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ことばと音楽

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日々の出来事と好きな音楽が絡んだ記事や、曲を基に書いた小説をまとめています。
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2021年10月の記事一覧

【音楽×小説】この夜を止めてよ

【音楽×小説】この夜を止めてよ

目が覚めた時、彼は既に隣にはいなくて、私は独りで朝を迎えた。
窓から差し込む日差しが、私を容赦なく照りつける。

夜が夜のまま止まればいい、時間なんて過ぎなければいい。
そんな風に願っても、それが現実になる訳はなくて、だけどそれが悲しくて。
涙が一筋、頬を伝った。

———私たちの関係は、許されたものではなかった。
最初は、大きなその背中を見つめていられるだけで幸せだったのに。

甘い過去の記憶も

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ほら、君も一緒に歌おうよ。

ほら、君も一緒に歌おうよ。

Goose houseの動画を初めて見たのは、体調が悪くてベッドで横になっている時でした。

ゴロゴロしながら見ていたYoutubeのおすすめ欄で見つけて見てみると、楽器を片手に楽しそうに歌う彼らがいて。
「僕たち、私たち、音楽が大好きなんです!」って全身で表現しているような、見ているこちらもつられて歌いたくなるような。

何本か見ているうちに、彼らのうきうき、わくわくした感じがわたしにも伝染して

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【音楽×小説】モラルの葬式

【音楽×小説】モラルの葬式

「だから、【モラル】は殺されたんだよ」

———私の隣に座った【プライド】は、耳を疑うような言葉を放った。

「………殺されたって、誰に……?」

「決まってるだろ。
………この世の中に、だよ」

***

【モラル】が亡くなった。
この世界が回る上で必要不可欠だった彼の死は大きな波紋を呼び、彼を弔うために開かれた葬式には、最後の別れを告げようと多くの人々が訪れた。

呆然とした様子で前列に座る【

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【音楽×小説】オワリはじまり

【音楽×小説】オワリはじまり

他の学年は10人以上の部員がいる中、わたしたちの学年はたった9人だった。

最終学年、3年生になってからは、9人で団結して20人以上はいる後輩たちを引っ張りながら駆け抜けてきたのだ。

———だけど、それも今日で最後。
この文化祭のステージを最後に、わたしたち9人は合唱部を引退する。

ステージの締めは、3年生だけで歌う曲目だ。
活動の集大成にわたしたちが選んだのは、かりゆし58の「オワリはじまり

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40mPさんについて語りたい。

40mPさんについて語りたい。

タイトルからいきなりよく分からない宣言をした上、ボカロに馴染みがない方からしたら、40mPとは何ぞやって感じだと思います。

ボカロの曲を作っている方は、皆さん名前の後ろに「P」を付けられることが多いです。
わたしはプロデューサー的な意味だと思ってるんだけど、他に意味があったりするんだろうか🤔

……それはさておき、今日は40mPさんの曲でわたしが好きな曲をご紹介したいと思います!
ボカロ好きな

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わたしのスキな「歌ってみた」3選

わたしのスキな「歌ってみた」3選

中学生の頃から、わたしが仲良くなる友達はなぜかほとんどの子がアニメやボカロ好きな子でした。

一緒にカラオケに行くとみんな揃って必ず1曲はボカロ曲を歌うし、高校生だった頃にTwitterで絵師として活動していた子は、ボカロとのコラボキャンペーンとして開催されていたイベントにイラストを応募した結果、見事採用されて、一時期カラオケでボカロを歌うとその子のイラストがバックで流れていたこともあったほどです

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