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おばあちゃんはすぐに捨てる |エッセイ


よく、母が
「え!?ここに入ってた漫画どこ!?
捨てた!?」
などと言っている姿をよく見る。

「そこに入ってない?」
などとすっとぼけているが、捨てているのだ。

最近では、終活終活♪という感じで
ますます、どんどん、捨てている気がする。


私の持ってるキャリーバッグは全部大きすぎて
旅行1泊用にちょうどいいサイズがないので、
買おうかな〜〜と悩んでいると、

「ママのヴィトンのボストンバッグあるから
あげるよ。ファスナーがちょっとダメになってるけどまだ全然綺麗だし使えるよ。」

と母が言ってきたので、
もちろんもらうことにした。

祖母の家に行った時に、
「ママがヴィトンのボストンバッグくれるって
いうから持って帰る。どこにある?」
と聞くと、

「ファスナーが壊れてたから捨てたよ」

衝撃の一言。

なんてこった…ヴィトンを捨てた…? 
40万とか50万とか60万とか
するんじゃないの…?

、、、、というわけで
ヴィトンのバッグは手に入らなかった。

GUCCIの腕時計も
「もう電池切れて動かないし、
デザインが古いから使わないでしょ」
と言って捨てようとしていたところを
ギリギリ回収した。

むしろクラシックなデザインで可愛かったし、
ヴィトンの恨みが残っていたこともあり、
「ハイブラに時代遅れって概念は捨てろ!
ヴィンテージという言葉を覚えろ!」
とキレてしまった。

また、ピアスの片方を無くすと
すぐに捨てようとするという傾向もある。
私はピアスホールが5つ空いてるので、
あまり2個で1セットという概念がない。
だから、捨てる前に一応聞いて!!
と再三言ってるのに、なぜか捨てやがる。

なんでこんなもんとっておいてるねん…
という謎のものは大切にしていたりするので
本当にいい加減にしてほしい。

とはいえ、
なんでこんなもんとっておいてるねん…
で救われた品もある。
これは父方の祖母の話だ。

こちらのお婆も、容赦なく捨てる。
父のプレミアが付きそうなスターウォーズグッズ
は気づかぬ間に全て廃棄された
という、なかなかの強者である。


高校生の頃、
アコースティックギターでも極めようかな
と思いつきで言うと、

「パパの昔弾いてたギターがあるよ。
まあ、もう捨てられてるか。一応、今度行った時聞いてみて、なかったら買えばいいじゃん。
どうせ無いだろうけど。」

と言っていたので、
ダメ元で聞いてみた。

すると、意外や意外。
あるよ!と言ってスルリと出てきたのだ。

なぜ、ギターが大切に取ってあったのかと言うと

、、、、、

父の元カノが作った
フェルトの手作りキーホルダーが
ギターケースについていたからである。

元カノの手作りキーホルダーのついでに
アコースティックギターは大切にされていたのだ!

母も私も妹も、大爆笑だった。
そんな私達を前に
祖母は、
「良いでしょう〜!」とすごく得意気だった。

ギターは持ってっていいけど、それは置いていってよ!!
と元カノ手作りキーホルダーを
ゲラゲラ笑い転げる私の手から取り返し、
同じ場所に大切にしまっていた。

あれがまだ大切に保管されていると思うと
本当に笑える。

もちろん、アコギは弾けないまま…


おしみ
1998年3月生まれ、AB型
甘いものは、しょっぱいものを美味しく食べるために食べます。
極楽に生きたい!



今日のオススメ!
お爺、お婆のあるあるシリーズ👴👵

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