観音様に会える山(広島市)
タイトルで誤解され兼ねないが、決して命を失うという意味ではないのでご安心を。
昨日(4/7)の日曜日。久しぶりに朝から快晴の雰囲気が漂っていたので、広島に着任して初となる登山を決行した。
休みになると早朝に目が覚めてしまうので、5時前に目が覚めてから(どこに登ろうか…)とソワソワ。
似島の安芸小富士にも登りたいが、土曜も似島に行ってるので少し違う所に行きたいな…と暫し思案したのちに府中町の高尾山に登ることに決めた。
東京の超有名な高尾山と同じ名前の山が広島県府中町にもあるのだ。
幾つかの登山ルートがあるのだが、府中町立水分峡(みくまりきょう)森林公園の駐車場が利用できるのがとても良いのだ。
標高は424m。私の好きないわゆる「低山」だ。
考え方は人それぞれなので、これが正解とは全く思わないが色んな山を登ってみて思ったのは「ほどほどが楽しい」という事。
もちろんアルプスの剱岳や白馬岳にも惹かれるが、朝出かけて昼頃に撤収する感じが自分には合ってる気がするのだ。
そんな訳で7時前に家を出て森林公園に向かう。
コンビニに寄ったりしながらのんびり向かって、到着したのが8時前(走行時間は30分弱)。
まだ早いから駐車場には殆ど誰もいなかった。
森林公園の管理棟前の駐車場に車を停めて、のんびり遊歩道を歩き始める。
公園内は綺麗に整備されており、水分峡というだけあって綺麗な水路を眺めながらテクテクと進んでいく。
道中、親切な看板が必ず配置されており迷うことの方が難しい。目指すは「岩谷観音」だ。
高尾山の頂上には岩谷観音と呼ばれる観音像があるらしいのだ。
ちなみに高尾山から呉婆々宇山(ごさそうざん)にも行けるらしいので、慣れてからトライしたい。
土曜の夜に雨が降ったから道中に見られる堰の水量も多かった。夏場なら浴びても気持ち良さそうだ。
いよいよ登山道っぽくなってきたなと思い始めたところ、注意書きが!
四国の登山に慣れた私は「マジかよ」と少しテンションが下がる。
四国には熊の生息が確認されないため、熊害についてはこれまで気にしたことがなかったのだ。
そうか、ここは本州だから熊がいても不思議じゃないのか…
遭遇しないことを祈りつつ歩を進める。
登り初めて気がついたのは、ルートがとにかく岩場ばかりということ。
写真をご覧いただくとお分かりだろうが、足元が全て岩になっており恐らく長年の降水によって削られた岩肌の上を歩くような道だった。
この辺の山は岩山が多いのかもしれない。
汗が流れ始める頃、中腹の広場に出る。
元々はここに寺があったらしい。そして後にわかったのだが、ここからが本番である。
広場からの道のりは傾斜もさることながら、とにかく巨岩が落ちてこないかヒヤヒヤしながら登る事になる。
もちろん落ちては来ないのだろうが、車より大きな巨岩があちこちにあるので、少しだけビビる。
また、岩と岩と隙間をクライムしながら通る箇所も幾つかあるため、手袋はあった方がいい。道中何ヶ所かはロープに捕まりながら登る事になる。
頂上に近くなると捕まりながら登ることが増えてくる。
困難ではないが、慎重に登るべきだろう。
そして岩谷観音様に初対面。
道中の無事を感謝しながら、参拝。
そして眼前に広がる景色は…
はっきり言って、こんなに綺麗なパノラマビューは初めてだった。思わず息を呑む。
足元は巨石群で、立ち上がるのは少しだけ怖い。
実際登ると結構怖いし、落ちたら多分…少なくとも大怪我は避けられない。
ただ、とにかく素晴らしいとしか言いようのない景色が360度広がっている。
高尾山の山頂はここから100メートルくらい先にあるのだが、実質ここがゴールと言ってもいいだろう。
標高こそ450mと大したことはないのだが、尾根伝いに登る形なので割とハードだ。
「ハイキングの高さだよな」なんて甘く見ていたが、結局大汗をかいた。
広島に生まれ育ったのに、こんな絶景スポットがある事も知らずに居たのが悔やまれる。
土曜の似島も然り。そこに「或ること」を知ろうとしないままで評価してしまっていた事をとても後悔した。
人の良いところや歴史や景色…ちゃんと向き合って見なければ、本質は見えてこないのだなと思い知らされる。
広島県安芸郡府中町の高尾山は、信じられないくらい最高の景色を見せてくれる山だった。
ラストは駐車場に咲く桜に癒されて、山を後にした。
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