ媒染液はスーパーなどで売っている焼きみょうばんを溶か

          ウメの枝を使って染める-アルミ媒染-

          ウメの枝を使って染める-鉄媒染-

          随分とお久しぶりのnoteとなってしまいました。近頃は春の息吹を感じはじめる今日この頃で・・・とは、まだまだいきませんが。自宅の梅の木には赤でもなく白でもない薄い桃色の花がぽつぽつと咲き始めましたね。というわけで染色用として昨年秋頃に剪定してとっておいた枝を使って染めてみました。梅も昔から染色に使われていた染材ですね、江戸の四十八茶百鼠なんて呼ばれる色があった時代にも梅の木や樹皮が利用されていたようです。今回は枝を使いました。 昨年の枝を細かくするのは、(硬くて)結構労力を

          ウメの枝を使って染める-鉄媒染-

          藍→お茶

          藍を自宅の庭で育ててみて、毎年いつも不思議におもって気になっていることがあります。藍の葉の表面をウロウロしている蟻です。特段、何かを吸っているそぶりや何かを食べている様子もなく、ただ狂ったようにウロウロと徘徊しています。何か葉っぱには蟻たちを惑わす香りがあるのか・・何なのか・・と、答え合わせができないモヤモヤを抱えている夏です。(もう秋ですが...) それはさておき、藍は昔から防虫やら解熱・解毒に用いられてきたといわれています、最近では美容や健康にも効果があるのでは?と石鹸

          藍の葉っぱで染める

          夏も終わりすっかり秋めいてきたこの頃ですが。 今回は夏の真只中に染めた藍の生葉染めのことについて書きたいとおもいます。まず藍とは何か?(知っている方が多いとおもいますが)というところを簡単に... 藍はタデ科の一年生の植物です。品種は小上粉・百貫などがあって3月に種を撒いて8月までに2回葉っぱを刈り取ります。虫があまりつかないので(自宅で)育てるのが比較的楽です。藍染には、"すくも"を醗酵させて染める、生の葉を使って染める、乾燥の葉を使って染める等の染め方があります。藍染とし

          藍の葉っぱで染める

          サイカチで洗剤をつくる

          今回はちょっと染色からは逸れまして、植物からつくる洗剤について書いてみようとおもいます。石鹸 ー 当たり前ですが、生活になくてはならないモノですよね。実は石鹸が庶民に使われはじめたのは明治時代からだそう、江戸時代以前は何で洗っていたかというと、灰汁やお米のとぎ汁、その他にはサイカチやムクロジの莢(サヤ)や果皮を利用していたとされています。(※石鹸が初めて日本にきたのは江戸時代以前だそうです。) さて、今回 作ってみる洗剤は上記の中のサイカチの莢を使用します。 サイカチからつ

          サイカチで洗剤をつくる

          ビワで染める

          『植物染色をはじめてみたい』と考えている方におすすめしたい染色です。藍、紅花、蘇芳、etc. と植物染色界の並みいるスターを横目に何故、始めはビワなのか・・・ 理由は「染めた後がっかりしない」からです。 例えば一番最初にご紹介した玉ねぎ染めは、濃い黄色に染まって、皮はどのご家庭でも大抵あるものなので気軽に染色を楽しめるのがおすすめなのですが、実は数回の染め重ねでは色が抜けてしまいます。(例えば、バッグを作って外で使う場合など) せっかく綺麗に染めたのに色がなくなってしまうとテ

          ビワで染める

          作ってみました。ビワ茶

          採ってきたビワの葉を使ってお茶を入れてみました。 調べてみますと、昔から飲まれていたりいなかったり、、、詳しいところは分かりませんが、最近は健康に良いとかダイエットに良いとかちらほら聞いたり見かけたりします。わたくし、非常に臆病者なのでいろいろ調べましたところ・・まぁ..なんだかよく分からないという結果に至りました。 農林水産省のサイト(平成29年12月)では、種子には天然の有害物質「シアン化合物(アミグダリン)」が多く含まれている、粉末にした種子は一度に大量に摂取してしまう

          作ってみました。ビワ茶