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ことばと音楽

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日々の出来事と好きな音楽が絡んだ記事や、曲を基に書いた小説をまとめています。
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#音楽小説

【音楽×小説】花人局(はなもたせ)

【音楽×小説】花人局(はなもたせ)

目が覚めると、隣には誰もいなかった。
まるで、昨日の夜まで彼女がそこにいたことそのものが嘘だったかのようだ。

二日酔いで痛む頭を押さえつつフラフラと立ち上がると、水を飲もうとキッチンへ向かう。

洗って干したままのグラスを取り、ふと顔を上げると、ラベンダーが一輪、小瓶に挿してあるのが目に留まった。

………彼女の好きだった花だ。

グラスに水を注ぎ、ソファに腰掛ければ、そこには編みかけのマフラー

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【音楽×小説】祝福のメシアとアイの塔

【音楽×小説】祝福のメシアとアイの塔

———なんということだろう。

人が神の怒りに触れたその時から、世界を保つために15年ごとに繰り返されるこの儀式。

あの子が、救世主に選ばれてしまうなんて。

「……絶対に、あの子を独りではいかせない。  皆、いいね?」

村の長としてこれまで私たちを引っ張ってきた彼の言葉に、私たちは何の迷いもなく頷く。

みんな一緒なら、恐れるものはなにもないから。
あの子と共に、私たちも塔へ連れ立とう。

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【音楽×小説】この夜を止めてよ

【音楽×小説】この夜を止めてよ

目が覚めた時、彼は既に隣にはいなくて、私は独りで朝を迎えた。
窓から差し込む日差しが、私を容赦なく照りつける。

夜が夜のまま止まればいい、時間なんて過ぎなければいい。
そんな風に願っても、それが現実になる訳はなくて、だけどそれが悲しくて。
涙が一筋、頬を伝った。

———私たちの関係は、許されたものではなかった。
最初は、大きなその背中を見つめていられるだけで幸せだったのに。

甘い過去の記憶も

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【音楽×小説】モラルの葬式

【音楽×小説】モラルの葬式

「だから、【モラル】は殺されたんだよ」

———私の隣に座った【プライド】は、耳を疑うような言葉を放った。

「………殺されたって、誰に……?」

「決まってるだろ。
………この世の中に、だよ」

***

【モラル】が亡くなった。
この世界が回る上で必要不可欠だった彼の死は大きな波紋を呼び、彼を弔うために開かれた葬式には、最後の別れを告げようと多くの人々が訪れた。

呆然とした様子で前列に座る【

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【音楽×小説】オワリはじまり

【音楽×小説】オワリはじまり

他の学年は10人以上の部員がいる中、わたしたちの学年はたった9人だった。

最終学年、3年生になってからは、9人で団結して20人以上はいる後輩たちを引っ張りながら駆け抜けてきたのだ。

———だけど、それも今日で最後。
この文化祭のステージを最後に、わたしたち9人は合唱部を引退する。

ステージの締めは、3年生だけで歌う曲目だ。
活動の集大成にわたしたちが選んだのは、かりゆし58の「オワリはじまり

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【音楽×小説】Be my last

【音楽×小説】Be my last

私の「生涯最後の恋人」がこの人だったらと、どれほど願っただろう。

「私たち、別れよう」

「………え、何で急にそんなこと……」

「私が“悪魔”で、君が“天使”だから」

「っ、そんなこと、今に始まったことじゃ……!」

「私、知ってるんだからね?
私と君の関係が続いてることが周りにバレ始めてて、君が天界で後ろ指さされてることも、下手したら大天使たちに申告されそうなことも」

「………だって、君

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【音楽×小説】LITMUS

【音楽×小説】LITMUS

想い人と結ばれ、心も身体も一つになる。
自分にそんな日が来るなんて、夢にも思っていなかった。

「……ネラ、起きていたのか」
「えぇ、ヴァイス様」
「こら、今は様付けで呼ぶな。
今は、俺の恋人、だろう?」

「……そうね、ヴァイス」

だって私は、世界で最も愛しいこの人を殺めるために遣わされた暗殺者なのだから。

——この国で多大な権力を持つ貴族の一つであるリュミエール家。
私はこの家に仕えるメイ

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